2016年4月1日

イラッ

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「・・・冗談だよ?」
「・・・妹よ。人の寝込みを襲おうとしている状態で言う台詞では無いな」
おはようございます。さっちんの兄です。
エイプリルフールということで誤魔化そうとしている犯罪者が目の前に居るのですが、これの対処はどうすれば良いんでしょうね?
───取り乱した。
まず現状だが、俺はベッドで仰向けに眠っており、妹にマウントポジションを取られかけている。
そして妹は半裸だ。
更に言うと入口はしっかりと鍵をかけて眠った。
しかも二重ロックだ。
それを突破して冗談で済ませようとしている我が妹は恐ろしい。
「重いからどけ」
「重いって言ったら駄目だよ!?」
「三度は言わん。退け」
「うぅ〜っ・・・反応今一・・・」
反応してたまるか。
「で?ここまで手の込んだことをして冗談とはどういうことだ?」
「えっと、これくらいしないと構ってくれないかなぁって・・・」
「悪質なジョークはエイプリルフール適応外らしいぞ?」
「え!?」
「それは何に対して驚いているんだ?」
知らなかったことに関してなのか、それとも悪質なジョークと思われたことに対してなのか。
最近暴走キャラになってきているからなぁ・・・コイツ。
一度引き締めた方がいいかも知れないな。まあ、時期も良いし一言言っておくか。
ただ、今日それを言ってもジョークと思われそうだ。
明日言おう。

 

2016年4月2日

三八度でお仕事

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「───えっ?」
妹の間抜け面が面白い。
「今週末・・・と言うか明日二人が帰ってくるから俺はこの家を離脱する」
「意味が分かんないよ!?」
ふむ。突然の台詞に妹大混乱だな。
いや分かれってレベなんだが。
「明日未だにバカップルな二人が帰ってくるから俺は家を出ると言っているんだが」
「ええええっ!?」
実は前から計画していたことで、少し前にマンションも契約済みだったりする。
ああ、俺、社会人だから。お給料はここ(実家)にいる間に貯めて用意完了しているし。
妹から逃げるためにシエルさんにも協力してもらいマンション契約まで終わらせた。
あと朱鷺恵さんにもバレている。流石はストーカー。
あの二人からは逃げ切れなかったよ・・・
「いい加減独り立ちしないとマズイしなぁ」
「わたしも!」
「独り立ちは自分で稼げるようになってからな?」
「兄さんと一緒に!」
「却下だ馬鹿者」
「う〜〜〜っ!」
悔しがるがトドメを刺す。
「あと、引っ越し先は教えん」
「えーーーっ!?」
「入り浸りかねないからな」
「う゛っ」
入り浸る以前に色々終わりそうな気がするんだよ。
あと、ストーキング対策も幾つかしてある。
必要な荷物は既にシエルさん等に渡し、後日マンションへと運んでもらう手筈になっている。
まあ、色々と不安要素はあるが・・・シエルさんはメシアンでの食事。朱鷺恵さんは今度二人で飲むことを約束した。
───代償が少しキツい気がするが・・・まあ、一人暮らしのためだ。構うまい。

 

2016年4月3日

状況は悪化している───前も言った気が・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

行き倒れの少女を拾ってしまった。
まあ誰なのかはお察しですが。
見て見ぬ振りはできない程度の善人を自称しているだけに見てしまった以上何とかしないといけないわけで・・・
だからって横抱き───いわゆるお姫様だっこでの搬送は拙かったか。
いやいや。背負った場合襲われる可能性もあってだな?
今は部屋のソファーで寝かせているが。
「あの・・・」
ン?気付いたか。
周辺の確認と自身のチェックをすぐに行える。良い判断だ。
「行き倒れていたようだったので拾った。消化によい食事を作っているので少し待ってくれ」
「えっ?あ、はい」
「君みたいな可愛い子があんな風に倒れていたら変質者に襲われかねない。もう少し場所を考えた方がいい」
「あの場所はあまり人が来ないはずなのですが」
「俺みたいにショートカットで使う人が稀にいる。あと、ある事件の時はあの路地裏は危険地帯だったから」
「・・・・・・」
エーテライトを接続しようとするのは勘弁して欲しいんだがなぁ。
全て避けるか叩き落としているが。
「とりあえずおかゆと、食べられそうならおかずも食べてくれ」
俺はテーブルの上に食事を置き、そのまま部屋へと向かった。
「っ!?あの!」
「話は食べてからだ。必要ないのならそのままでも構わない」
作った身としては凹むが。
そのまま部屋に入って朝読みかけたままの小説を手に取る。
とりあえず切りの良い章まで読み進めよう。

 

2016年4月4日

最近、お昼ご飯を食べる時間が5時とか6時・・・これ、お昼ちゃう・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

切りの良いところどころか読み終わって部屋から出ると彼女は居なくなっていた。
二時間放置だったしねぇ・・・俺が悪いじゃん!
自分に突っ込みを入れながらテーブルの上を見る。
うん。綺麗に食べられていた。
ついでに置いていた物も持って行ってくれたようだ。
あれだけあれば暫くはあんな生活をせずに済むだろう。
「・・・ここまでしたんだ。変な事に参加しないぞ?俺は」
「なんて言いながら巻き込まれるんですね?分かります」
「相変わらず・・・鍵が無意味な登場を」
「合い鍵ですよ。合い鍵」
「認めた覚えは無いんだが・・・」
「流石と言うべきでしょうか。何か起きていることは分かっているんですね」
「あんな子が行き倒れしていて世の中何も起きていないと思っていたら恐ろしいな」
「あんな子とは?」
「戦闘できる美人さん」
俺の台詞と同時にシエルさんは無表情になった。
「・・・・・・ちょっと彼女と話をしてきます」
「どんな?」
「ええっと、弓塚さん。何か肩に置かれた手がガッチリと───痛い痛い!」
「変な事をするような子じゃ無いぞ?」
「取られましたよね!?封筒を!」
「あげたんだよ。膳に添えていたんだからな」
「・・・良いですね。お金持っている人は」
「言うほど裕福では無いよ」
「・・・マンション二部屋使っている人が言う台詞では」
「あ、このマンション買い上げたから」
「!?」

 

2016年4月5日

だから食事する暇があったら次の仕事してるって言ってるでしょ!?

