「何か俺・・・人権無いような扱いされてないか?」
「えー?美女三人に尽くされてるんだよ?」
「・・・・・・肉欲の奴隷として?」
「・・・・・・・・・・・・ちがうよ」
「なんだ今の間は何だ今の間はナンダイマノマハッ!?」
「難題間のまわ?」
「わじゃない。はだ」
「?同じじゃない」
「ええい!言葉ではワカランか!」
「それは良いからタイトルど〜ん」
「・・・・・・逃げたな・・・」
家出した少年(に対する)犯罪の考察
「もぉ・・・やだ・・・・・・」
志貴はトボトボと街中を歩いていた。
三人の猛攻に体は何とか耐えたらしく、三人が眠っている中、志貴はその部屋から逃げ出したのだった。
皮の首輪(鎖付き)と皮の半ズボンの格好のまま(カッターシャツとサスペンダーはオプション扱い)で・・・
「うちに帰ると秋葉達が恐いし・・・あそこには帰りたくないし・・・」
志貴は深々とため息を吐く。
そのため息は悩ましげな顔で吐かれたものだけに魅惑的なモノだった。
周囲は志貴を視姦し、ある者は一線を越えてしまい志貴に襲いかかるが志貴に察知されるよりも先に周囲からの制裁によって命を落とす。
従って志貴は気付かない。
自分がどのような格好でどのような状態にいるのか・・・
そんな時、
「アレ?・・・・・・志貴くん?」
見知った声がした。
「ふぇ?・・・・・・朱鷺恵、さん?」
ビクリと志貴は奮え、恐る恐る振り向く。
そこには朱鷺恵がいた。
「志貴くん・・・どうしたの?小さくなっちゃって・・・」
僅かに声が震えている。
「あの・・・なんて言うか・・・・・・ちょっとした事故で・・・・・・」
モジモジとしながら上目遣いで朱鷺恵を見る志貴。
それは周囲をことごとく『殺して』いった。
そして勿論朱鷺恵も・・・・・・
「志貴くん・・・・・・ここは危ないから向こうに行きましょうね?」
そう言って志貴の手を掴んで差した指の方角は
ホテル街だった。
「あ、あの・・・朱鷺恵さん・・・・・・?」
危機感を感じ、志貴は朱鷺恵を見る。
朱鷺恵の眼は危険色に染まっていた。
―――ああなっては誰にも止められン・・・
過去、宗玄がもらした台詞が志貴の脳内でフィードバックした。
「うふふふ・・・皮の首輪をつけた志貴くんは迷い犬で私はその飼い主・・・」
―――マズイ!旅立ってらっしゃる!!
志貴は慌てて逃げようとしたが、手をしっかり握られていた。
志貴は振りほどこうとしたが、不可視の力がかかっているのか逃げられない。
「さあ、志貴くん・・・ここは寒いから暖まりに行きましょう」
「今10月だから・・・」
「今は3月の頭よ。昨日雪が降ったじゃない」
「・・・・・・いや、時間軸と言うよりもそれは空間軸が・・・」
「さあ!行くわよ」
「やああああああっっ!!」
志貴はホテル街へと朱鷺恵に引きずられていった。
数分後、物凄い速さで走る犬耳の少年が目撃されたらしいが、それはまた別のお話・・・・・・か?