09年01月31日

 

──────────↓以下、本日の短編(お子様志貴)↓──────────

「シオンちゃん」
「ひぅっ!?志貴!?」
「ふにゅう・・・シオンちゃんに嫌われた・・・」
「嫌ってません!志貴を嫌うわけないじゃないですか!」
「そうだぞ志貴くん。君を嫌う輩は君の周囲に誰一人としていない」
「ッ!?ワラキア!」
「志貴のことを嫌っているのは誰!?」
「アルクおねーちゃん!?」
「志貴くんを嫌う輩は周囲には誰もいないと言っただけなのだが・・・」
「ああ、そうなの?まあそれもそうね」
「志貴。何か用があったのでは?」
「うん。あのね、明日から            」
「えっ!?」
「む?二人だけの内緒話とは・・・」
「志貴ずる〜い!わたしにも内緒話!」
「・・・・・・・だめ?」
「勿論喜んでッ!!!!・・・・・うぁ、鼻血が出そうです・・・・」
「えっ!?何!?どうして?何か途轍もなく良いこと?」

 

09年01月12日

 

──────────↓以下、本日の短編(お子様志貴)↓──────────

「♪〜」
「わっ・・・」
「ほら、志貴」
「わわっ、」
「・・・楽しそうね」
「まあ、端から見たらただ遠野くんを引っ張り合っているだけなんですけどね・・・」
「いいタイミングで片方が志貴を離してもう片方に抱きつかせているし」
「遠野くんはよく分かってないっていうか・・・遊ばれてますね」
「ま、二人が楽しそうだから良いかなって志貴は思っていると思うけど」
「確実に思ってますね」
「でも」
「あのままだと遠野くんの眼鏡が落ちてしまいかねませんね」
「止めよっか」
「そうですね――――」

 

09年01月09日

 

──────────↓以下、本日の短編(お子様志貴)↓──────────

「うにゅ・・・・」
「・・・・えっと」
「んふ〜」
「ぅあ・・・・・」
「―――何をしておる?」
「志貴にこのチョコあげたから・・・」
「ああ、ウイスキー入りのものか・・・」
「にゅ・・・・」
「その前にこれ・・・」
「ワイン入り・・・しかしそれだけで酔うのか?」
「そう言えば・・・志貴、眠いって言ってた」
「おいおい・・・・素直に寝かせてやれ」
「だって目をごしごしこすりながら「あ、チョコだ〜」って」
「そんな可愛い行動されたら思わず許したくなるが・・・眠らせろ。無理の利く体ではないのだからな」
「・・・・志貴、今半分寝ているんだよね・・・多分」
「だろうな・・・しかし、志貴。このまま眠れば虫歯になってしまうぞ?」
「んぇ?・・・・・・うにゅ・・・・アルトおねーちゃんだぁ・・・歯みがき歯みがき・・・・」
「もう訳分からぬな」
「でも可愛い・・・・」
「ふっ・・・この服を着せて寝かせてやろうではないか」
「犬耳フードのパジャマ!?」

 

09年01月08日

 

──────────↓以下、本日の短編(お子様志貴)↓──────────

「ようかんもなかにおまんじゅう〜」
「志貴がとても幸せそう・・・」
「うん!アルクお姉ちゃん、これ!」
「え?うわぁ・・・」
「ようかんと、もなかと、おまんじゅうと、ふつうの大福と、イチゴ大福と、ヨモギ大福!」
「・・・最後のってヨモギ餅とは違うの?」
「うーん・・・おおきさ?」
「志貴のテンションがもの凄く高い・・・」
「だってこんなにいっぱいあったらお茶たくさん飲んじゃうよ?」
「まあ、甘くて何杯も飲んじゃうだろうけど・・・」
「んふふ〜あと、アルクお姉ちゃんには・・・・これ!」
「鯛焼き?」
「うんっ!ホカホカのたいやきだよ〜」
「今思いっきり志貴を抱きしめたい衝動に駆られたけど、それ以上に一つ突っ込みたいな」
「?」
「もしかして、志貴。それ全部一人で食べるの?食べられるの?」
「ちゃんと食べたら歯みがきするよ?」
「いや、そうじゃなくて・・・・・まあ、志貴だから大丈夫か」

 

08年12月13日

 

──────────↓以下、本日の短編(お子様志貴)↓──────────

「月おねーちゃん」
「なんだ?」
「えへへ〜」
「可愛いな、志貴は」
「月おねーちゃんとこうして過ごすの好き」
「そうか」
「そう言えばアルクおねーちゃんもアルトちゃんも月おねーちゃんも」
「ん?」
「血を吸いたいって言わなくなったね」
「―――あの二人なら兎も角」
「月おねーちゃんは元々言ってなかったね。ご免なさい」
「あの二人はもう吸血衝動が無くなった・・・と言う事か?」
「そうなのかな・・・偶にハーハー言いながら僕に抱きついて頬摺りしてくるけど・・・それ以外は特にないよ」
「そう言えば志貴中毒が衝動を潰しているんだったな・・・」
「あとね」
「何かあったのか?」
「ほっぺにチューしたら金色の眼が治っちゃうの」
「・・・・・・・・・・・・・どのようにするのか詳しく」
「?」
「やって見せてくれ」
「うん。こうして・・・んっ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ナイスアタック」
「月おねーちゃん!?」

 

08年11月03日

 

──────────↓以下、本日の短編(お子様志貴)↓──────────

「アレ?志貴、そのお菓子・・・」
「さっき新しいお菓子のサンプルって貰ったの」
「へぇ・・・おいしそう」
「う〜っ・・・アルクお姉ちゃんにも一つあげる」
「えっ!?いいの!?」
「うんっ」
「志貴からのプレゼント・・・嬉しいなぁ」
「アルクお姉ちゃん」
「?」
「それチョコだからそんなにギュッてしたら溶けちゃうよ?」
「あ、そうだね・・・志貴からのプレゼント食べるの勿体ないけど・・・」
「食べないなら私が貰うけど?」
「ブルーに取られるくらいなら食べるに決まってるじゃない」
「先生も食べたい?」
「え?そうねぇ・・・」
「はい、どうぞ」
「・・・なんだかわたしの時と反応が違うような・・・・・・」

 

08年10月21日

「アレ?志貴どうかしたの?」
「ハロウィンってみんなお菓子もらえるんだよね?」
「そうなの?アレ?でもハロウィンって31日じゃあ・・・」
「うんっ。Trick or treatって言って近くの家を回ってお菓子貰うの」
「へぇ・・・」
「でも僕逆にいたずらされてお菓子貰っちゃうんだ」
「!?ちょ、志貴何されたのよ!」
「ほっぺにキスされて頭撫でられたあとにお菓子貰ったりするの」
「・・・・」
「アルクおねーちゃん、どうしたの?」
「それってわたしがいつもやっている事じゃない」
「アルクおねーちゃんはいつも「志貴が大好きだから」って言いながらしてくれるけど、知らない人がしたらいたずらだよね?」
「いたずら通り越して犯罪・・・・ああ、志貴にキスした人全員ぶっ飛ばしたくなってきた」
「わ、駄目だよアルクおねーちゃん!」

 

