二十一話/混沌

 

 

 

------------------------------------------------------------------------------------

 

 

「というわけで、貴様らにはこれから、とりあえず士郎達の半分程度までは強くなってもらう」

地下室に集められた七宮邸在住者達に橙子がそう告げる

『どうゆうわけだよ?』

事前の説明もないままいきなりそんなことを言ったので、そこにいる凛やその他の者達がわけも分かるわけもなく声を合わせる

「そりゃそうだ・・・・・・まぁ、ぶっちゃけ、これからの聖杯戦争・・・いや、最早聖杯戦争とすら呼べないかもしれない・・・その戦いにおいて、貴方達は・・・・・・宝具を除けば多少の戦力にしかなりません」

そう伝えて、志貴が眼鏡を外す。そして、そのまま眼を瞑る

「ま、そういうことね・・・・・・だから、あなたたちには強くなってもらわないといけないの」

青子が指の先で魔力の塊を粘土のように弄りながら言う

「先生・・・それ、危ないですよ?まあ、そういうわけで」

士郎が青子のその行動を注意しながら言い・・・

「これから、とりあえず、実戦を行ってもらう」

地面に、一本の剣を突き刺した

『堅牢なる檻(プリズン)』

そう名づけられた剣の刀身が淡い黒を辺りに撒き散らす

そして、その黒に触れた瞬間、集められた全員がその剣と距離をとった

「っ、なによ、この魔力・・・・・・」

凛が剣を見つめる

「・・・・・・この感覚は、いえ、まさか・・・?」

「ははっ、セイバー、気付いたか?そうだろうな、お前もアレを倒した英雄だからな」

そのセイバーの同様にランサーが笑いかける・・・しかし、その笑みにはいつもの余裕などはない

「士郎・・・・・・も、もしかして、私も参加しなきゃいけなかったりす、る?」

「・・・すまん、イリヤ」

いつも白い肌がもはや蒼く染まってしまったイリヤが助けを請うように尋ねると、士郎が顔を背けた

「・・・ふむ、物凄く不吉な予感がするんだが・・・気のせいか?」

そしてアーチャーの戦場で鍛え上げた危機回避能力が働き

「・・・・・・志貴、これは、有り得ん・・・なぜ、あいつの感覚がするんだ?」

「ああ・・・おまえは、やった事があるんだな・・・」

アサシンが、奮えた・・・・・・そう、ありえぬ筈の再開に

そして、

「ま、がんばってね〜」

「がんばってください・・・私の仕事が楽になるかもしれませんから」

アルクェイドを先頭に、地下室を出て行くシエルと橙子と志貴

「じゃ、がんばれ」

そして、士郎が最後に地下室を出る

そして、扉が閉まるその直前

「さぁ・・・契約を果たす時が来たぞ・・・・・・では、罪人を開放せよ、堅牢なる檻(プリズン)」

そして、剣が砕けた

 

 

「本当によかったの?」

「ええ・・・」

青子の言葉に、士郎が頷く

「遠坂達は、弱すぎます・・・・・・それでは、すぐに死んでしまいますから」

「ふん、だからといって・・・あれに相手をさせる必要はないだろう?」

橙子が尋ねる

「先日・・・あいつが剣の中身を全て呑みこみ終わったという事を確認しました」

士郎のその言葉に、アルクェイドとシエルが眼を見開く

「士郎、それは・・・さすがに拙いんじゃ?」

「衛宮君・・・あなたは、時折、やりすぎな場合がありますよ?」

「人って言うのは、死に直面した時にこそ力を手に入れるんですよ・・・・・・お前なら分かるだろ?志貴」

「・・・それは・・・確かに」

志貴が眉をしかめる

「ま、最早後戻りは出来ない」

「そうね」

「そうだね」

「そうですね」

「そうですよ」

「そうなんだろうな」

橙子の言葉に五人は頷いた

 

 

