「姉さん・・・志貴様宛に手紙が来たのですが・・・」
翡翠が険しい表情で琥珀にそれを見せる。
「翡翠ちゃんがそんな表情をするなんて珍しいですね〜」
そんなことを言いながら琥珀はその手紙を見た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「女の子から・・・デスか?」
「違うみたいデス」
「そうデスか・・・では男性デスか?」
「ゼルレッチ&ヘムヘムと書かれています」
「へ、ヘムヘムですか!?」
琥珀は目を見開き手をワナワナと震わす。
琥珀の脳内劇場では某アニメがスタートしていた。
「何か悪いことでもあったかね?」
「悪いも何もヘムヘムって書くなあァァァッッ!!」
・・・やはりヴァン=ヘムは叫んでいた。
「ただいまぁ・・・」
疲れた表情で帰宅する志貴に
「志貴様志貴様志貴様志貴様ァァッッ!?」
「しぃぃぃきさぁぁぁぁあんっっ?」
翡翠が残影拳で。琥珀は竹箒二本での二ツ角羅刀 で迫ってきた。
「どうしたのさ二人とも・・・琥珀さん、そのワザ知っている人かなり少ないよ・・・・・・」
「もう過去のゲームなんでしょうか・・・」
志貴の一言にいつもの笑顔を忘れ落ち込む琥珀。
「志貴様!お手紙です!」
「・・・誰から?」
翡翠の唯ならぬ気配に押されながらも何とか応対する。
「・・・・・・ゼルレッチ&ヘムヘムと書かれていますが・・・」
「・・・・・・さぁ・・・聞いたこと無いけど。見せて」
志貴はその手紙を受け取る。
とてもラブリーな子猫がプリントされた封筒だった。
「・・・中はっと・・・」
便箋はミ○フィーちゃんのイラストが描かれていた。
それも直筆っぽい・・・
女性からと判断した志貴は手紙の内容を読み・・・・・・・・・・・・読み返し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大至急、アルクェイドを呼べ。5分以内」
顔を引きつらせながら二人にそう言ったのだった。
文面の一文をご紹介しよう。
「・・・・・・・・・・・・・・・この度アルクェイド様とのご関係、まことに嬉しく存じ上げます・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・貴殿とアルクェイド様とのご関係に関しまして直接窺いたく・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それを全て丸文字で書かれていたらどうだろうか。
志貴の顔色はかなり悪かった。