「橙子お姉ちゃん」
「ん?なんだ?」
「御夕飯・・・どうするの?」
「そうだな・・・・・・」
「外で「あ、あの・・・」なんだ?」
「僕・・・作ってみたいんだけど・・・」
「作ってことあるのか?」
「無いけど・・・」
「そうだな・・・なら二人で作るというのはどうだ?」
PANIC
橙子お姉ちゃんが突然そう言いだした。
「え?」
僕はビックリして橙子お姉ちゃんを見た。
「イヤか?」
「嬉しい〜」
少し拗ねたような顔の橙子お姉ちゃんがとても可愛くて僕は橙子お姉ちゃんに抱きついた。
「わ・・・やっぱり素直で可愛いにゃぁ・・・」
橙子お姉ちゃんは僕を優しく抱き留めてくれた。
「本当のお姉ちゃんみたい・・・」
僕は思わずそう呟いてしまった。
「私としては だがな・・・」
橙子お姉ちゃんが複雑な表情でそう呟いたのが聞こえたけど今の僕にはどうすることもできないので聞かなかったことにした。
先生も橙子お姉ちゃんも優しいし大好きだけど・・・今の僕は女の子だから・・・それに子供だし・・・・・・
「───まずは買い出しからだな・・・一緒に行くか?」
「うんっ」
こうして僕と橙子お姉ちゃんの一週間だけの共同生活が始まった。
「───何も会うなとは言われてはいないのよね」
青子は勢い良く起きあがるとガッツポーズを取った。
「・・・ふ・・・私の志貴に会いに行くのに何の躊躇いがあろうか!」
誰に向かって言っているのか分からない台詞を言い、青子は部屋を飛び出した。
その瞳は何かの中毒症状に陥った人間が中毒となったモノを求める瞳だった。
「―――さて、食材はある程度買った訳だが・・・」
「もうお夕飯の時間過ぎてるね・・・」
僕と橙子お姉ちゃんは一緒に公園の時計を見ていた。
時間は午後八時。
今から帰って作ると―――十時前にはご飯が出来ると思う。
「うむ・・・少々奮発して買ってしまったようだな・・・」
「早くおうちに帰る?」
「―――いや、今夜は外食にしよう。食材が今日中に腐ることもあるまい。明日作ればいい」
「えへへ・・・お姉ちゃんと一緒に食事・・・」
「〜〜〜〜〜〜・・・・・・ま、まあそうだな」
お姉ちゃんは何故か顔を真っ赤にしながら僕の手を取り、早足で歩き始めた。
「―――何で・・・何で志貴が居ないのよ!?しかも姉貴まで居ないなんて!!」
青子は両手をワキワキと動かしながら部屋の隅から隅まで志貴を捜す。
「まさか・・・志貴をラヴラバーなホテルに連れ込んで・・・人を外道呼ばわりしながらなんて事を・・・」
ブワッ
青子の周囲に風が集まる。
同時に青子の魔力と殺気が極限まで高まっていく。
「殺してあげるわ・・・そして志貴を取り返す・・・」
そう言い残し、青子はその部屋から姿を消した。
そしてその夜数カ所のホテルがテロリストと思われる人物に破壊された・・・
が、それは志貴には全く関係のない話である。