08年09月30日

「その吸血姫の味方というのなら・・・遠野くんも敵です!」
「?」
黒鍵を構えるシエルに志貴は首を傾げる。
志貴は状況をまったく理解していない。
「志貴。つまりね、シエルはもう志貴の事嫌いになっちゃうって」
「!?」
ビクリと肩を震わせ、そして眼には見る見る涙があふれた。
「ぅえ!?ちょ、遠野くん!?」
「シエル先輩・・・やっぱり僕の事嫌いだったんだ・・・」
「え!?待ってください遠野くん!今やっぱりって!?」
「そうよ。敵って事は嫌いだし志貴の事殺しちゃおうかなって考えていたりするんだよ」
ビクビクッと肩を震わせる志貴にシエルは慌てる。
「何を言ってやがりますか!貴方を殺しても遠野くんには傷一つ負わさずに大切に保護してわたしの大切な人にするんです!」
「無理無理。シエルは志貴の敵なんでしょ?」
「まだ敵ではありません!遠野くんが貴方の味方になると言っていませんから」
「どうしてみんな仲良くできないの?僕が嫌いだから?やっぱり僕いらない子?」
ボロボロ涙を零しなから言う志貴をアルクェイドは抱きしめる。
「シエルが志貴の事嫌いでもわたしがその何万倍も志貴の事好きでいるから・・・泣きやんで」
「遠野くんの事嫌いなわけないじゃないですか!遠野くんのためにこの吸血姫を片付けようと・・・」
「・・・・・喧嘩やだ。みんな仲良しじゃなきゃやだ!」
「「あ〜・・・・」」
アルクェイドもシエルも『殺しあいなんだけど・・・』とは言い切れず、また志貴の願いに息を吐いた。

 

08年09月06日

「志貴、可愛いぞ」
「月お姉ちゃんはいつも僕抱きしめるけど、ずっと抱きしめてて飽きないの?」
「志貴とあまり会えないからな・・・会えない間の志貴分を摂取している」
「それは前に聞いたけど・・・飽きないの?」
「抱きしめているだけでも50年は軽くしていられる自信がある」
「おしゃべりもなく?」
「・・・・・・志貴、なんだか今日はとげとげしくないか?」
「そのつもりはないけど・・・」
「誰かに苛められたのか?」
「違うよ。月お姉ちゃんは喋らなくなった僕でもいいのかなぁって」
「眠っている志貴を一晩中抱きしめたり、一晩中見つめるというのは夢の一つではあるが・・・」
「あ、そっか・・・ごめん」
「どうしても耐えられなくなったらアレと交換してでも夢を実行に移すつもりだがな」
「そんな事したら大変だって言ってたよ?」
「―――志貴が嫌がる事をするつもりはない」
「月お姉ちゃん」
「ん?」
「あのね、寂しい時に大切な人からキスされたら頑張れるものなんだって聞いたんだ」
「・・・・・・・・・・え?」
「だから―――」
「!?・・・・・・」
「月お姉ちゃん?」
「頬、唇、頬・・・・志貴の唇の感触が・・・」
「ご免なさい・・・迷惑、だった?」
「志貴・・・・・もう我慢せぬぞ!?」
「うにゅう?月お姉ちゃん?わっ?僕を抱きかかえてどこに行くの?」
「ふふふふふふふふふ・・・・・・・・・志貴が完全に眠るまでの間なら志貴の可愛い姿を思う存分愛でる。無論、眠る前も愛でる」
「よく分からないけど・・・月お姉ちゃんとならきっと楽しいよ」

 

08年08月30日

「いつ見ても志貴の寝顔は安らかね・・・本当に眠っているのか確認してしまうくらい」
「本当に・・・寝てるだけ、よね?」
「微かに呼吸してるし、いつもと同じよ」
「よかったぁ・・・でも、志貴のほっぺって柔らかそう・・・」
「お姫さん、試してみたら?」
「え?」
「志貴の頬を突いてみたら?」
「いいの!?」
「私はいつもしてるし」
「うわ〜・・・志貴のほっぺた柔らかい・・・」
「それは良かった。で、コレにだけ触らせて―――」
「黒いお姫さんも触ればいいじゃない。志貴の寝顔を一生懸命見つめていたから声掛けなかっただけだし」
「む、まぁ・・・あまりにも安らかな寝顔だったせいで少し見惚れていただけで」
「この柔らかさと手触りって癖になりそう・・・」
「っ!!」
「ありゃ、あっちのお姫さんはかなりのめり込んじゃっているわよ?」
「ええい!反対側は渡さぬ!」
「ま、今日は志貴の寝顔を撮れたから良いかな。残念だけどそろそろ起きそうだし。私は先に帰るけど・・・って聞いてないか」

 

08年08月07日

「志貴さんは本当においしそうにお食事をしますね」
「うんっ。だっておいしいもん」
「そう言っていただけると作り手として嬉しいです」
「志貴さま、失礼します」
「んにゅっ・・・?」
「ご飯粒が付いておりました」
「ありがとう翡翠ちゃん」
「あ〜・・・いいないいな翡翠ちゃん。志貴さんのほっぺに付いたご飯粒食べて」
「っっ!」
「???」
「兄さん?」
「秋葉はそれだけで足りるの?」
「えっ?・・・ええ」
「お腹、空かない?」
「いつもこうですので」
「朝ご飯は一番大事なんだよ?」
「ぁぅ・・・・可愛く忠告されてしまうとは」
「学校に遅れちゃうからなの?」
「いえ、まだ多少時間はあります」
「じゃあ少しだけでも食べないと」
「しかし・・・」
「はい。僕のご飯少しわけてあげる」
「えっ!?」
「・・・お行儀、悪いからだめ?」
「・・・・・・・・いただきます」

 

08年07月25日

「志貴は嫌いなものとかある?」
「?」
「これは嫌だな〜とか、そういったものはないの?」
「えっとね・・・喧嘩しているの見ると悲しくなるんだ。どうして仲良くできないのかなぁって・・・」
「う゛っ・・・」
「・・・・・・・」
「あの、志貴・・・・もしかしてわたしに言ってる?」
「アルクおねーちゃんはお仕事でしょ?」
「????」
「?」
「えっと・・志貴はわたしのお仕事はなんだと思っているの?」
「悪い人を倒しているんだよね?」
「・・・・・・・否定はしないけど、何かちょっと違う気がする」
「違うの?」
「うーん・・・間違ってはいないけど・・・・」
「アルクおねーちゃんは実は悪い人?」
「違うわよ」
「???」
「わたしは違うけど・・・・あれは・・・朱い月の方は・・・・・・・」
「月おねーちゃんも優しいよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・志貴限定だと思うんだけど・・・」
「うーん・・・あとで月おねーちゃんに聞いてみる」
「どう答えるのか聞いてみたい気が・・・・」
「月おねーちゃん『興味ない』って言いそうだけど」
「あー・・・アレは志貴以外に執着していないし」
「うにゅ・・・」
「え?まさか眠いの?」
「・・・うん・・・」

 

08年07月17日

「シオンちゃん」
「どうかしましたか?」
「僕って変なの?」
「は?」
「坂の途中のおうちのおばちゃん達がそんな事言ってたんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その人物を粛正してきます。特徴を!」
「あのね、高校生の僕がこんな姿なのもおかしいし、精神的にもちょっと変なんだって」
「「ただ粛正するだけでは済まないレベルの暴言ですね」
「僕も他の人とちょっと違うのは分かるけど・・・精神的に変?」
「全然!志貴は知能も高く、常に学年トップなのですよ?」
「心と学力って違うと思うんだけど」
「それに・・・この姿の志貴なら私も遠慮無く抱きつけます」
「うにゅッ・・・・シオンちゃん・・・・」
「志貴は私の恩人です。大切な人が馬鹿にされて怒らない人がいますか?」
「・・・僕は大丈夫だよ。ただ、シオンちゃんの意見を聞きたかっただけ」
「志貴は変ではありません。むしろ望ましい」
「よく分からないけど、シオンちゃんが良いって言うなら・・・」
「―――あの道沿いの奥様方ですか・・・志貴を侮辱した罪、償ってもらいましょう」
「シオンちゃん?」
「志貴。もう少しだけこうさせてください」
「うん・・・・」