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

口は災いの門とはよくいったものだ。
シエルさんに泣きつかれ、アパートと同額で一室貸すことになってしまった。
まあ、それはそれで良いんだが・・・いや、手続き含めて面倒だが。
あと、朱鷺恵さんも何故か合い鍵を持っている。
・・・数日に一度の割合で俺が戻ってくると食事が丁度良いタイミングで出来上がっているという恐怖。
当たり前のようにシエルさんも居るし。
シエルさんからは食費を取っているが。
まあ、そんな事は良い。
問題は目の前の状況だ。
簡潔に言えば、巻き込まれた。思いっきり巻き込まれた。
またもや買い物帰りですよ。
まず、遠野志貴っぽい人に襲われた。
一応はっ倒して正気に戻した直後、行き倒れていた彼女が乱入。
何か俺がどうのと言って遠野志貴っぽい人と戦い始めたので柏手と共に大喝。
正気に戻ったので一息ついてさて帰ろうとしたら・・・いきなり砲撃喰らった。
いや、喰らったら死ぬので避けたが。
・・・マジックガンナーさん降臨ですか。
一般市民に対して砲撃か。
ふっ、ふふふふ・・・

気が付くとマジックガンナーさんのおしりを叩いていました。
何かマジ泣きされてますが。
そして遠野志貴っぽい人はドン引きして行き倒れさんは目をキラキラさせて・・・何故?
おっと、いい加減手を止めなければ。
あ、ゴメン撫でた。
さて・・・この状態を収めて何事も無かったように帰るって・・・無理っぽいんだが。
マジでどうしよう。
自宅は近いし逃げたら追いかけてきそうだ。
行き倒れさんは確実に知ってるだろうし。
色々詰んだ。
俺は悪くないが。

 

2016年4月6日

遊んでいると思われているなんて・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

あの後散々だった。
とりあえず動けなくなっていたマジックガンナーさんを抱き上げて俺の部屋へと避難させ、シエルさんにとっ捕まりそのまま俺もワラキア討伐に参加という訳の分からない流れになった。
いや俺一般人なんだが?
防御力なんて紙装甲だぞ?
力もそんなに無いし。
───と言う俺の台詞を無視して移動中。
まあ、襲いかかってきたら投げ飛ばすが。
・・・あと、何故こんなにメンバー居るのに俺に集中攻撃が来るんだろうか。
他は三対一で戦っているのに・・・俺は一対二ですが。
俺VS七夜っぽい何かとワルクェイドっぽい何か
「そこの眼鏡の兄だろ?ならアイツと戦え」
「貴様の方が危険だ」
「貴方のそのすました顔が絶望に染まる瞬間が見たいのよ」
あ、これ駄目なパターンだ。
俺は諦めて前世のフルコースを思い出す。
「セ〇ール拳擬き、集団から受けたあの時に比べれば」
相手は同時に左右から攻撃を仕掛けてくるが、それに対して俺がとった行動は流すでも無く受け止めるでも無く───掴む。だった。
「「!?」」
「正確には受け流し・・・だけど、見様見真似地獄極楽落し!」
二人の手首を掴んで引き込み、背負いの要領で投げ・・・途中で斜め下に引き落とす。
つまりは頭を地面に叩きつける形と───なる前に身体能力の高い相手が空いていた手で地面に手をつくので掴んでいた手を放して二人目掛けてドロップキック。
「「ぐっ!?」」
「一般人がピンチだぞ。関係者、どうにかならんのか?」
「あ、はい。何か見事な攻撃に見とれてました!」
いや眼鏡。そんな感想はいいから助けろ。

 

2016年4月7日

ドンドン抜けていく。

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

ワラキア終了のお知らせ。
早い。早すぎるよ。
向かいながらワラキアについて説明を受けたが、その際に思ったことが「饅頭こわい」だった。
そしてそのことを言い、緊張感があまり無かった一行を更に緊張感皆無な状況にしてしまった。
そのまま決戦に突入。頭の中は饅頭こわい一色なのかワラキアを見た瞬間吹き出す人数名。
ワラキアが何とも言えない表情でこっちを見る。
こっち見んな。
と言うことで少しワラキアの所にいってお話し合い。
一般人を巻き込むからこうなるという事を話す。
狂気じみた演出も台詞回しも無く謝られてしまった。
何かテンションだだ下がりだったようでイレギュラー過ぎてお引き取り願いたいとのことなので階下で待機。
その後仕切り直しで戦闘があったようだが知らん。
一〇分そこらで終わったし。
またどこかで会うことがあるのかと思ったら完全に滅ぼしたらしい。
アルクェイド居ないのに?とか思ってたら金髪の女性が降りてきた。
あ、居たんだ。
まあそんな事はどうでも良い。
帰っていいかい?良いんだね?送りますとかいいから。早く家に帰って眠りたい。
無駄に夜間の散歩とか明日にダメージがいくじゃないか。
「じゃ、お疲れ」
と言って背を向けたと同時にエーテライトがとんできたんで弾く。
「えっ」
何か驚いているが知るか。
さあ帰って寝るぞ───の前に、何か忘れているような・・・
まあ、帰ってからだ。

 

2016年4月8日

今ちょっと心身共に拙いので・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

普通に帰ってグッスリ寝て・・・起きたらマジックガンナーを抱きしめていた。
しかもコイツ起きてるし。
「・・・おはよう」
「おはよう。二度寝しても?」
普通に挨拶を返すとガンナーは少し戸惑うような表情をした。
「えっと、まさかそこでそんな返され方をするとは思ってなかったわ」
「初対面に近い女性、ではあってもある程度信用できそうだし美人さんだからな」
「いやいや。それよりも何故ベッドに潜り込んできたのかとか聞かないの?」
「からかい半分だろ?」
「・・・うん。まあ・・・」
何だか納得がいかないという表情だったが、それは仕方の無いことだ。
「妹に寝込みを襲われる事数回。身の危険を感じたら目を覚ます」
「一般人じゃ無かったの!?」
「いや、思いっきり普通の家庭だ。ただ、妹が俺のことを狙っているだけで」
「性的に?」
「性的に」
身の危険に関しては前世でたたき込まれたからなぁ・・・目が覚めたら東北の山中だったとか・・・
あれ以降いらんことをしようと寄ってきたら無意識に反応するようになってたな。
「・・・もしかして、二種類の身の危険に対して反応する?」
「ああ」
「特殊部隊の人・・・ではないのよね?」
特殊部隊よりも超反応しているとは言われたが。
「基本引きこもりだなぁ・・・社会人なのに」
「えっ?」
「マンション及びアパート経営と少し株で得られる収入が主だしなぁ」
「マンション経営って・・・アパートも・・・」
仕事も知人が外注してくれる仕事をやっている程度だしな。
「あー・・・あと、事件は片付いたらしいぞ主犯をぶち殺して終了したそうだ」
「貴方は?」
「主犯に説教したら普通に謝られてしまってな・・・仕切り直しのために俺は下のフロアで待機してた」
「・・・何をしたらそんな事に・・・」
「一般人を巻き込むなと。色々言ってきたことを全て潰していったら何か普通に謝られた」
「・・・・・・頭痛くなってきたわ」
「寝るか?俺ももう少し寝たいし」
「・・・ナチュラルに誘うわね」
「何か安心するからなぁ・・・」
「色々考えるのが面倒になってきたわ。おやすみ」

 