剣が砕け、黒い霧・・・否、まさに闇と形容すべきそれが広がる

「ふむ、久方ぶりの外の空気か・・・・・・」

そして、その闇の中から、一人の男が現れた

「しかし、契約にもとに出てきたは良いが・・・衛宮士郎は何処だ?」

そして、黒い衣に身を包んだその男が一番近くにいた凛を見る

「士郎達は・・・私たちに強くなってもらうって言って・・・出て行った・・・・・・っ、何よアンタ・・・この魔力、半端じゃない・・・っ!」

「ふむ・・・なるほど、私との契約内容は貴様らを強くする事・・・か」

男が凛の言葉を聞いて納得したように頷き、周りを見回す

「英霊・・・ほう、聖杯戦争というものか・・・こやつらも強くしろとは、また面倒な事を」

そして、サーヴァント陣を見た男がそういって口元を歪ませる

「・・・ふむ、其方は相当の力を持つようだな・・・・・・しかし、貴様の言う言葉には不可能な点が在る・・・・・・もはや肉体の成長など望めぬこの身体、いくら鍛えようともこれ以上に強くはなりはせんぞ?」

圧倒的な威圧感を放つ男に対し、アーチャーは動揺する事も無く、言い返す

「然り。英霊に肉体の成長などは望めぬ?そんなことはわかっている」

そして、その言葉を男が肯定する

「ならば、どうするというのだ?」

そして、アーチャーが笑みを浮かべながら弓を構える

「・・・ほう、剣・・・しかも宝具を矢となすか・・・・・・弓ならばクラスはアーチャーか・・・・・・アーチャーよ。だが先ほどの質問に答える必要などはないのではないか?」

しかし、そんなアーチャーの行動に動揺せず、それどころかあざ笑うように言う。

「どういうことだ・・・?」

「貴様のその弓は肉体から生み出されたものか?貴様のその魔術は肉体に起因するか?貴様の戦闘技術は肉体の欠点を補うための技術ではないのか?」

「・・・・・・ふん、なるほど」

アーチャーが男の言葉を聞いて鼻を鳴らす

「アーチャー、どういうことなの?」

凛が尋ねる

「つまりだ、凛。あの男は我々サーヴァントには技術を。君達人間には肉体と魔力を成長させろといっているのだ」

アーチャーが、簡潔に答えを述べる

「肯定だ」

そして、男も頷く

「・・・それで、あなたはなにものかしら?吸血鬼さん」

キャスターが不敵な笑みを浮かべて尋ねる

「吸血鬼と理解しているなら問題はなかろう?」

「それもそうだな」

アーチャーが放った矢が男に突き刺さり爆発する

「・・・おしまい?」

凛が爆煙を呆然と見ながら言う

「そんなわけが、ないだろう?・・・・・・なあ、ネロ・・・ネロ・カオス!」

その言葉に、まるで酒に酔ったかのような声を上げてアサシンが哂う

「ネロ・カオス?・・・まさかっ!」

その言葉を聞いた凛が爆煙の中めがけて特級のガンドを連射する

「人間の娘。慌てるな・・・ゆっくりと相手を務めてやろう」

しかし、それをのガンドがいきなり何かに飲みこまれる

それは・・・・・・爆煙の中よりいでし・・・黒き竜だった

「「竜種!」」

セイバーが驚愕の。ランサーが歓喜の声を上げる

もちろんその場のものに驚愕の色が浮ばない者などいない

ちなみに、イリヤは一番とおくからバーサーカーの影に隠れながら様子を伺っている

「それにしても。そこのサーヴァント。貴様・・・何者だ?」

そんな周りを無視してネロがアサシンを見る

「なに、この身は既に世界の奴隷。名乗るほどの名はないさ。今だけはアサシンと名乗っているがな」

アサシンが答える

「しかしまぁ、なんていう数奇だろうな・・・・・ああ、あんたみたいに殺し甲斐のあるやつはそうそうと居ないからな・・・・・・しかも、竜まで従えてるなんて・・・どういった理由だ?」

「そんなことはどうでもいい・・・さて、では我が教えを享受するがよい」

そうして、地下室に闇の獣が放たれた

 

 

感想(後悔)

また短くなってしまった・・・

発言が支離滅裂だ・・・

鬱だ、死のう・・・

バタリ