 

08年07月06日

「ねえ先生・・・」
「ん?なに?」
「どうして僕に抱きついているの?」
「ん〜・・・・志貴が好きだから」
「僕も先生好きだけど、暑いよ?」
「だ〜いじょ〜うぶ・・・私の志貴に対する想いの方が熱いから」
「うにゅ・・・ぽかぽかは好きだけど暑すぎるのは苦手だよぉ・・・」
「志貴が私に構ってくれないんだもん」
「先生もアルクお姉ちゃんと同じ事言ってる・・・僕お勉強中だよ?」
「さっきから志貴のベッドでもだえているお姫さんは気になるけど、何かあったの?」
「よく分からないけど、テレビでしてた事したらああなっちゃった」
「かなり気になるわね・・・ってそれは良いとして、志貴は成績優秀じゃない。少しくらい構ってくれたって良いじゃないの」
「これ宿題だよ・・・じゃあ先生にも一回だけだよ?」
「へ?志貴こっちむいっん・・・・・・・・・・・・・・」
「んんっ・・・・ぷぁ〜」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「先生も静かになっちゃった。静かにさせるにはキスが一番って言ってたけど、本当なんだ」
「ふうっ・・・・」
「翡翠ちゃん」
「この方もベッドに寝かせておきます」
「うんっ。僕もうちょっとで宿題終わるからお願いね」
「畏まりました。ところで志貴さま」
「?」
「あの、ああいった事はあまり妄りにしてはいけないので・・・・」
「?そうなの?キスってスキンシップだって言われたけど・・・」
「キスにも種類があるそうです。その辺りは姉さんが知っていますので興味がおありでしたら後日姉さんに聞かれては」
「うん。ありがとう翡翠ちゃん」
「いえ・・・・では失礼します」

 

08年06月25日

「てるてる坊主って凄く可愛そうだよね」
「てるてる坊主?・・・・晴れなかったら首切っちゃうんだったかな・・・」
「うん・・・酷いよね」
「でも晴れたら金か銀の・・・鈴をあげるんだよ?」
「僕鈴持ってない・・・」
「遠野くん、そんなに落ち込まなくても・・・」
「でもてるてる坊主くん頑張ったのにご褒美無いのは可愛そうだよ」
「きっとてるてる坊主は遠野くんが外で遊んで欲しいから頑張ったんだよ」
「弓塚〜、それは遠野中心主義の奴の・・・」
「乾くんもそう思うよね?」
「うぉ・・・目が笑ってねぇ・・・」
「あ、そういえば次体育」
「「えっ!?」」
「トラック20週したらお終いの授業だよね」
「地獄のマラソンか・・・」
「ま、まあ遠野くんは結構平気だから・・・頑張れ男子!」
「女子は体育館だからな・・・雨よ降れ!」
「雨雲はてるてる坊主くんが払っちゃったよ」
「・・・・遠野の作るてるてる坊主は御利益ありすぎだ・・・・・」

 

08年06月18日

「遠野くん、何食べてるの?」
「葛餅だよ。たべる?」
「えっ?いいの?」
「うんっ。はいどうぞ」
「えっと・・・ありがとう」
「・・・もしかして、葛餅嫌い?」
(ああっ!シュンってしてる!)
「違うの!葛餅は好きだけど、遠野くんが困らないかなって・・・その」
「僕ね、もう一つあるから大丈夫だよ」
「もう一つ?」
「ほら!売店のおばちゃんがくれたんだよ」
「と〜お〜の〜・・・・何か食わせてくれ」
「はい。葛餅」
「うおっ!?やっべうまそ〜」
「乾くんまさか全部食べる気じゃあ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全部食べられちゃった・・・・」
「なかなか旨かったぞ。ん?どうした?」
「目標、乾くん」
「弓塚?・・・・なんだよ・・・・何みんな殺気だって・・・」
「全軍突撃!」
「のわぁぁっ!?」

 

08年06月12日

「志貴くんは和食が大好きなんですよね」
「うん。でも僕パスタも好きだよ」
「で、ではカレーは・・・・」
「辛いから苦手」
「うぅっ・・・甘口を」
「甘口でも辛いもん」
「・・・・・・・・志貴〜パスタのおいしいお店があるんだけど、どう?」
「わたしがいま誘っているんです!」
「でもシエルカレーばっかりでしょ?」
「う゛うっ・・・」
「さ、志貴行こう」
「〜〜〜〜!!!」
「一緒に行く?」
「へ?」
「志貴。シエルに優しくしてもいい事無いわよ」
「でも・・・」
「ッ・・・行きます!」
「じゃあ四人でいこっ」
「「四人?」」
「ナイス志貴!」
「「ブルー!?」」
「?さっきからいたよ?」
「「マジですか・・・・」」
「さて、お姫さんのおごりで行くわよ〜」
「はぁ・・・・」

 

08年06月04日

「僕、志貴」
「・・・貴方はサーヴァントなのですか?」
「サーヴァント?うん。そうみたい」
「・・・・この戦争、勝てませんね・・・貴方のクラスはなんですか?」
「クラス?――――?未確定?・・・・まだ決まっていないって言われました」
「貴方は誰と話をしているのですか?」
「よく分からないけど、声の人がそう言ってるの」
「そうですか・・・」
「おねーちゃんの名前は何?」
「私の名はバゼットと言います」
「バゼットおねーちゃん?」
「おっ、おねーちゃんは・・・・その、恥ずかしいんですけど・・・」
「駄目?おねーちゃん、駄目?」
「う゛ぅっ・・・そっ、それよりも貴方の能力は何なのですか!?」
「えっとね、宝具は二つで、この眼と、あとは秘密」
「マスターに宝具を教えないと?」
「秘匿系のものだから教えちゃ駄目って」
「そう、ですか・・・では何か特技は」
「すべてのサーヴァントの人の位置と名前が分かるよ」
「は!?」
「えっとね、今呼び出されているのはね、僕入れて3人なんだ」
「そ、そうですか・・・」

 

08年05月27日

「シオンちゃん好き〜」
「私も志貴の事が好きですよ」
「シオンちゃん」
「何ですか?」
「シオンちゃんって研究終わったら帰っちゃうの?」
「ええ。そうなります・・・・が、すぐには終わりませんし、この研究が終了する事はおそらくありません」
「?」
「そしてこの研究には真祖と貴方の協力が必要なのです」
「アルクおねーちゃんの協力が必要なのは分かるけど、どうして僕なの?」
「貴方といれば真祖も私も吸血衝動が起きない。これは恐ろしいほどの新発見ですよ」
「そうなの?」
「ええ!吸血衝動すら凌駕する志貴への愛は永遠の研究テーマです!」
「あ、そう言えばアルクおねーちゃんがね、シオンちゃんにも見せてあげなさいって」
「何をですか?」
「これ」
「これ?・・・・・・・・・・・・・これ、ですか?・・・・・・まさか!」
「これをね、頭に着けると「ストップ!志貴!」・・・?」
「それは、私には刺激が強すぎて・・・・」
「???」
「う、あ・・・・・・・・・・・・・」
「シオンちゃん?」
「い、ぬ・・・・みみ・・・志貴・・・・・・・・グッジョブ」
「シオンちゃん?シオンちゃん!?」
「アレ?志貴。シオンに見せてあげたの?」
「アルクおねーちゃん!シオンちゃんが!」
「あー・・・シオンにはちょっと刺激が強すぎたようね。ま、わたしもあれ見ちゃったら色々耐えられなくなるけど」
「アルクおねーちゃん、どうしよう・・・」
「志貴。シオンに抱きついてあげなさい」
「え?」
「そうしたら一撃よ」
「?・・・うん・・・えいっ」
「捕まえたっ!」
「シオンちゃん!?」