2016年4月9日

辛いね、どうも・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

次に目を覚ますとお客さんが増えていた。
ただし、幾つかの感情を混ぜか表情で。
「弓塚さん・・・説明を求めます」
いや、そんな事を言われてもなぁ・・・
「目が覚めたら抱きついていたのでそのまま二度寝した。以上」
「やましい事はしていないようですが・・・何故ブルーが幸せそうに眠って・・・」
「起きてるぞ」
「もーバラしちゃ駄目じゃないの」
駄目じゃないのと言われてもなぁ・・・
二人揃って気を抜きすぎているんじゃないだろうか。
「でも久しぶりにグッスリ寝たわ」
「良いなぁ・・・弓塚さんと同衾・・・」
「指をくわえてこっち見んな」

「───以上が昨夜のワラキア事件の顛末です」
「そっか・・・ここまでやらかしてまだ一般人と言い切る貴方が怖いわ」
「そうですね・・・」
「縮地じみた攻撃もマジシャンじみたレーザーや怪力もないぞ?」
「その体術は既に常識外よ」
「縮地じみた攻撃を二方向から同時にされても対処し、レーザーのような攻撃もアッサリと避けたんですよね?」
「少し体を鍛えたら誰だって可能だろ」
「・・・色々調べましたが、情報が出てきませんでした。まさかとは思いますが、自力でその境地まで?」
「調べたって・・・」
「ブルーも分かりますよね!?この人の常識外っぷりを!この人他では「ミスター物理無視」「常識キラー」「非常識という名の聖人」「無理無茶無謀の体現者」など色々無茶苦茶言われてますよ!?」
「あー・・・私のスヴィア・ブレイクを不意打ちにもかかわらず避けた段階で色々ぶっ壊れていると思ったけど・・・」
「俺、そんな風に言われてたのか」
誰だ俺を聖人扱いしてるのは。
「ちなみに聖人扱いしていたのは複数で、何度か人身事故を回避しているのを目撃しているとか」
「あー・・・子どもが跳ね飛ばされそうになっていたのを見つけた時とかかぁ」
「えっ?」
「自分が事故に遭いそうになった時じゃなくて?」
「狙われた時くらいだな。そういったものは」
「「狙われたって・・・」」
「まあ、そんな事は良いとして、行き倒れはどうした?」
「あ、その事で来たんでした」
「おい?」
「今わたしの部屋に居ますが・・・貴方に恩があるので暫く住み込みで恩返しをと」
「金の事か?」
「いえ、お金は一切使っていないそうですよ?しかし、封筒に『自由に使え』って書いてあるとは・・・」
「分かりやすいだろ?」
「暫く考え込んでしまったそうです」
マジか・・・

 

2016年4月10日

大ダメージ。Dieダメージ・・・orz

───────↓以下、本日の短編(PANIC)↓───────

「僕、復活」
「・・・10日どころか一ヶ月以上逃げていたわね」
「10日過ぎてからお仕事を一気に詰め込んで大惨事に」
「えっ?」
「しかも幾つかの世界の神様が何故かダウンしてみんな僕に助け求めてきて・・・」
「えっ!?」
「更には本国から各国代表者の巡礼団について連絡が入り」
「!?」
「お祭り騒ぎの裏で動き回っていた組織の捕縛や食糧不足地域への配給などなど・・・怒濤の一ヶ月でした」
「・・・・・・」
「平行世界の僕達とドッペルゲンガー数人がかりでなんとかこなしましたが、もうあんなお仕事地獄は勘弁です」
「志貴の処理能力が異常すぎるってのと、異世界のシステムが脆弱ってのは・・・」
「神様方のストレスやガス抜き場としてうちを使っているのはちょっと問題だという事で近々上位世界の神様方が共同で小世界を作成して箱庭楽園を作るらしいから問題は多少減ると思うよ」
「良かった。本当に良かった・・・」
「でも、異世界の扉が普通に出入り口とリンクしていた件についてはみんな首をかしげていたんだよねぇ・・・」
「・・・えっ?」
「確かに、何件かは神様が開きっぱなしだったからみたいだけど、途中からは違うみたい」
「それってもしかして・・・」
「あまりにも接続しすぎて異世界との結合点が出来上がっちゃったかも知れない」
「ナチュラルに跳んでくる人達が居るって事よね!?それ!」
「うん・・・閉鎖したのにそれが続くって事は結構拙い事なんだけどなぁ」
「対策は!?」
「これが起きているのは幸い一号店だけみたいだから係員を一人常駐させて対応させるよ」
「係員って・・・」
「この件は上位世界の神様経由で研究所に丸投げしたみたい」
「うわぁ・・・うわぁ・・・」
「だから空いている職員が一号店に常駐して解析含み全て行うんだって」
「無茶苦茶ね・・・」
「応急処置だからねぇ」
「兎も角お疲れ、志貴」
「本当に疲れたよ・・・」

 

2016年4月11日

調子に乗っちゃいけないんだよ?・・・って言ったのに調子乗るからそうなるんだよ・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「妹さんが捜しているみたいですが」
「絶対にここの事を教えるなよ?」
「・・・そこまで避けなければならないのですか?」
「うちの妹は普通に寝込みを襲う奴だぞ?」
「昼に会う程度なら」
「アレの数ある特技の一つはキーピックだ」
「いくらキーピックでも」
「2秒だ」
「えっ?」
「俺の部屋に付けた室外用の鍵を破られる時間だ」
「室外用・・・ですか」
「電子ロックまで用意しても数分内には開けられてしまった」
「・・・・・・電子ロックって、まさか」
「さっき俺の部屋に取り付けたアレだ」
「アレで数分ですか!?」
「あれで数分だ」
「・・・おかしすぎませんか?」
「内錠までしてあったのにどうやったのか外されていたんだ」
「・・・魔術師でも超能力者でもないんですよね?」
「ではない・・・はずだ」
「そこまで自信はないんですね」
「即否定できないところが辛い。しかし、能力があったとすれば俺の動きを封じて襲いかかりそうなんだが・・・」
「いや、弓塚さんは無意識にレジストしてるんだと思いますよ」
「俺はそんなトンデモ人間ではない」
「わたしが仕掛けたのをアッサリはね除けた人が言う台詞ですか!?」
「精神に作用する物と物理に影響を及ぼす物では違うだろうが」
「・・・どっちも気合いで何とか片付きそうなんですが・・・」

 

