「・・・・・・なぁ・・・・・・」

 

 

 

 

 

「何?」

 

 

 

 

 

「今日は何月何日だ?」

 

 

 

 

 

「十月一日」

 

 

 

 

 

「マジで?」

 

 

 

 

 

「うん。ほら」

 

 

 

 

 

「・・・・・・マジだな・・・・・・しかし、俺がこうなったのは夏休みの時じゃ」

 

 

 

 

 

「ねぇ志貴?こー言うのを『ご都合主義』って言うんでしょ?」

 

 

 

 

 

「―――どこかで人の泣き声と怒声が聞こえた気がする・・・」

 

 

 

 

 

「そんなこと良いから、タイトルポン!」

 

 

 

 

 

「オイオイ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流行りと補導と流行の因果律

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ってコトはやっぱりこうなるわけだよな」

俺とアルクェイドは指導員に見つかったというわけで・・・

「こうって・・・こう?」

「そ。俺みたいな小学生のなりした子供がうろついているわけだから指導員が怪しんで補導するんだよ」

「だから何で?」

「だって平日に小学生が遊んでいたら何かと問題だろ?」

「ふ〜ん。そう言えば志貴は今そんな風に見られていたんだよね」

「見えるんじゃなくてそうなってしまったんだよ・・・」

俺はため息を吐き、こうなってしまった我が身を恨んでみた。

「君達・・・何話しているんだい?」

人の良さそうな補導員のおじさん(俺主観)は心配そうに俺等を見た。

まぁ、こいつとこんなナリした俺が歩いているからアンバランスすぎて目立つんだろう。

「え?どうして補導されたのか聞いているんだけど?」

アルクェイドは困ったような顔で聞き返している。

「えっ?あの・・・どういう訳ですか?」

聞き返された指導員は慌てていた。

「体の具合が悪い志貴を休ませているだけだけど?」

少し機嫌が悪いのか少しムスッとしたアルクェイドが『何か文句ある?』といった視線でその指導員を睨んだ。

―――まぁ、嘘は言ってないな。

俺は変なところに納得しつつも次の展開を見逃すまいと指導員を見る。

「は、はぁ・・・」

困っている指導員を見て俺はさっさとこの場を去る方法を思いついた。

「おねーちゃん。早くいこ?」

俺は少し高めの声でそう言いながらアルクェイドの手を引いた。

「志貴〜・・・もう良いでしょ?」

アルクェイドは俺の言いたいことを理解したのか俺を見てニヘラ〜と笑った後、

「あ、はい。どうも失礼いたしました」

おじさんはヘコヘコと頭を下げ、その場を立ち去っていった。

「―――やはり日本人は異国の人間には弱いらしいな」

俺はため息を吐き何となくそう呟いた。

「?志貴?」

「ああ、行こうか」

「うんっ!」

俺はアルクェイドに手を引かれ町の喧噪の中に紛れていった。