 

08年05月17日

「あれ?」
「どうかしたの?」
「うん。今、向こうに・・・・」
「志貴!遊びに来たぞ!」
「志貴くん!今日こそ色好い返事を!」
「戯けが!そのようなアプローチでは又嫌われるぞ!」
「うわー・・・相手したくないトリオが来たわね・・・・」
「志貴!ゲーム機を買ってきたぞ!これで共に遊ぼうではないか!」
「ああッ姫狡い!志貴くん。このゲームを一緒にしようじゃないか!」
「・・・姫はともかく、そこの馬鹿は始末してくれ」
「ん、オッケー」
「ちょ!そこ何結託して・・・・頭頭頭頭!!!!」
「逝っちゃえ」
「そう言いながら落とすなぁぁぁぁぁっ!!」
「さて、小うるさいのが消えた事だ。四人対戦もできるものを持ってきたのだ。アルクェイド。貴様も混ざるだろう?」
「勿論」
「???」
「志貴。どうした?きょとんとして」
「えっと、アルクおねーちゃん達、仲良くなったなあって。それと今、下の方でシエルおねーちゃんの声が」
「あー・・・・まあ良いんじゃないか?それよりも早く始めるぞ」
「あ、うんっ」

 

08年05月12日

「わっ、わわわ・・・」
「地震?揺れはたいしたこと無いわね」
「びっくりした・・・」
「志貴。怪我はない?転ばなかった?」
「大丈夫だよ。アルクおねーちゃん」
「ん?何?」
「今の地震って横にグラグラってしただけだよね?」
「ちょっとだけ縦もあったわよ?」
「あう・・・横だけと思ってた・・・」
「志貴は楽しそうね」
「おっきな地震は怖いけど、今みたいのは楽しいよ?」
「そう?よぉし・・・・」
「アルクおねーちゃん」
「ん?今地面を揺らしてあげるからちょっと待っててね」
「そんな事したら駄目だよ」
「え?」
「他の人たちは困っちゃうもん。他の人たちが困っちゃったら駄目でしょ?」
「わたしは志貴が楽しければいいと思うけどなぁ・・・志貴が駄目って言うなら仕方ないかな」
「テレビつけていい?」
「うん」
「・・・・・・地震のニュースしてないかなぁ」
「っとぉ、ただいまー」
「ブルー」
「おかえりなさい」
「志貴。何かあるの?」
「地震のニュースやってないかなぁってみてるの」
「志貴は偉い子ね」
「えへへ・・・」
「でも残念だけど、それはやっていないわ」
「え?なんで?」
「下でシエルと私が軽く運動してたせいだと思うからよ」
「でもそれって、この建物が危ないんじゃあ・・・・」

 

08年05月07日

「志貴くんは本当に可愛いねぇ・・・」
「もぉ〜メレムくんっていつもそう言ってからかう」
「からかっているつもりはないんだけどなぁ。えいっ」
「んにゅ!?」
「メレムおにーさんでしょ?」
「にゅっ!?ごめんなさい・・・っ!?っ!?」
「志貴くんの反応が可愛いなぁ・・・脇腹突いただけでこんな反応してくれるなんて」
「う〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
「はははは、ごめん志貴くん」
「酷いよぉ・・・」
「お持ち帰りしたいけど・・・・うーんやっぱりそれは駄目だろうし・・・」
「あれ?」
「ん?どうしたの?」
「今、月おねーちゃんといる時みたいな・・・・」
「その通りだ。よく分かったな。志貴」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「月おねーちゃん」
「アルクェイドの奴の許可を得てな。今宵志貴と『お泊まり会』とやらをしてみようと思ってな」
「うんっ!月おねーちゃんとお泊まり会〜」
(ダラダラダラダラ)
「では志貴。外を案内してはくれぬか?そなたの夕餉も買わねばならぬ」
「月おねーちゃんとお買い物〜・・・メレムおにーちゃんも行こ?」
「こっ、ここで振るの?」
「ん?ああ、いたのか」
「はっ、はい・・・・・・いました・・・・・」
「まあ良い。志貴が共に行きたいというのだ。付いてくるがいい」
「っ!はい!」

 

08年05月03日

「志貴さん、今日から連休ですよ!」
「うんっ」
「志貴さんはこの連休何かご予定でも?」
「えっとね。今日はお庭で日向ぼっこして、アルクお姉ちゃんとお散歩して、アルトお姉ちゃんとメレムくんと遊ぶの」
「が、外人さんのお名前がたくさんでてきましたけど・・・お知り合いですか?」
「うんっ。お姫様と司教さんなんだって」
「へ?」
「アルクお姉ちゃんとアルトお姉ちゃんはお姫様でメレムくんは司教さんなんだって」
「へ、へぇ〜・・・」
「あと、月お姉ちゃんとも遊ぶ約束しているんだ」
「月、お姉ちゃん?」
「うん。みんなとても優しいんだよ〜」
「じゃあ・・・明日のご予定は?」
「シオンちゃんとシエルお姉ちゃんと朱鷺恵お姉ちゃんの三人と遊園地に行くの」
「えっ?シオンさんもですか?」
「うんっ。もしかしたらもうちょっと増えるかも知れないって言ってた」
「・・・・・・・・で、では5日は」
「わかんない。みんなとどこか行きたいなぁって思ってるけど・・・秋葉は忙しそうだし」
「大丈夫ですっ!わたしが保証しちゃいます!」
「じゃあみんなでピクニック!」
「あは〜良いですね〜わたし頑張っちゃいますよ〜」

 

08年04月23日

「・・・・」
「おねーちゃん。ここ、どこ?」
「・・・えっと、迷子、ですか?」
「そうなのかな・・・魔法使いのおじーちゃんとお散歩してて、ここで暫く辻占をしていなさいって言われたの」
「・・・はあ・・・」
「あれ?」
「えっ?」
「おねーちゃん、魔術師の人?」
「!?」
「ごめんなさい」
「え?あ、いえ・・・」
「う〜・・・?」
「ど、どうかしましたか?」
「おねーちゃん、誰かくるよ」
「っ!?」
「む?・・・君は・・・っ!」
「アーチャー!」
「おにーさんこんばんは」
「っ・・・そうか・・・知るはずも、無いか・・・・」
「何が、ですか?」
「む?バゼット。いたのか」
「失礼な・・・それよりも、この子の事を知っているようでしたが?」
「――――いや、おそらく人違いだろう」
「あ、おじーちゃんがきた」
「え?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」
「おお。志貴。辻占をしていたはずだが、面白い者を引き寄せたようじゃな」
「魔道元帥・・・」
「ならばやはり君は・・・・」
「?」
「君はアルティメット、ゼロか!」
「僕は志貴って名前だよ?」
「ああ、君らの物語を攪乱させるつもりはなかったんじゃが・・・まあよい。邪魔をしたな」
「元帥!物語とは・・・」
「答えは自分で見つけるものではないのか?」
「!!」
「志貴。アルクェイドと司教が必死にお主を捜しているようじゃ。早く帰ってやらぬと騒がしくていかん」
「うん。僕もお腹空いた」
「そうか。ならば帰るぞ」
「おねーちゃん、おにーちゃん。じゃあね」
「あ、ああ・・・」
「ええ・・・では・・・」

 