2016年4月12日

そもそも経験と知識もなく空気の読めない上司が訳の分からない事をいうから相手がしらけて大変な目に遭うんですよ。
などと一時間近く愚痴られたせいで帰りも一時間遅れてこんな時間に・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「・・・シオンからにいさんの匂いが微かにする・・・」
「さつき、とうとう・・・」
「えっ?どうしてわたしそんなに哀れみの目で見られてるの!?」
「さつきのブラコンぶりが色々心配です」
「大丈夫だよ!」
「何が大丈夫なのですか?」
「にいさんのためなら罪をも厭わないから!」
「・・・・・・」
「あれ?あの、シオン。どうして一歩下がるの?」
「犯罪を犯した人と共に歩くのは色々と拙いのではないかと思い」
「まだだからね!?」
「まだ・・・予定はあるようですね」
「にいさんの家を見つけ出して突撃して・・・今度こそ」
「殺すのですか?」
「殺さないよ!?むしろ育む?」
「・・・・・・さつきが壊れている・・・」
「と言うわけで、シオン」
「はい?」
「にいさんの現住所を教えて?」
「却下です」
「なんで!?」
「絶対に教えるなと言われています」
「にいさん放っておくと女性が群がってくるんだよ!?」
「・・・・・・あー」
「手遅れ、だと・・・?」
「手遅れですね」
「シオン・・・どこに住んでいるの?」
「・・・現在、とある女性と共同生活を」
「にんさんじゃないんだ・・・」
「相手の事もあるのでわたしの所への突撃はご遠慮願います」
「にいさん、町内に居そうなんだけどなぁ・・・気配はするのにエンカウントしないよぉ」
「・・・・・・」

 

2016年4月13日

やる気?グランド〇ッグマ〇クを食べきるくらいには(まだ食べた事ないけど)

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「・・・は?」
「や、だからお金は払うからこのマンションに住まわせて欲しいって」
意味が、分かりません。
俺は頭を抱えたくなった。
このマンションに蒼崎青子が住まう。
ああ、そうか。
「一時的な拠点として」
「拠点をここにしてあっちこっちいけるようにしようかなって」
・・・一時的という言葉が抜けておりますが。
「月一五万くらいで良い?」
「ようこそお嬢様」
どこかの司教さんが格安で借りてるせいで帳尻あわせが大変なんだよ。
二人あわせても格安だが、まあ、そこはなんとかできる。
「しかし、ここを拠点にしても面白い事なんて・・・何故こっちをジッと見る?」
「・・・・・・」
無言のプレッシャーが・・・何を求めている?
昔聞いた事があるな。女性には気のきいた台詞か心からの言葉が有効───いや違う。目の前のガンナーはそんな形なき物ではなく、
「そう言えば和風プリンを作ったんだが、良い時間だ。愉快な連中を呼んできてはくれないか?みんなで食べるとしよう」
───何だろう。ため息を吐かれたぞ?
「・・・まあいいわ。呼んでくるわ」
面倒事回避成功。
しかし同時に分からない事が出てきたな。
マジックガンナーは俺に何を求めている?
まさか抱き枕代わりになれとか!?
いやまあ、あんな美人さんに抱きつかれるのは役得かも知れんが違う気がする。
和風プリンは四つ用意して・・・念のためにプリン以外も用意しておこう。
さあ、会心のできに恐れ戦くがいい!

 

2016年4月14日

地震・・・地震ですかぁ・・・

───────↓以下、本日の短編(PANIC)↓───────

「!!」
「撤退していったねぇ」
「まったく、三咲町の常識を知らない人達はこれだから・・・」
「・・・いや、お前ら。軍隊相手に生身で地上戦制圧する時点でおかしいと気付け」
「わたしも高田くんも問題なしだよ?」
「そうだよ。それに地上戦どころか空中戦も別の部隊が対応予定だったし」
「・・・へっ?」
「新開発の防犯塗料を籠めたペイント弾。これをヘリや戦闘機に・・・」
「ヘリは可能でも戦闘機は無理だろ」
「えっ?」
「・・・まさか実証済みか!?」
「モチロンだよ」
「それにいざとなったらメカメイドが救援に来る」
「川辺・・・」
「そもそも現在我々が戦っているのは政府が黙認して国内に招き入れた傭兵部隊だ。ヘリは出てきても戦闘機までは黙認できないだろう」
「それも終わったけどね」
「・・・そうだな」
「終わったって、何をした?」
「全員叩き潰しただけだ。親衛隊がな」
「さっちんここに居るのにか?」
「さつきと乾は今回ディフェンス。残りがオフェンスだった」
「・・・紙防衛じゃね?」
「突破できたか?」
「・・・あと二部隊は必要だったな」
「分散していたようだが、別の部隊は商店街制圧を目指していたらしいが」
「・・・三咲町第三の魔境へ自ら跳び込んだと」
「数分で全滅だったようだ」
「・・・杖で無双する爺さんとか普通に居るからなぁ・・・人間手裏剣する婆さんとか・・・」
「最近では護身術と称して有間家が武術指導をしているようでな・・・商店街店主達全員一メートルくらいなら遠当てが可能だ」
「・・・遠当てって、飛具か?」
「飛び道具と言えば飛び道具だな・・・気功だが」
「・・・・・・国に爆撃されないか?ここ」

 

2016年4月15日

どこもかしこもブラックブラック!

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「・・・この頃、シオンさんが家賃と食費を入れてくるんです・・・」
暗い表情でそう言い出すシエルさんに俺はなんと言えば良いんだろうか。
まあ、基本は「はあ」で良いと思うが、それだと面白くない。
「良かったじゃないか。色々浮いて」
「そうなんですけど・・・そうなんですけど・・・」
何かあるようだ。
「食費三万円に家賃折半分として五万円を・・・」
ああ、そう言う事ね。
「彼女なりに気を使っているんでしょうね。俺に」
「ですよね・・・どうぞ」
そう言ってシエルさんは八万円を俺にくれた。
「いや、食費はシエルさんに・・・」
「ここで食事している回数が多いので」
───あー・・・確かに。
少なくとも朝夕食時は五人で食べてるなぁ・・・
待て。朱鷺恵さん、ナチュラルに居るぞ?
朝早くから・・・食事を終えてみんなと出て・・・夕方は作るのを手伝ってもらう・・・っと!?
「その時点でいるってどうなんだ!?」
「はい?」
「気が付くと朱鷺恵さんがいる件について」
「えっ?・・・・・・たっ、確かに・・・朝夕いつも居ますね」
「これはいよいよ拙い事になりそうだ」
「どういうことですか?」
事実上通い妻となり、彼女の父親が動き出すという事だ。
「今のうちにある程度対策を立てておかなければ色々拙い事になりかねないという事だ」
「そこまでですか?」
「一応念のため程度だが・・・まあ、いっその事どこかの部屋に住まうか聞いてみても」
「自宅から普通に来ているんですから住むという事は」
「まあ、聞くだけだ」

 

