「せっつぶ〜ん!」
「・・・お前なぁ・・・分かってて言っているか?」
「勿論!焼けただれた豆を憎いあんちくしょうに剛速球かけるんでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・どこで仕入れたネタかは知らんがそれは違う」
「え!?シエルが節分の豆には火葬式典が仕込まれていて鬼の部類は有象無象関係なく滅するって・・・」
「違うって・・・」
「ええっ!?違うんですか遠野くん!!」
「マジでどこからそんないかれた知識を仕入れて来たのさ・・・」
「ナルバレックとメレムです」
「デッドリーチームじゃないのよ・・・」
「何か変だとは思ってたんですよ。あんな何の変哲もない豆がそんな力を持つなんて・・・あの二人はその時にあわせてこの国の退魔組織が一斉に儀式を行い固有結界を形成すると言っていたのでそれを信じていたのです」
「まぁ、あながち間違いじゃないんだけどね・・・」
「当たっているんですか!?」
「イヤそうじゃなくて。火葬式典とかは付いていないけど節分の原型は追儺の節会と言って大規模な退魔行事だったし」
「へぇ・・・そうだったんだ」
「さて、説明も済んだし鬼を決めて当てないとね・・・」
「にゃ?・・・志貴?すっごく怖いんだけど・・・」
「そうですね・・・鬼ですからアーパー吸血鬼も鬼ですよね・・・」
「私は真祖で吸血鬼じゃないって・・・し、シエル?」
「ふふふふ・・・今回は二種類の豆を用意しました。通常の豆をガーリックと共に炒めたモノと・・・同じ豆でも納豆です」
「!!!!」
「さぁて・・・誰が鬼になるのかなぁ」
「志貴ッ!志貴が怖いぃ・・・・・・」
「まぁまぁ・・・ここは公平にジャンケンで決めましょう。鬼はほぼ確定ですけどね」
「シエル・・・いつか殺す」
「ふふふふ・・・震えながら逃げる鬼・・・ゾクゾクくるなぁ」
「志貴に追いかけられるのも良いかも・・・」
「・・・・・・何か凄く落差を感じましたねぇ・・・」
「さ!早くジャンケンをしよう!」
「「やる気満々だ・・・」」
「せーの!ジャンケン・・・・ほいっ!」
「二人とも後出しかよ!!」
「志貴が勝手に先に出したのよ」
「そうです。遠野くんが鬼ですよ」
「あーそうかい・・・ならば俺は人食い鬼になる!!」
「「え?」」
「目の前に美味しそうな女性が二人・・・」
「「きゃ〜〜っ♪♪」」
「食べちゃうぞ〜〜〜」
「兄さん・・・こんな時間までどこに行ったのかしらねぇ琥珀・・・・・・」
「あうぅぅ・・・・・・秋葉様・・・・・・」
「秋葉様が鬼に見える・・・」
「翡翠。何か言った?」
「・・・と言う姉さんの心の電波をガッチリキャッチしました」
「ひすぅいちゃん!?」
「ふ、ふふふふふふ・・・・・・そう、そうなの?琥珀・・・・・・」
「い、いえ!そんな!!」
「双子の妹の私が言うのですから間違いはありません」
「な゛っっ!!??」
「そうね・・・鬼ね・・・・・・ふふふふふふ」
「い゛っ゛や゛〜〜〜〜〜!!!!!」
――――――オチが切れぬまま終わる