08年04月10日

「駄目だよメレムくん」
「えー?だって志貴可愛いから」
「メレムくんの方が可愛いよぉ」
「そ・ん・な・こ・と・を言う子はこうだ」
「あははははははははははははっ!!」
「・・・・・・・・何やっているのよ」
「あ、お帰りなさい」
「っ!おじゃましてます!」
「メレムが日本に来ている事も驚きだけど・・・志貴とじゃれているのも驚きよ」
「メレムくんはアルクおねーちゃんとお友達なんだよね?」
「えっと、お友達というか・・・・うーん・・・」
「志貴。メレムはこう見えても志貴よりすごく年上よ?」
「?じゃあメレムおにーちゃん?」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「あ」
「し、志貴・・・もう一回・・・」
「メレムおにーちゃん」
「・・・・・・・なんか・・・こう、ゾクゾクってくるものが・・・・」
「わかる?」
「癖になりそう・・・」
「慣れると中毒よ」
「アルクおねーちゃんもメレムおにーちゃんもどうしたの?」
「でも、メレムくんも捨てがたいっ・・・」
「―――ところで、メレムが日本に来た当初の予定って何だったの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ」

 

08年03月26日

「♪〜」
「月おねーちゃん?」
「ん?」
「ずっとギュッてしてくれるのは嬉しいけど・・・僕動けないよ」
「一秒でも長く志貴分を補給していたいのだ」
「志貴分?」
「ああ。志貴分を補給すればどんなものも怖くはない。孤独ではないからな」
「月おねーちゃんが喜ぶなら僕もギュッてしたい」
「・・・・・・・・・・・・」
「月おねーちゃん?」
「かぁいいよ、志貴がかぁいすぎる・・・・」
「?」
ギュッ
「月おねーちゃんいいにおい」
プチン
「かぁいい志貴をお持ち帰り〜〜〜〜〜〜!」
「うにゅっ!?」
「志貴をギュッてしたまま眠ったり、志貴と一緒に月光浴したり・・・」
「うん。月おねーちゃんと一緒におしゃべりしたり、眠ったり、遊ぶの好きだよ」
「志貴」
「?」
チュッ
「志貴の頬、柔らかい・・・」
「ふにゅっ・・・・!?月おねーちゃん!?」
「志貴の太股もスベスベだ」
「くすぐったいよぉ・・・」
「ふ、ふふふふ・・・・・志貴がかぁいいからいけないんだぞ?」
「?ごめんなさい」
「謝る必要はない。だからもう少し志貴分を補給させてくれ」

 

08年03月24日

「し〜き〜」
「?」
ギュッ
「アルクおねーちゃん?」
「志貴分補給〜」
「くすぐったいよぉ」
「ほっぺも囓りたいくらい柔らかい」
「食べちゃ駄目だよ!?」
「食べないわよ。でもキスはする」
「ふにゅっ!?」
「志貴分さえ有れば吸血衝動も何も通用しないわ!」
「いつもアルクおねーちゃんそう言ってるね」
「だって本当だもん」
「月おねーちゃんもそう言ってたよ」
「・・・・・・・・・・・・・え?」
「僕をお持ち帰り〜って」
「・・・・・・・・・・・・えっと」
「月おねーちゃんもアルクおねーちゃんみたいにずっと僕をギュッて」
「・・・・キャラじゃないキャラじゃないキャラじゃない」
「アルクおねーちゃん?」
「さ、さ〜今日も元気に死徒狩りに行くわよ〜」

 

08年03月07日

「アルクお姉ちゃん!大丈夫!?ねぇ!アルクお姉ちゃん!」
「ぅ・・・し・・・き・・・今、わたしの目は・・・」
「!?」
「しまった・・・志貴に魔眼が・・・・」
(フラフラ・・・・)
「志貴・・・?」
「アルクおねーちゃん・・・」
「志貴?」
ギュッ
「おねーちゃんだいすき」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!」
ドクンッ
(こんな時に吸血衝動!?)
「志貴・・・逃げて・・・・」
チュッ
(あ゛〜〜〜〜〜っ!!!!)
志貴への萌え+某姫君の助力>>>>|越えられない壁|>吸血衝動
「志貴〜〜〜〜可愛すぎるよ〜〜〜〜」
ギュムッ
「ふにゅ!?あ、あれ?僕・・・・あれ?」
「ふふふふ・・・わたしは志貴が求めるなら全てを与えてあげる。吸血衝動も志貴の可愛さの前では無力だと分かった以上、敵はないわ!」
「?よく分からないけど、僕お腹空いたの」
「じゃあマンションに戻りましょう。家には後でちゃんと送ってあげるから」
「うんっ」
「志貴、不死に興味ない?」
「僕、ロアさんやネロさんみたいになっちゃうって事?」
「それは嫌。じゃ、不老不死にけって〜い」
「え?え??」

 

08年02月22日〜23日

「どうした。もう終わりか?」
「っ・・・・」
男の周囲には無数の獣達。
混沌の異名を持つ死祖の一人を相手にするのは流石に無理があった。
「確かに・・・今の装備では倒せませんね」
「次があるとでも思うか?」
逃げられる状態ではない。
しかし、ここで負けるわけにはいかない。
と、
「わ、動物が沢山」
「志貴は動物が好き?」
「うん!」
──────────────緊張の糸がブツリと切れた気がした。
「これはこれは真祖の姫君・・・・・・」
「ああ、わたしの事は気にしないでシエルと戦ってて」
うわ、死祖が目の前にいるのにガチ無視ですかこのアーパー吸血姫は。
「あ、狼だ────うん。良い子良い子」
「遠野くん!危険ですから!」
「うわ、大きな鹿さん」
「む!?人間に懐いているだと!?」
「狼さんも鹿さんもくすぐったいよぉ」
混沌の獣達がわたしの包囲を解いて遠野くんの元へと集う。
「戻れ!───どうした!」
動物達は宿主の命令を無視してませんか?
「動物と戯れる志貴も可愛い」
アーパー吸血姫は戦う気ゼロで遠野くんの姿を見てデレデレしてますし・・・
「貴様!どのような魔術を使った!」
ああ、もう収集付かない展開に・・・・・
カチャン
「「あ」」
鹿の角が遠野くんのメガネの縁に当たり、メガネが落ち────────

そこには遠野くん以外なにもなかった。
あれだけいた混沌の獣達は全て霧散していた。
そして真祖・・・アルクェイドも遠野くんから離れていた。
わたしが分かるのはそれだけ。
ただ、一瞬。
ほんの一瞬だけ風が吹いた。
「志貴〜メガネメガネ」
ボーっと立っている遠野くんに離れたところからアルクェイドが声を掛ける。
「・・・・え?・・・・ぁ」
遠野くんは慌てて落ちていたメガネを拾ってかけ直す。
「小僧、何を・・・今何をした!」
混沌の死徒、ネロカオスが叫ぶ。
「????」
相変わらず可愛い首の傾げ方・・・・じゃなくて、遠野くんはよく理解していない様子。
と、
「志貴と戦うならブルーと戦う覚悟が必要よ」
アルクェイドが志貴の横に立ち、フッと笑った。
「ブルーだと?・・・・・まさかマジックガンナーの事か!」
え?
「????」
会話の内容が分からないのか遠野くんは首を傾げている。
「月おねーちゃんも言ってたけど、ブルーって先生の事?」
「そうよ。あれ?知らなかったの?」
「うん。僕ずっと先生って呼んでいたから」
「小僧・・・貴様が切り札か!」
「?」
ネロ・・・・遠野くんは全く理解できていませんよ。
わたしも理解できていませんし、遠野くんが何をしたのかは分かりませんが・・・・・

 