2016年4月16日

知り合いと、連絡が・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「勿論住み込みで」
「・・・住み込みって・・・」
シエルさんの顔が引きつった。
朱鷺恵さんにとっては通いか住み込みかの差でしかないようだ。
・・・酔いつぶれて・・・ふふっ
企まれているのか妄想なのか怪しいところだ・・・
隣に居るシエルさんの顔の引きつりが酷くなった。
何か目で助けを求められているが、こんな人だから仕方ない。
気が付くと朱鷺恵さん無しでは居られなくなる・・・だったか?
違う。良い意味で男を駄目にするだったか・・・
どちらでも構わないが。
「すぐに引っ越しの手配を済ませてくるわね」
そう言って急いだ様子で部屋を出て行く朱鷺恵さんを見送り・・・
「どれだけ浮かれているんだという・・・」
「それだけ浮かれているという事ですよ」
「いや、どこに引っ越すのかって重要だろ?」
そう。朱鷺恵さんは細かい事を聞かずに飛び出してしまった。
恐らくもう少ししたら戻ってくるだろう。
その時にでも部屋の事を伝えようと思う。
「で、どこなんですか?」
「シエルさんの隣の部屋だ」
「・・・えっ?」
ん?
「どうした?」
「いえ・・・隣は人が出入りしていますが・・・」
「住んでいないはずだぞ?両サイドは空き部屋にしている」
「えっ!?」
何だろう。顔色が悪いんだが・・・
「両方とも、人が住んでいるはずです」
「前の住人が出て行く際には鍵を交換しているんだが・・・」
不動産屋を呼んで一度確認しよう。

 

2016年4月17日

TOTOBIG、一〇〇円BIG共にとんでもない事に・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

見知らぬ人がマンション内に三部屋ほど使っていた。
そいつ等についての調査等は知り合いに頼んだ。
そしてとりあえず、信頼できる鍵屋を使って全空室の鍵を交換した。
不動産屋は終始顔色が悪かったが、まあ、仕方ないだろう。
不動産屋が指示した鍵屋からスペアキーが流れていたようだから。
「しかしこうなると・・・あの部屋に朱鷺恵さんを紹介するわけにはいかないな」
「そう、ですね・・・不動産屋さんが責任を持ってクリーニングするそうですから時間が掛かりそうですね」
そうなるとマジックガンナーの部屋の隣が良いか・・・
まあ、確認に来ていた業者にはそこを指示したが。
「玄関側のセキュリティも強化しなければならないようですし」
「知り合いに依頼済みだ。警備室の改装程度だろうが・・・かなりマシにはなるだろう」
なってもらわないと困る。
「えっ?」
「あまり不安にさせたくはないが、調べてみるとこのマンションは狙われているようなんでな」
「狙われている、ですか」
「美女・美少女が多く住まうマンションと」
「っ!?」
「三階の水城女史も確かに美女だし、その隣の西川さんも新社会人だったか・・・かわいい系の子だな。他にも」
俺はそのまま他の住人について挙げていくとシエルさんはため息を吐いた。
「あの、もしかしてここに住んでいる人達って全員独身ですか?」
「あー・・・独身だな。確かに。更に言えば二〜三階は社員寮に近い形になっている」
だからあんな書き込みもあったのか。
「険しい顔をして、どうかしましたか?」
「いや、まあ・・・何故気付かなかったんだろうと」
「?」
「些細な事だ。気にしないでくれ」
「はあ・・・しかし、社員寮に近いとは・・・」
「今回の件、一応先方にも報告しておこうとは思うが・・・不動産屋の奴等と一度話し合ってからだな」
「しかし両サイド住居者無しだったとは・・・」
「詫びにもならんが、明日の夕飯は腕によりをかけた物を用意しよう」
「!?」
「何故驚く?ああ、デザートも勿論用意するが、希望はあるか?」
「あのデザートであればぜひ!あっ、あの・・・できればカレーも・・・」
「ああ、勿論用意しよう。しかしカレーとなると時間が足りないか・・・」
「まさか一昼夜煮込むつもりですか!?」
「色々用意があるからな」
「わたし、もう弓塚さんから離れられなくなりそうです・・・」

 

2016年4月18日

お休みノットお仕事

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

昨夜はお楽しみでしたね。
なんて話ではない。今現在の話だが、夕食は戦場となっていた。
マンションに住んでいる住人達全員に食事を振る舞っているが・・・そこは戦場だった。
静かな奪い合い。笑裏蔵刀等の駆け引き。
社会人組はそんな感じ。
ただ、人外組は二人を除いてスピード勝負だった。
除かれた二人というのは・・・朱鷺恵さんとシエルさん。
朱鷺恵さんは俺の手伝いをしながら自身の物は確保しているので問題は無い。
そしてシエルさんは・・・カレーを食べて呆然としていた。
アレは・・・ソッとしておこう。
へたに絡まれると厄介だ。
シオン&ブルーがフードファイトレベルのバトルを展開しているし、真祖の姫が何故かいる。
待て。
「何故奴が居る?」
「えっ?」
朱鷺恵さんも今気付いたようで真祖の姫を二度見していた。
「・・・まあ、放っておこう。全く知らないヤツでもない。珍獣を見たという役得感が代金代わりだ」
「珍獣・・・」
ああ。紛れもなく珍獣だろうよ。
しかし今回の夕食会でどれだけの金がとんだか・・・
カレーの食材はシエルさん持ち込みが半分あったため格安だったが、それ以外は・・・良い物をふんだんに使った。
考えないようにしよう。
ああ、あと言っておかなければいけない。
「皆さん。腹八分目でお願いします。デザートもありますので」
『!!?』
全員の動きが、止まって・・・ギギギ、とこちらを向いた。
だが俺は空気を読まずに言葉を続ける。
「デザートは全四品。それぞれある程度用意しているので奪い合わないようお願いします」
怖い気配は霧散した。
だが、黒い気配だけは消えない。
体重に関してだろうな・・・
そんな事を思いながら俺と朱鷺恵さんはデザートの用意を始めた。

アレだけ用意したのに結局残る事はなかった。
そして終わった後に全員から一言。
「月一・・・駄目なら二ヶ月に一度、みんなでお金を出しますからまた食事会の企画をお願いします!」
・・・・・・俺の仕事が増えるんだが?

 

2016年4月19日

俺の業務内容(契約内容でも可)を言ってみろ!

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「あら?ここまで来たのになさらないのですか?」
「確実に勝てないギャンブルはしない主義でな」
こんばんは。弓塚兄だ。
夕食の乱から約1週間経ち、色々落ち着いたと思ったところに招待状が届いた。
新大陸の妖怪ジジイ(吸血鬼)からだったんだが・・・俺は全くと行って良いほど接点がない。
しかし何故かマンションメンバー全員の移動費込みの招待状が来た。
で、着いた先はカジノホテルなんだが・・・
「招待されたのは良いが、何故なんだろうな」
「・・・相手が誰なのか説明したのに普通に招待される貴方の精神力は凄いと思うわ」
「ただ単に興味が湧いたから呼んだだけだろ。俺が警戒しないように数名追加しただけのようだしな」
「そこまで分かるモノなの?」
「俺を襲う理由がない。あるとしてもそれは興味から来るものだ。俺が倒したわけじゃないからな」
「でもどこから貴方の情報が漏れたのかしら」
「教会経由で漏れたらしい」
「───誰からそれを?」
「招待者」
「ヴァンフェムとあったの!?」
「ああ。ほんの数分だが・・・楽しんで帰ってくれとの事だ」
「・・・臨戦態勢、取っておいた方がいい?」
「シエルさんもさっきからずっと警戒しているし問題無い」
ポケットから取り出したチップをルーレットの台の上に置く。
丁度ディーラーが替わったばかりの台だ。
「さっき確実に勝てないギャンブルはしない主義だって言っていたのを聞いた気がするんだけど?」
「ああ」
カタン
一点掛けをした箇所にボールが落ちた。
「確かに言った」
五千ドルチップが三十五倍になった瞬間だった。
───税金めんどくせぇ・・・

