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木漏れ日の中、俺は心地よく目覚めた。
時刻は午前6時30分
なかなか早起きだ。
しかし・・・
心地よく目覚めたが、さっきから頭が重い。
何かがのっているのだろうか。
サワサワ・・・・・・
ウサウサ・・・・・・
!!?
サワサワ・・・・・・
ウサウサ・・・・・・
??!!!
サワサワウサウササワサワウサウサ・・・・・・
「───ウサ耳?バニーキャップ!?」
触るとその感触が直に伝わる。
自前!?
「──────」
ソシテトキハウゴキダス・・・・・・
「じゃなくて!」
落ち着け俺!
こういう時には5W1Hだ!
「志貴様?」
控えめなノック音と翡翠の声によって瞬殺された。
───シンキングタイム終了・・・考える暇も無いんかい・・・・・・
カチャリ───と扉が開き、翡翠が入ってきた。が、
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
カアアアァァァァッ
翡翠の顔が真っ赤になった。
目が潤んでる・・・・・・
「し、き・・・様?」
───っつーか目が座ってるような気が
シュバッ!!翡翠が俺に向かってダイビングしてきた。
当然俺は全力でかわし、ドアから外へ逃げる。
少し心配だったのでベッドにブチ当たらなかったか見たが、
──────見事な受け身をとったため、ノーダメージのようだ。
「ああ〜ッウサ耳志貴ちゃん〜」
ちゃん付けに戻ってるっ!!
完全にトリップしてるっ!?
とにかく俺は翡翠から逃げるように応接室に向かった。
逃げて気付いた。ここに逃げちゃマズイでしょ。俺
案の定、秋葉がムスッとした顔で出迎えてくれた。
「兄さん・・・屋敷内をは・・・・・・」
ピコピコ・・・・・・
秋葉の周囲1メートルの時間が数秒止まった。
「うっ、に、兄さん・・・・・・可愛すぎ・・・・・・」
うわ〜っ!!秋葉まで〜っ!!
「し、志貴さん・・・・・・」
調理室から琥珀さんが出てきた。のは良いが、同じく固まっている。
スリーヒットコンボ・・・・・・
琥珀さんがいつもの表情でなく、素で俺を見て・・・・・・
ジュルリ───
「!!?」
ゾックーーーーッン!!!
激!イヤな予感!!!
「うふふふ・・・志貴さ〜ん。おねぇさんと遊びましょうか?」
「兄さん兄さん兄さん・・・・・・・・・」
「志貴ちゃん・・・・・・見〜付けた」
翡翠が尋常じゃない早さで俺の後ろを取る。
俺も流石に必死なだけにゴルゴ並みの瞬発力で背後を取らせない。
──────逃げ場なし。
しかし・・・俺には七夜の力が!!
俺は三人をかわし、脱兎の如く自室に戻ると、鍵を閉めた。
素早く着替える!!
そして・・・・・・ドアが開いた瞬間に窓から思いっきり跳ぶ!!
真下では琥珀さんが待ち受けていたが、俺は七夜の力をフルに使い、ジャンプしたため、琥珀さんが念のために用意したトラップすら飛び越え、着地。
再び逃走した。
さて、何処に逃げよう。
1.アルクェイドのマンション
2.シエル先輩のアパート
3.学校
4.公園
5.乾家
6.裏路地
さて──────
1.2は即却下!!
もし家の連中と同じ反応をされたら人外なあの方達から逃げ切れるはずもない!!
3.は目立つ。更にシエル先輩が来る。
4.も目立つという意味から却下!
残すは5.6か・・・・・・
仕方ない。乾家で匿ってもらうか・・・・・・
俺は少し走る速度を落として乾家へと向かった。