08年02月19日

──────────↓以下、本日の短編(ちょっと違うお子様志貴)↓──────────

「えっと、先生。これをくれるの?」
「そうよ。このメガネを掛けている間は線は見えないわ。でも、眼鏡を外すと見えてしまう・・・だ・か・らこれよ!」
そう言って先生はメガネの次にヘアバンド?を僕にくれた。
犬耳のついたヘアバンドを。
「志貴。メガネよりむしろそれが良いわ!」
「???」
「その犬耳は魔眼回路の遮断だけじゃなくて五感や身体機能を強化をしてくれるの」
「凄い・・・けど」
「ねえ、ねえ志貴。それを頭に着けて「ワンワン」って可愛く言ってみてくれないかしら」
「え?」
「ほら、志貴」
先生が凄く興奮してる。
「えっと・・・・・・・」
僕は覚悟して犬耳を頭に着けて、
「わんわん。わんわん」
とりあえずお座りのポーズで先生を見ながらちょっと吠えてみた。
「や〜ら〜れ〜た〜〜〜〜」
うわ、先生・・・・凄く眼をキラキラさせてるよ?
「し、志貴凄すぎ・・・・・」
そんなに大はしゃぎされると何だか恥ずかしいけど、ちょっと嬉しいかな・・・
「ワンワン。先生わんわん」
「くっはぁ・・・・・・・志貴。眼鏡なんて掛けないでこれずっ・・・・・・待てよ。志貴、メガネも掛けてみない?」
言われて気付いたけど、線が見えない。
「これでも線見えないよ?」
「良いから良いから」
掛けなかったら無理矢理掛けさせられそうだったので掛けてみた。ら・・・・
「先生!?どうしたの!?」
「ごべっ、じぎ・・・・ぞでばがいでょくあでぃずぎ・・・・・」
いきなり鼻血出して踞ってしまった。
よく分からないけど、先生喜んでいるみたいだから・・・・
「先生、わんわん」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

青子は 覚醒した。

 

08年02月17日

「あ、月お姉ちゃん」
「久しいな、志貴。相変わらずか?」
「うんっ。元気だよ」
「そうか」
「月お姉ちゃんは元気?」
「この身は不調にはならぬ」
「そっかぁ。じゃあ月お姉ちゃんはいつも元気だね」
「志貴。そなたのこの一週間の出来事を聞かせて欲しい」
「うん。えっとね、月曜日はね・・・・・・」

「ふむ。では2月14日は好意を寄せている者に菓子を渡す日だと」
「だから僕もみんなにお菓子あげようとしたんだけど、渡す前にみんなが僕にお菓子くれるんだ」
「ほう、さぞ愉快な光景だろうな」
「僕が渡そうとするとね「それは志貴が食べなさい。それにほら。コレもあげる」ってみんなお菓子くれるの。僕一個も渡せなかったの」
「そなたは常に先を越されてばかりだな」
「うん。だからね」
「ん?」
「はい。月お姉ちゃん」
「なに?」
「僕の大好きなチョコなんだ」
「・・・・いいのか?」
「うんっ!月お姉ちゃん大好きだもん」
「っ!・・・・・・もう一度、言ってくれないか」
「?月お姉ちゃん大好き」
「!!!!─────ああもう!そなたは何故こんなにも愛らしいのだ!!」

 

08年02月14日

「え?僕に?ありがと〜」
志貴の机の上にはお菓子やチョコが沢山積まれていた。
「おまっ、それ食えるのか?」
「うんっ!おいし〜よ」
幸せそうに食べている志貴を見て有彦は僅かに顔を顰める。
「いつもの何倍だ?」
「4倍かな・・・でもみんな何でこんなに一杯お菓子持ってるんだろ・・・」
チョコバーを片手に不思議そうな顔をした志貴。
「今日が何月何日か分かっているか?」
「2月14日だよ」
「そう!セントバレンタインデーだ!それが何を意味しているか分かっているな!?」
「えっと、えと・・・・・・みんな好きな人のためとかに沢山買って、僕にもお裾分け?」
「─────────────何故自分を照準から外す?」
と言いながらも、有彦はこの菓子の山を全員による餌付けだろうと考えていた。
「おお、尻尾が・・・尻尾が見える」
「?馬鹿?」
「ぐあ!お前、時折キツイよな・・・・」
「あの、遠野くん」
「さつきちゃんだ〜」
「弓塚の事を何時から!?」
「先週からだよ?」
「遠野くん。はい、これ」
「ありがと〜あ、さつきちゃんにも・・・・と、はい」
「え!?」
「いつももらっているからおかえし。あ、これ僕がちゃんと買ったものだよ?」
「・・・いいの?」
「うんっ。いつももらっているから、お礼の気持ちだよ」
フニャッと笑う志貴に弓塚は顔を真っ赤にしながら志貴の差し出した可愛いラッピングの施された板チョコを受け取った。
「で、お前・・・これどうやって持って帰るんだ?」
「さっきアルクおねーちゃんにお荷物沢山って言ったら来てくれるっ「遠野くん!あんなアーパーに言わなくてもわたしが!」」
バンッと勢い良く一人の女生徒が教室に入ってきた。

 

08年01月18日

「遠野、飯食いに行くぞ」
「え?でも、もう遅いし・・・」
「安心しろ。秋葉ちゃんからは俺が許可を取った」
「ぇう・・・・」
「何だ。嫌なのか?」
「僕お金持ってない・・・・」
「ンだよ。俺が奢ってやるって。昨日臨時収入があってな」
「いいの?」
「ああ!」

「ここ、久しぶりだよ」
「お前は門限通りに帰るヤツだからな」
「破ったら秋葉に怒られるから」
「秋葉ちゃんでも怒るのか?」
「僕が悪いんだけど・・・僕、そんなに門限守れないから」
「お前が守ってない!?真っ直ぐ帰っているんじゃないのか?」
「途中でお友達の所に行ったり捕まっちゃったり・・・」
「お前はお前で苦労しているんだな・・・・・・ってそうだな。前に誘拐未遂もあったな」
「お待ち」
「あ、ありがとうございます」
「卵はサービスだ」
「あ!ずりぃ!」
「半分こする?」
「・・・・いや、お前ここの卵好きだろ。お前が食え。ただ〜し」
「じゃあメンマあげる」
「うむ。分かってるな」
「付き合い長いもん」
「そうだな・・・しかし、お前成長しないなぁ」
「う・・・・・」
「心身共にストップか。まぁそっちの方がお前は良いけどな」
「えぅ・・・成長したいもん・・・・」
「頭はいいなんて犯罪だぞ?ご近所のアイドルッ子め」
「アイドルじゃないモン」
「HAHAHAHA!知らぬは犯人ばかりなりってな!」
「それ、知らぬは本人ばかりなり・・・」
「最近でた類義語だ」
「え?そうなの?」
「おう!サスペンスドラマとかでよく出始めてるぞ!」
「・・・・嘘なんだ」
「────ほんっと、お前は頭の回転が速いのか遅いのか・・・」

 

2007 12月24日

「志貴、美味しい?」
「うんっ!」
志貴は口の周りに生クリームを付けたままアルクェイドの問いに満面の笑みで頷く。
「アルクおねーちゃん、おねーちゃんもはい」
そう言って志貴は食べていたケーキをフォークで切り分けてアルクェイドに差し出す。
「しき〜わたしのために・・・ありがとう」
アルクェイドは嬉しそうに志貴のケーキを食べる。
「あ、それ僕が食べたところがあるんだよ?」
「ここが良いの。志貴と一緒にケーキを食べてるって感じがするから。ほら、志貴」
志貴の口の周りについている生クリームをアルクェイドが綺麗にふき取る。
アルクェイドは幸せだった。
今日一日志貴と過ごせる。
おはようからおやすみまで志貴と共にいられる一日。
それが秋葉達からのプレゼントだった。
「アルクおねーちゃんもお口のはじっこについてるよ・・・あ、ティッシュ無い」
志貴は辺りを見回して拭く物がないと気付くと躊躇い無くその生クリームを舐め取った。
「・・・・・・・・・」
アルクェイドには刺激が強すぎた。
頭の中が真っ白になり、何が起きたのか理解できなかったようだ。
「おねーちゃん?」
固まっているアルクェイドを不思議そうな顔で首を傾げる志貴。
「はうっ・・・」
アルクェイドは顔を真っ赤にしてその場にへたり込んだ。