 

2016年4月20日

どんだけブラックなんですか!?あと、今日はいつもの半分程度で・・・

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「───ちょっとイラッとしたんで飯テロしてきた」
「えっ?」
「人の部屋をカメラで監視してるっぽかったから全力で料理を作って、全力で盛り付けて食べた」
その台詞を聞いた全員の動きが止まった。
そして
「・・・監視カメラで見ていた人達、哀れね」
「暫くは何を食べても満たされない気持ちになりますね」
「全て比較してしまうと言う地獄を経験するのですか・・・」
「それはやりすぎだと思うけどなぁ・・・」
何故か全員が全員相手に対して哀れみのコメントを。
「何故?」
「全力なんでしょ?そして食べたんでしょ?」
「反則の二乗は収集つきませんから」
協会及び教会のお二人からはそんなお言葉を。
「・・・あ、鼻血が」
「駄目よ思い出しちゃ。ほら、トントン・・・」
穴蔵の錬金術師と朱鷺恵さんは良いコンビになっているようだ。
しかし、解せない。
「多分近々数名が乗り込んでくるかも知れないわね」
「早めにここを引き払って帰りましょうか」
「賛成です」
「ある程度稼げたし、問題無いかな?」
・・・俺以外にも稼げた人がいた。
まあ、深くは聞くまい。

 

2016年4月21日

おっとトラップ!

───────↓以下、本日の短編(PANIC)↓───────

「───これは酷い」
「えっ?この映像の男性の事?」
「うん。平行世界の一つで、ちょっと妙な部分があったから調査してもらっていたんだけど・・・何の介入があったからここまで天然チートの人を送り込めたんだろうと・・・」
「その割には何かアクションを起こそうとはしていないという」
「今、その人が居た世界の担当さんにアポ取ってるんだけど・・・怖いなぁ」
「え?怖い?」
「うん。こういった「自分マトモです」系のぶっ飛んだチートさんって周りがマトモじゃないから・・・」
「宗教法人無宗教みたいな?」
「・・・何が言いたいのか全く分からないよ・・・」
「お待ち!いやぁ〜うちの関係者を見つけて報告までくれて感謝!」
「ぅえっ!?」
「ああ、ようやく来ましたね」
「いやぁ・・・俺らも捜していたんだけど彼、全く見つからなくてね。本当に感謝しているよ」
「・・・何、この人」
「天然チートさんの元いた世界の管理者さん」
「ぇえ?」
「そしていつも振り回していた張本人」
「管理者が直接介入していたの!?」
「結果天然チートに磨きが掛かって大変な事になってしまったという。更に修正もかけられない事態で・・・」
「いや、お嬢・・・マジ反省してるんでディスるやめてくださいませんか?」
「でも本当にどうするんですか?彼、完全に根付いているから強制転送とかできないのでは?」
「まあ、転送自体はできるんですけど、本人にムッチャ怒られそうで・・・」
「できるんですね・・・流石というべきなのかな」
「とりあえず接触を図って年単位の説得を行う予定だよ」
「・・・まさか」
「やっぱり気付かれてた!」
「天然チートどころか仙人化してた!?」
「・・・何、この老化遅延(極)とか気功循環(仙位)、戦闘技巧(対神人)って・・・)
「お嬢・・・何このステータスボード擬き」
「対象者の特殊スキルを読み取るボード。研究所の人がサンプルでくれました」
「あの研究所は・・・」
「他の世界でも有名なんだ・・・」

 

2016年4月22日

キャリーオーバーに夢が膨らむ・・・ハァ

───────↓以下、本日の短編(PANIC)↓───────

「うわぁ・・・ゲーム崩壊の前兆?」
「専用倉庫から志貴専用倉庫神殿に変更って・・・」
「無茶苦茶だよね!?ひいきにも程があるよね!?」
「志貴。これ、ひいきじゃなくて仕方ない事だと思うわ」
「えっ?」
「前々回のアップデートでチームや組織立ち上げをしたグループに専用倉庫を規模に応じて付与されているんだけど・・・知らなかったの?」
「え?いつの間に?」
「本当に知らなかったの!?」
「うん・・・」
「恐らく志貴の興した組織だから専用倉庫が手に入った・・・だけど規模が大きすぎたためにこうなったんじゃないの?」
「・・・確認してみる」
「それが一番よ」

「・・・運営側が慌ててた。確かに組織とか結成した時に倉庫を付与できるようにしたらしいけど、桁違いだって」
「それってどういう・・・」
「またNPC達のせいだって」
「最近それを言ったら何でも通用すると思ってない?運営」
「後ろで「目を離した隙に拡大解釈でシステムと連結されてる!?」とか色々騒いでた」
「いや、プログラムってそんなアバウトなモノじゃないわよ!?」
「チームや組織結成の際に付与される専用倉庫ってNPCから付与されたり拡張されるらしいんだけど、付与条件はそれぞれのNPC達で決めているらしいんだ」
「ええっ!?」
「ギルドチームならギルド側で各担当権限によって場所と最大上限が決められているんだって」
「それが組織とかだったら?」
「組織は国が絡むから領主や国王が決定するらしいよ」
「運営が用意している課金スペースは・・・」
「特殊条件倉庫でこれに関しては別ルールらしいから世界的には「天領直轄」という不可侵領に存在させているらしい」
「不可侵領って何なのよ」
「ちゃんとあるらしいよ?マップ上に」
「どんだけ・・・」
「で、僕の倉庫はギルト・領主達が意見を出し合って教会領に神殿という形で用意したらしいんだ・・・」
「あ、何か凄く聞いちゃいけない気が」
「それぞれの最大値を付与して更に専用領に用意する事で更に拡張されているから直すのは拙いらしいんだ・・・」
「どんだけフリーダムなのよ・・・設定といい、NPCといい・・・」
「基本プログラムの書き換え以外は特にしないらしいけど・・・危ないよねぇ」
「いや、そういう問題じゃなくて・・・」

 

2016年4月23日

・・・・・・あ?

