領域指定の恋?
幼児体型になってまだ数時間・・・一週間は長いと悟った。
ちなみに俺はアルクェイドのマンションにいる。
―――拉致られたと言った方が早いかな?
今日から1週間は此処でみんなと暮らす。
「でも・・・アルクェイドと先輩は仲悪いからな〜。先生がいるから大丈夫とは思うけど・・・・・・」
「志貴、ちょっとこっちに来て」
ベッドの上で考え事をしていた俺にアルクェイドは手招きをする。
「何?」
俺は少し高いベッドの上から飛び降り、早足でアルクェイドの元に向かった。
パタパタパタ―――
「ッと、何?」
俺は妙にニコニコしているアルクェイドに不信感を抱きながら呼んだ本人を見る。
ガシッ!!
「志貴〜可愛すぎるよぉ〜」
アルクェイドは容赦なく俺を抱きしめる。
「グアァァァァァァァッッッッッ!!!」
ミシミシと骨が軋む。
―――ああ、意識が遠のいていく・・・・・・呼んだ意味はないのかよ・・・・・・
突っ込みが言葉にならない。
俺の意識が混濁していく中、ぼやけていく視界の隅に先生の姿をとらえた。
「・・・・・・止め」
先生はため息を吐き、足を高らかと上げ・・・
ドゴ!!
見事なまでに高角度の踵落としがヒットし、アルクェイドは頭を押さえてのたうち回る。
「全く・・・志貴を殺す気?」
「・・・・・・・先生ありがとう・・・・・・」
マジで死にそうだったよ・・・・・・・・
と、先生はいきなり俺を抱き上げた。
「志貴・・・・・・」
―――え?
「貴方ってほんっっっとうに可愛いわね」
そう言って俺を抱きしめた。
きつくはないけど・・・アルクェイドの時とは違って・・・・・・胸の柔らかい感覚が分かる程度の強さで抱きしめられると・・・・・・
「どうしたの?志貴、顔が真っ赤よ?」
先生・・・わざとでしょ・・・・・・・・・
「ええ。・・・・・・・・・後ろからそれで襲うと志貴にも被害がくるけど、いいの?」
――――後ろで先輩が黒鍵を構えていた。
「それで私を倒せると?」
「思ってません」
「当然ね」
「しかし遠野君を放すことにはなると思いますが?」
「それはどうか・・・」
先生が言い終わる前に俺は先生をギュッと抱きしめた。
「しッ、志貴!?」
「みんな喧嘩しちゃヤダ!」
ズキューン
え?変な音がした?
「と、おの君?」
ガチャゴトン
先輩が黒鍵を取り落とした。
「・・・志貴・・・・・・」
アルクェイドまでユラリと立ち上がりこちらを見る。
―――マズイ。逃げ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
られるハズがない。先生に抱きついていたんだよ・・・・・・
諦めて餌食になるかな・・・
「みんな少し待って」
先生がストップを掛けてくれた。
―――助かったぁ・・・・・・
「みんなが獣みたいに一斉に襲おうとするから志貴が怖がっている・・・」
―――――――――――――――――――――――――――――――え?
それって・・・・・・
「だから順番を決めてたっぷりと・・・・・・」
ああ・・・・・・・・・・・・・バッドエンドっぽいよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先生はそう言ってまず先輩に俺を抱かせ、
「最後に私がいただくから二人に任せるわ」
そう言った。
俺・・・今日を乗り切るかすら怪しそう・・・・・・