 

2007 12月15日

「アルクェイド。その子供が、直死の保有者か?」
知らないお爺ちゃんがアルクおねーちゃんの部屋に来た。
凄く厳しそうなお爺ちゃんで、僕はちょっぴり怖かったけどアルクおねーちゃんが僕をギュッて抱きしめたままお爺ちゃんを見る。
「そうよ。可愛いでしょ」
「城には戻らぬのか」
「志貴と居る方が良いの。やるべき事は勿論やるわよ?ただこれからの拠点がここになるだけ」
「────本当に変わったのぉ」
お爺ちゃんは嬉しそうにそう呟いた。
ぁ、そうだ。僕挨拶もしてない・・・
僕はアルクおねーちゃんから離れてお爺ちゃんの側に行く。
「ん?どうした?」
「ぁ、えと・・・初めまして。僕、志貴っていいます」
「ワシはゼルレッチ。アルクェイドの爺や・・・みたいなものじゃ」
「アルクおねーちゃんのお爺ちゃん?・・・・お目付役さん?」
「お目付役の方じゃ。まあ、問題があれば来て注意するだけの存在じゃがな・・・これからも偶に顔を見せる事になるじゃろう」
お爺ちゃんはそう言って僕の頭を撫でてくれた。
何だか、僕の主治医の宗じーちゃんみたいな人だ。
「あの、お爺ちゃんって、呼んだら駄目ですか?」
「別に構わぬよ」
「爺やがもの凄く別人に見えるんだけど・・・」
「志貴。甘いモノは好きかな?」
「うんっ!」
「志貴は洋菓子も好きだけど、それ以上に和菓子が好きなのよ」
アルクおねーちゃん、ちょっぴり機嫌の悪い声。
「和菓子か・・・専門外じゃな」
「わたしも和菓子ってよく分からなかったけど、志貴と食べているうちに結構通になったのよ」
「楽しんでおるようじゃな」
「ええ!志貴がいれば幸せよ!」
「お爺ちゃんも和菓子食べる?朝、アルクおねーちゃんが買ってきてくれたから出来たてだよ」
「ほぉ・・・頂いても良いのかな?」
「うん!僕お爺ちゃんに食べてもらいたいもん」
「・・・・・・・・」
あれ?お爺ちゃん、凄く驚いた顔してる。
「お爺ちゃん?」
「ガンナーが言っていたのはこれか・・・」
「?」
よく分からないけど、ガンナーって確か先生の呼び名の一つだったと思う。
じゃあきっと先生ともお友達なんだ。
僕は嬉しい気持ちでお茶とお菓子の準備をしにキッチンへ向かった。

 

2007 12月13日

志貴くんはとても奥手な子。
わたしがガンガン攻めても志貴くんは顔を真っ赤にしてあうあう言っている。
とても可愛いから他の人達も志貴くんにちょっかい出すし、志貴くんは無警戒だからすぐに騒ぎに巻き込まれる。
目を離せないとても可愛い子。
最近志貴くんは何か妙な事件に巻き込まれている。
妙な金髪の女が志貴くんにまとわりついている。
排除しようかと思ったけど、志貴くんが常に側にいるせいでなかなか排除できない。
この前、ペットを体に巻き付けた黒い露出狂が志貴くんの家の周囲を徘徊していたから軽くシメたけど・・・アレの仲間かしら?
古くさい事を言いながら蛇とか犬とか出してきたけど、お父さん直伝の針と志貴くんへの愛の拳は変質者には負けない。
露出狂は「新たな代行者か」とかいって逃げていったけど・・・やっぱりあれって志貴くん狙いなのかな?
秋葉ちゃん狙いならそのまま放置して置いても───ああ、でも志貴くん見た途端にそっち方面に走って志貴くんに襲い掛かったらいやだし。
わたしの苦労は尽きない。

「また貴様か!」
「志貴くんを襲う気ね?」
「真祖の姫の側にいる少年の事か?」
「ええ。志貴くんを襲う気ならわたしも容赦しないわよ?」
「ふん。あの少年を喰らっても腹の足しにもならぬ。それに貴様のような人間ごと・・・き」
「黙れ露出狂・・・・良いわ。わたしが徹底して人間の恐ろしさを教えてあげる・・・志貴くんを襲う事が出来ないようにね」
「な、なんだこの気迫・・・獣達が怯えているだと!?」
「ふふふふ・・・ペットたちには分かったようね・・・調教の恐ろしさが」
「に、ニンゲンごときがぁぁぁぁッ!!」

「ときえおねーちゃんだ」
「志貴、アレ・・・知り合いなの?」
「うん。ときえおねーちゃんだよ」
「代行者でもないし・・・組織の人間かしら?」
「ときえおねーちゃんは僕がお世話になっているお医者さんの子なんだ。とても優しいけど、偶に怖いんだ」
「あのネロを個人の武力で圧倒している自体人間じゃないわよ・・・」
「だってときえおねーちゃんだもん。僕が危ない時はいつも護ってくれるもん。とても強いんだよ」
「アレ?もう一人増えた」
「あれ?さつきちゃんだ。うわぁ・・・わつきちゃんも凄い」
「・・・・・この町って人外よりもタチの悪いモノがうようよしてるわね」

 

2007 12月08日

「白ネコさん、白ネコさん」
「何よ。鬱陶しいわね・・・」
「ご免なさい・・・」
「ああもう!泣きそうな顔して!何?何か用?」
「うん・・・さっきアルクおねーちゃんがケーキ買ってきてくれたから一緒に食べよ?」
「え?でもアレって貴方の大好きな・・・」
「美味しいものを独り占めにしちゃいけないの。一人で食べると美味しくても何だか詰まらないんだよ?」
「・・・・・」
「それに、アルクおねーちゃんは黒ネコさんの分も白ネコさんの分もちゃんと買ってきてくれたんだもん」
「そ、それなら仕方ないわね・・・モノを粗末にしたら駄目よね」
「うんっ!」
「志貴が、どうしてもわたしと一緒に食べたいっていうから一緒に食べてあげるのよ?」
「うんっ!ありがとう♪だから白ネコさん大好き!」
「〜〜〜〜〜〜!!!!」

「白レン良いなぁ・・・凄く嬉しそう」
(コクコク)
「わたしが買ってきたのに志貴ったらありがとうってしか言ってくれないんだよ?抱き付いてくれたって良いのに・・・」
「・・・・・・・」
「え?そっか・・・ケーキ持っている時に志貴が抱き付いてきたらわたしケーキの事忘れて志貴を抱きしめちゃうもんね」
(コクコク)
「じゃあもしかすると・・・・志貴はギュッってしてくれるかな・・・えへへへへ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「────そんな呆れた顔しなくても良いじゃない。志貴にギュッてされたらもうラブリーさに他はどうでもよくなっちゃうのよ?」
(コクコクッ!)
「でしょ?もう思い出しただけでも・・・・・・えへへへへ」
(・・・・・ニヘラ)
「「・・・・・・」」
「白ネコさん」
「聞かないで・・・わたしがこの二人は何とか元に戻すから志貴はケーキの用意をしてて頂戴」
「うっ、うん・・・・頑張ってね」
「ハァ・・・・ほら、これ以上呆けてると志貴に怖がられるわよ」

 