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「・・・もう海外へは行きたくない」
「まさかあんなに騒ぎになるとは・・・」
「現地で三十%引いてもらっていて良かったわ」
「その手続きをしていたにもかかわらず止められた俺は一体・・・」
「本当に・・・同じ処理を受けたのにどうしてかしら」
「そもそもそのまま入国して税務署で払っても構わないわけだからな。何かされたんだろうな・・・」
「食べ物の恨みですか?」
「・・・マジか」
「可能性はありそうですね」
問題なしと結論を受けたのだからこれ以上の事は無いと思うが・・・ないよな?
そんな事を思いながらマンションへと戻ると、マンションの前にはkeep outの規制テープが貼られていた。
「何があったんだ?」
「規制線が引かれているのに警察官がいませんね」
「ふむ・・・」
しばし思案。そして携帯電話を取り出して知人に電話をかけた。
そして分かった事は・・・
「昨日、ストーカーが刃物を持ってマンションに突入してきたらしい」
「は?」
「で、警備員が取り押さえて警察に引き渡したが、その際に暴れられて警官が負傷。犯人は逃走中だそうだ」
「えっと・・・住人は」
「全員ホテルに避難。誰を狙ったのか分からないから気を付けて欲しいらしい」
「戻ってきたら戻ってきたで問題発生ですか」
「ストーカーに心当たりのある者、挙手」
「わたし達の中でですか!?」
「美人だらけだからなぁ・・・どこかで見かけたってだけで狙われる事もあるか・・・」
おっと電話が・・・
「あ?捕まった?ならこのテープ剥がしても?・・・は?」
電話を持ったまま数秒フリーズ。
「あの、弓塚さん?」
「・・・犯人が捕まったそうだ。全員安心して部屋に戻ってくれ。他の人達も連絡をするらしい」
「で、どなたが狙われていたんですか?」
「俺」
『・・・えっ?』

 

2016年4月24日

今週から頑張る!(何を、とは言わない)

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

「狙われたという事は、誰かを取られたと勘違いされてとか・・・」
「いや、俺を女性と思ったらしい」
「ぇえー?」
「・・・まあ、フォローのしようが」
「大方調理中に食材が足りなくてそのまま買い出しに行った時に見かけたんだろうと」
『あ〜・・・』
全員が納得したような返事をする。
それが納得いかないんだが・・・
「あの姿を見たら性別間違えても仕方ないわね」
一同うんうんと頷く。
その納得の仕方が電話の向こうの奴等と同じだったというのも・・・
「兎も角、問題は無いらしい。帰ってきて早々迷惑をかけてしまったが・・・」
「これはどうしようも無い事でしょ」
「そうですね。弓塚さんが美人さんだから仕方ないのです」
「ただ、あの首筋を強調するような髪型は・・・」
「吸血鬼的に?」
「それもありますが、色気が・・・」
「何だろうな。この精神的に攻撃を受けている状態は・・・」
「事実です」
分かってるけど。
俺はため息を吐き、規制テープを潜ってマンションへと入った。
と、
「やあ」
「元のあるべき世界の空へと帰れ!」
ナンカイタ。
「ちょっ!?っぶな!」
ちいっ!俺の全力の攻撃が避けられるとは!
「今の、見えなかったんだけど・・・」
「お姫さんでも見えなかったって、何よ」
外野が何か言っているが、まずは目の前のコイツを殴る!

 

2016年4月25日

何故だ!何故当たらない!?

───────↓以下、本日の短編(弓塚某防備録)↓───────

とりあえず五点掌打をぶちかまして身動きを封じ、発勁掌を心臓に喰らわせたので今回はスッキリした。
背後でほぼ全員が絶句していたが気にしない。
「・・・今死にかけたんだけど!?」
「神のような存在がそう簡単に死ぬか馬鹿者」
「堕神を殴り殺した人間が言う台詞じゃないよ!?」
ごちゃごちゃ言っているが無視だ無視。
「で?何しに来た」
「いや、君を連れ帰りに来たんだけど?」
「いや、俺死んだよな?」
「死んでないよ。何言ってんの」
えっ?
「君が死ぬなんてなんて世紀末?」
「俺は一般人だ。お前らに振り回されて酷い目に遭いまくってはいたが。それに気が付いたらこの世界に弓塚兄としていたんだが?」
「堕神の最後の力でとばされたんだよ。死にかけの堕神を完全に殺すのに勇者候補六十名と四名の勇者が戦闘不能に陥るレベルだったんだけど」
「・・・俺、その内の二人に邪魔されて死んだと思ったんだが」
「確かにあの二人の邪魔がなかったらあの転移攻撃は避けきれただろうね。奴等は世界法廷に出廷し刑を受けたよ」
「まさか神罰執行の案件か?」
「勿論。彼等のせいでアレだけの被害が出たんだからね」
「・・・それ以前に、全員舐めきっていた結果だろ?」
「勇者含め全員本気だったよ!?」
「───俺を拉致ったり、からかっていた連中の方が強かったぞ?」
「あ、それ全員仙位以上の人達だったし」
「・・・・・・俺、帰りたくない」
「地雷踏んだ!?」

 

2016年4月26日

Just do it! 精神的にやられてます。

───────↓以下、本日の短編(PANIC)↓───────

「は?」
「暗殺者?」
「そう。暗殺者の混成部隊が来たらしいんだ」
「暗殺者の混成部隊って何よ」
「飛行機チャーターしてやってきたらしいけど、90名の暗殺者集団が」
「「・・・・・・」」
「入管で止めたら全員が全員「カウンターテロの求人を見て」って言ったらしいんだ」
「意味が、わからないわ・・・」
「で、どうしたの?」
「そのまま滞在許可を出したよ」
「!?」
「だって、求人出した部署が「とりあえず全員雇いますので」って」
「どの部署よ!」
「孔明さんのところ」
「・・・・・・あぁ」
「諜報部隊も用意してなかった?」
「諜報部隊とバックアップ部隊がいるけど、今回は諜報部隊の強化と指導のために募集をかけたらしいんだ」
「いや、おかしい」
「まあ、色々おかしい」
「黒蝶さんのファンだとか色々あるみたい」
「・・・あの暗殺者、なにげにアイドル化してないか?」
「暗殺者の中では有名らしいからな」
「でも僕、黒蝶さんってあまり見た記憶がないんだけど」
「えっ?」
「七夜ですら数える程度しか会ってないような・・・」
「僕、会ったとして一〜二回じゃないかな」
「・・・ちょっと調べてくるわ」
「本人捜すの、難しいぞ」
「そこは大丈夫」

 

