月夜と闇夜の・・・
その部屋は満月の光と蝋燭の光で満たされていた。
中央に会議用の大きな円卓が設置されている。
そしてそこに集いし者達がいた。
リィゾ=バール・シュトラウトが重々しく口を開く。
「今回二十七祖全員ではないものの、これだけの方々に集まっていただいたのはアルクェイド・ブリュンスタッドについてです」
その名を口にしただけで一斉にざわめきだした。
「姫君のことか?」
「真祖の姫君の新たな情報が入ったのか?」
「静粛に」
そのざわめきを制し、重い口を開いた。
「姫に・・・・・・恋人が出来たとの情報を得た」
「何だとぉぉぉぉッッ!!!」
「相手は誰だぁぁぁっっっ!!!」
「赤飯の用意をしろォォッッ!!!」
「酒だ!酒をもてィ!!」
「・・・先に作られた・・・・・・」
「大穴だったのに・・・・・・」
それぞれがそれぞれの叫びを訴えているのを無視してゼルレッチはシュトラウトの元に行く。
「・・・本当に姫に恋人が出来たのだな?」
「間違いはない。あのネロがその二人の・・・・・・ラブラブアタックに負けたらしい・・・」
言ったシュトラウトはこの上なく恥ずかしそうだが、ゼルレッチは
「そうか・・・ラブラブアタックを・・・・・・して、誰から聞いた?」
真剣な表情で聞き返してきた。
「・・・・・・・・・」
黙秘。
「そのラブラブアタックのことを誰から聞いた?」
「・・・・・・・・・・・・」
黙秘。
「そのラブラブアタックのことを誰から聞いた?」
「・・・・・・メレム・ソロモンから聞いた・・・・・・」
「そうか・・・ラブラブアタックの件はメレム・ソロモンから聞いたか・・・」
反芻するようにそう呟くとゼルレッチはその場から消えた。