2007 10月24日

「・・・シオンちゃん」
「志貴、どうかしましたか?」
いつもは怖がってあまり近付かない志貴が珍しくシオンに声を掛けてきた。
「あのね、シオンちゃんは良い吸血鬼さんになるんだよね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっと」
良い吸血鬼とかそう言った問題ではないと小一時間どころか半日くらい説明しようかと考えたシオンだったが、志貴が泣きそうなのでグッと堪えた。
「私は吸血鬼にならないよう治療法を研究しているのです」
「?」
志貴に首を傾げられた。
───ああ、そんなラブリーなことしないでください!
分割思考の1番から3番までがそう叫び、残りはひたすらハァハァ言っていた。
「もしシオンちゃんの研究が間に合わなくてシオンちゃんが吸血鬼になっちゃったら、シオンちゃんは良い吸血鬼?」
───アア、モウダメダ・・・
「勿論です!志貴が側にいてくれたら絶対良い吸血鬼です!志貴を守る盾にも銃にもなります!」
そう言ってシオンは志貴をギュッと抱きしめた。
「あぅぅ・・・」
志貴は顔が胸に押しつぶされて息が出来ずに苦しそうに呻く。
彼女は知らない。
吸血衝動の特効薬が志貴である事を。
暴走したアルクェイドでも志貴の前では良いお姉さんになり、朱い月も猫可愛がりする志貴。
アルトルージュも洒落にならない程志貴に優しい。
そして一番洒落にならないのは魔法使い二人が阿呆みたいに志貴にベッタリな事だった。
蒼崎青子。彼女は重度の志貴依存症と化している。
志貴に抱き付いて頬擦りしないと何かが暴走するらしい。
だが、それ以上タチが悪いのはもう一人の魔法使い。
魔道元帥ゼルレッチだった。
「志貴くん。お菓子を買ってきたぞ!」
そう言いいながらシオンの部屋に入ってきた。
「ッ!?元帥!!」
「あ、お爺ちゃん」
「前にこのクッキーが好きだと言っておったから買ってきたぞ」
「わぁ・・・ありがとうお爺ちゃん!でも、これ・・・イギリスのお菓子でしょ?大変だったんじゃ・・・・」
「なぁに、知人が日本に来ると連絡があってな。ついでに買ってくるようにお願いしたんじゃよ」
事実は協会の人間を使い走りさせて買ってこさせたのだ。
「お爺ちゃんありがとう!」
「はっはっはっ・・・志貴のためならこれくらいおやすい御用じゃ」
ゼルレッチ翁、重度の志貴依存症であり、志貴の姿や声を一日でも欠けば暴れ出す志貴中毒だった。
つーか孫馬鹿状態。
「・・・・・」
シオンは志貴がゼルレッチに関心を向けたのが面白くなかった。が、言い争っても勝てる相手ではなかったので不機嫌ながら志貴と距離を取ろうとした。
「シオンちゃん」
「何でしょうか」
「はい!シオンちゃん研究で疲れているから甘いもの食べて一休みした方が良いよ?」
そう言って志貴はシオンにクッキー差し出す。
「あ、ありがとう・・・・」
「はい、あーん」
「!!!!」
シオンの顔が真っ赤になる。
「む、良いのうシオンちゃんは・・・」
拗ねるゼルレッチはもはやただの爺さまだった。

 

2007 10月22日

「しきさ〜ん、怯えていないで出てきてくださ〜い」
琥珀が近付くと志貴はビクリと震え、目に一杯の涙を溜めイヤイヤと首を振って後ろに下がる。
「はう〜〜〜・・・どうしてそんなに怖がるんですか・・・」
「それは姉さんの本質を恐れているからだと思います」
「翡翠ちゃん・・・それは酷すぎます・・・」
「冗談です。しかし、姉さんが邪な事を考えているから志貴さまは怯えていると判断できます」
そう言って翡翠は志貴の元へと歩み寄る。
「志貴さま、お昼寝の時間です」
翡翠は志貴の前にしゃがみ込むと志貴をジッと見つめる。
不思議と、志貴は翡翠に怯えた様子は見せなかった。
「志貴さまは、お昼寝です・・・志貴さまを、お昼寝です」
志貴は動けないだけだったのかも知れない。
クタリとその場に倒れ眠る志貴を抱き上げ、翡翠はスッと立ち上がる。
「良いなぁ翡翠ちゃん・・・」
「姉さん。後はお願いします」
「へ?」
「わたしは志貴さまと、お昼寝です」
「ちょ、それは「Are you OK? Buster・・・」ストップ!分かりましたから!」
「ではお願いします」
翡翠は片手で抱いていた志貴を抱き直すとゆっくりとした足取りで去っていった。
「・・・・片手で撃つ技じゃないはずなんですが・・・と言うよりも何処でそんな技を」
琥珀は翡翠の謎をまた一つ知り、翡翠がまた一歩遠い人間になった事を知った。
「こうなったらおねーちゃん頑張って抜刀術だけでなく天狗さんの所で空手も習っちゃいます!」
なにやら危険な決意をし、琥珀はイソイソとその場を後にした。

 

 

2007 10月4日

「はぁ・・・」
「ブルー・・・ビール片手にため息なんてどこかの中間管理職のおじさんみたいよ?」
「お姫さん、何処でそんな知識を仕入れてくるのよ」
「テレビ」
「・・・せめて会社内の対人関係に悩む美人OLとかにして欲しいわ」
「周りがどんどん結婚していく中取り残されて今日も居酒屋で夕飯代わりにつまみとビールを貪るお局様的OL?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本気で喧嘩してみない?」
「今朝のテレビでやっていたことをそのまま言っただけなのに・・・それに志貴が側で寝ているのに暴れたら大変よ?」
「う゛っ・・・本気でやってどちらかが大怪我したり死んだら残った方は志貴に嫌われるか」
「どっちも地獄ね・・・うぁ、志貴可愛いよぉ」
「・・・このままにしておいた方が良いかも知れないわね。この可愛さはもう魔法クラスよ」
「でも、純粋すぎるのは凶器なのよね・・・」
「あー・・・・・ご飯の時は意識が飛びかけたわよ」
「わたしも。ご飯粒をそのまま舐め取るなんて・・・もう!」
「唇を軽く舐められた瞬間、理性が吹っ飛んでそのまま戴こうと手が少し動いたし」
「あの時わたし、嫉妬で暴れそうになったわ」
「でも直後に「アルクおねーちゃんもご飯粒付いてる」ってねぇ・・・」
「あぅぅぅ・・・・思い出しただけでも鼻血モノよ。ハァ・・・わたしが鼻血を出した時もヤバイくらい可愛かったし」
「アルコールのせいでムラムラ感が・・・・」
「わたし、もうトメラレナイ・・・」
「川の字よ!」
「勿論!」

「うわぁ・・・志貴のほっぺイイ感じぃ・・・」
「ヤバイヤバイヤバイヤバイ・・・・抱きしめて頬擦りしたい・・・・・」
「ブルー、そんなことしたら起きちゃうわよ」
「っぅぅぅ・・・・魔術師として耐える・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁ」
「にゅぅ・・・・せんせぇ・・・」
「はうっ・・・・・・」
「ありゃ・・・ブルーの指くわえちゃった・・・良いなぁ・・・・・ひぅっ!?」
「うにゅぅ・・・・」
「し、志貴・・・そこは・・・・・・・ンッ!?」
「うにゅ・・・おねぇちゃん・・・・」

「???」
「志貴ぃ・・・・お願いだからあんな事はもうしないで・・・死んじゃうかと思ったんだから」
「ぅ?・・・良く分かんないけど、ご免なさい」
「歯形もそうだけど・・・えらくふやけちゃったわ・・・・」
「ぇぅぅ・・・せんせぇ、ご免なさい」