2016年4月27日

一人の暴走から崩壊が始まったりするのですよ。

───────↓以下、本日の短編(PANIC)↓───────

「凄いね・・・ここまでノーガードなんだ」
「まあ、おかげでお偉いさん方への牽制は楽だったしな」
「全身タイツで悪のりしすぎ」
「あの姿で、あのウォーキングで近付いてくる恐怖!ってのを感じて欲しかった」
「訳が分かんないよ」
「ともかくだ。あの程度で牽制になるかどうかだな・・・恐ろしいまでの嫌がらせにはなっただろうが」
「むしろ精神的に病むと思う」
「眠っているところに全身タイツの男が乱入してきて性的に襲うようなモーションのみを写真撮影して去っていく程度だぞ?嫌がらせの範疇だろ」
「いやいやいやいや・・・相手オッサンだし、あんな写真撮られたら発狂モノだぞ!?しかも自慢のセキュリティは破られているし」
「まあ、なぁ・・・それでも俺らからしたらノーガード」
「遠野の屋敷レベルに比べたらなぁ・・・」
「比べる対象がおかしい」
「さっちんとかくれんぼレベルと比べるとなぁ・・・」
「それも比較対象おかしいからな!?」
「マジか・・・俺ら結構ヤバげ?」
「まず間違いなく」
「マジかぁ・・・俺らの就職先って現代の忍者目指すか?」
「普通の生活目指せよ」
「姫の日常を守りつつ?」
「・・・月礼教会の実働部隊に」
「・・・・・・俺の前で月礼教会の話はやめてくれ」
「ああ、何かスマン」
「姉貴から「お前だけは入るな」と言われてるんだよ・・・」
「何故?」
「俺がした事全部バレてる」
「乾・・・」

 

2016年4月28日

ほぼ、一日、倒れてました。

───────↓以下、本日の短編(PANIC)↓───────

「うわ、完全に使えない」
「まさかここまでとは・・・」
「えっ?何?どうしたの?」
「志貴。これ見て」
「・・・・・・うわぁ・・・回路が焼けてる」
「一体どれだけ酷使すればこうなるのですか」
「いやこれ酷使してもこうはならないと思うんだけど」
「アルクェイドさん。二十四時間フル稼働だし、色々無茶させすぎだよ」
「カスタムPCなのに壊れるなんて・・・」
「いくらカスタムでも限度があるからね?」
「こうなったら・・・部屋の環境そのものをPCに最適な状態にして」
「勝手に改装しないよね?」
「・・・ぅう〜〜〜っ!」
「だ・め」
「ぶふぅっ!?」
「鼻血!?」
「まさかの・・・不意打ち・・・」
「シオンまで!?」
「・・・お手洗いから戻ってみると、そこは修羅場だった」
「あ、シエルさんヘルプ!」
「何が起きてこうなったんですか!?」
「えっと、えーっと・・・」
「いつものパターンだと思いますが、シオンがこうなっている時点で疑うべきでしたか」
「いつものパターンって・・・」
「アーパー吸血鬼が無茶言って可愛い拒否を喰らって悶絶。それを間近で見ていたシオンも被弾」
「可愛い拒否って・・・」
「蠱惑な拒否?」
「何か訳分からないよ・・・」

 

2016年4月29日

何が、起きたのか・・・分からないよ!?

───────↓以下、本日の短編(PANIC)↓───────

「大型連休突入よ!」
「何か、アルクェイドさんがはしゃいでますけど」
「どうせネットゲームのキャンペーン目当てよ。お姫さん引きこもる気満々なんだから」
「もっちろん!GW連続ログインキャンペーンと四時間に一回のイベント。更にはチーム対戦イベントまであるんだから!」
「アルクェイドさんが活き活きしています」
「でも引きこもりという・・・」
「死祖のうち四名は常時ログインしているし、協会や教会の人達も結構数いるのよ?」
「えっ?」
「どうして分かるの!?」
「だって実名でアカウントとってキャラクターネームにしているし。確かめたし」
「「・・・・・・」」
「二人ともどうしたの?」
「志貴。これって拙いんじゃない?」
「ガチ引きこもり量産機とまで言われただけはありますね・・・ちょっと拙いかなーあ、でも良い面もありますよ」
「どこが?」
「少なくとも死祖四名は何かやらかす事がない」
「・・・あー」
「何か集まりの時には悔しげなメッセージが来るわ。あと、突発イベントが起きたらメールくれって」
「お姫さんに頼ってる!?」
「・・・一つ質問」
「何?」
「死祖四人って、ゼルレッチさん含んでる?」
「あ、爺やとメレムは含んでいないわ」
「・・・・・・あの二人もやってるのね・・・」
「協会でガチ勢って爺やとプロフとバルトメロイかなぁ・・・」
「聞きたくなかったわ・・・」
「協会だと・・・あー・・・」
「えっ?何?どうしたの?」
「メレムと、ナルバレックと・・・聖堂騎士団」
「待って。最後のは個人名じゃないわよ!?」
「まさか、全員とか?」
「全員ではないんだけど・・・組織名「聖堂騎士団」で登録されているのよ。勿論条件がオフでの関係者のみって・・・」
「「・・・・・・」」
「あ、でも第八秘蹟会のメンバーも混ざっていたみたい」
「教会の方が酷かった・・・」
「そう言えば聖堂騎士団がオフイベントで聖地巡礼したいんだけど入国許可はでるのかって不安がってたわ」
「日本は問題無いんじゃ・・・あれ?」
「志貴。考えちゃ駄目よ。色々拙いわ」

 

2016年4月30日

ぐぬぬぬ・・・

───────↓以下、本日の短編(PANIC)↓───────

「乾有彦だな。器物損壊の罪で十六時五十二分、逮捕する」
「え?俺、伊良皆昭彦っす」
「何?」
「ほら、学生証」
「・・・・・・隣の市の学生が何故ここに?」
「提携校学生連合会議に出席するためにきたっす」
「学生証は偽造可能だ。それに容姿が似ている・・・」
「あんな変質者と一緒にしないでください!」
「まあいい。来るんだ」
「あー!何か警官が無理矢理人を拉致ろうとしてる!」
「っ!?」
「あれ、刑事か?見た事ないな」
「問い合わせしてみようぜ。あ、すみません。車両番号────」
「問い合わせ!?」
「あれ?伊良皆じゃないか。お前、何やらかしたんだ?」
「俺何もしてないっすよ!?親父が親父なだけに何か問題起こすわけないっしょ!?」
「・・・だよなぁ・・・えっと、彼、何かやらかしたんですか?」
「・・・君。彼は本当に乾ではないのか?」
「ええ。隣の市で弁護士をしている伊良皆貞夫の息子で伊良皆昭彦ですよ」
「「・・・・・・」」
「おい、どこの所属だ?うちの所轄じゃないだろ」
「!?」
「車の調査完了しました。それらしくしてはいますが盗難車です」
「「っ!?」」
「おせぇよ。周りを見てみな?」
「なっ!?」
「・・・・・・」
「身分詐称、誘拐未遂・・・じっくり聞かせてもらうぞ?連れて行け」

「って事があったんだが」
「へぇ、乾くんを捕まえようと・・・」
「そうらしいっす。あ、ただあの人達はガチ公務員だったらしいっす」
「うん。その人達の情報はもうまわってきてるよ。このタイミングにそんな事をするなんて・・・あの人達可哀相に」
「俺は可哀相じゃないんっすか!?」
「伊良皆くんも中途半端にお笑い担当だし」
「で、乾は?」
「情報が入った瞬間に喜々として殴り込みに行っちゃった」
「「・・・・・・」」
「あ、でも他三名一緒だから」
「武闘派の人達の姿が見えないっす」
「・・・まさか、もう割り出されているのか・・・」