世の中の全てのモノに等しく朝はやってくる。
日の光が入らなくても朝という事実に変わりはない。
例え穴蔵の中であろうとも時間というモノがある限りそこは朝である。
そして分厚いカーテンを二重にかけ、日光を遮っているその部屋にも朝はやってきていた。
その部屋にいるのは人ならざるモノ。
死徒と呼ばれる二人の男。
そして一体のメイドロボットだった。
「結論が出ぬまま朝を迎えたわけだが・・・」
「――――――も、もう好きにしてくれ・・・」
「どうかなされましたか?大分お疲れのようですが」
「アレを見れば誰だって疲れるぞ・・・」
ヴァン=フェムはそう言って隣の部屋を指さした。
そこには―――
服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服!?服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服ふ、服!?服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服服
ありとあらゆる職種のモノやアニメなどのキャラクターコスチュームが部屋を埋め尽くす勢いで置かれていた。
そしてその中央に鎮座していたのは――――――
ガチャピン&ムック
それはもう神々しい光を放っていた。
しかも何気にモノホンっぽさを醸し出していた。
「アレを着ろと言うのか!?そうなのか!?そうなのだろ!?」
「ヘムヘムはムックだ」
「絶対着ぐるみなんて着けないぞ!!」
「そうか?アレを着けていれば昼間外を歩いても日の光に恐れる事はないぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それいいな・・・」
ヴァン=フェムは肉体的にも精神的にも大分お疲れモードのようだった。
「しかし・・・いやなら仕方ない。ではこれならどうだ」
そう言いながらゼルレッチが部屋の奥から取りだした物。
それは――――――
埴輪の王子様っぽさが素敵な着ぐるみや一緒にノッポな人が出てきそうなお目々がぷりてぃな、全身茶色の着ぐるみだった。
──────間──────
それを見た瞬間にヴァン=フェムの中の何かが音をたてて崩れた。
「どれも熱そうだからイヤでしゅ〜」
そう言いながらソファーに体を預け、ブンブンと頭を振る。
ヴァン=フェム、そろそろ脳がやばいらしい。
こうして着ぐるみ・コスチューム論議は昼過ぎまで続けられた。