・・・うわぁ・・・・・・(ぇ               投稿:終夜

 

十二話/双神

 

 

 

 

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闇の中に、閃光が走る

そして人間ではない何かの断末魔が響き渡る

「どうした、志貴!いつまでもこんな人形共と俺を戦わせるつもりだ!」

そして、剣神の声

志貴の声は聞こえない、それどころか気配すらない

闇の中に布の擦れあう音が聞こえる

「・・・ふん」

うっすらと見える、闇の中を飛び回る無数のそれ

と、剣神の首になにかが迫る・・・・・・それは、巨大な鎌

「人形が・・・」

剣神が手に一本の剣を握り、それを振るう

その剣は・・・『燃え盛る災厄の杖(レーヴァンテイン)』

世界を燃やし尽くす程の炎を纏いしそれは、破滅の具現であるかのような炎を鎌・・・そしてそれを持つモノに放つ

直線状に放たれた炎がソレを飲み込み、闇を一瞬だけ照らし、闇に呑まれる

一瞬だけ照らし出された闇の中には・・・巨大な鎌をそれぞれ持ち、ボロボロの黒い黒衣とそれを纏った白骨の・・・死神の群れだった

固有結界『歪なる死の影(ディストーションバロール)』、それは死に最も近いが故に死という影に怯える志貴の世界を具現化したもの・・・・・・

其処には、命を刈り取る無数の死神が舞っていた

次の瞬間、今までの死神の鎌とは違う物での斬撃

「やっとやる気になったか!」

斬撃は、志貴の短刀である七夜の短刀で行われたもの

剣神はその攻撃を避けて炎の魔剣を振るう、が志貴はそれを紙一重で回避し剣神の懐へもぐりこむ

「うるさいよ、お前」

次の瞬間、志貴が常任には捉えきれぬほどのスピードで剣神に斬撃を浴びせる、そして志貴の斬撃と同時に襲う無数の死神の鎌、攻撃は正に三百六十度あらゆるほうこうから襲ってきた

「ふっ」

しかし、剣神はなお慌てたそぶりを見せず鼻を鳴らす

「投影、重層(トレース フラクタル)」

剣神の周りに、無数の剣が現れる

それらは、全て・・・・・・・・・・・・魔剣ダインスレフという同一の剣

剣神が腕を振り下ろす、と同時にその剣達が生きているかのように空中で勝手に動き始める

動き始めたそれらはそれぞれが死神の鎌を弾き飛ばす

そして、志貴の攻撃を剣神が手に持つ燃え盛る災厄の杖(レーヴァンテイン)ですべての斬撃を見切り防ぐ、そして、さいごの斬撃を防いで、剣神が志貴を吹き飛ばす

「っ・・・」

志貴が数十メートルの距離を突き飛ばされ、しかしすぐに体勢を立て直す

「はっ、まさか終わりではあるまい?」

暗闇の向こうから剣神の声が響く

「・・・・・・さあな」

志貴が口の端を吊り上げる、と同時に剣神の背後に二体の死神が現れその凶刃を振り下ろす

「・・・くだらん」

しかし、それを剣神は・・・・・・・・・燃え盛る災厄の杖(レーヴァンテイン)を離し、素手で受け止めた

「っ!?」

志貴が驚愕の表情を浮かべる

視界には見えないが、この世界の支配者たる志貴にはこの世界での出来事が手に取るように分かるのだ

死神の鎌を素手で受け止めたせいで剣神の血が飛び散り、辺りに舞っている無数のダインスレフに付着する

「さぁ・・・吸うが良い、我が血を」

剣神の声が終わると共に、ダインスレフの柄にある赤い宝石が一瞬だけ光り輝く

そして、輝きをなくした宝石を宿した血濡れの剣が二体の死神に次々と突き刺さる

「!?」

そして、次の瞬間・・・・・・死神が、破裂した

衝撃波の類か、と志貴は判断し闇にまぎれる

「・・・またそれか。志貴、いい加減に・・・・・・?」

剣神は言葉を途中で止め、闇を睨みつける

その闇の中から何かが集まり、形を成す

それは・・・死神

しかし、今までのものとは圧倒的に違う

其は禍々しき二本の角、凶悪な鋭い牙を持つ古き漆黒の衣を纏った死の権化

その手には先程の死神達の者とは違う・・・黒く、それよりも巨大で、命を刈り取るのではなく死を与える刃を持つ大鎌だった

これが、これこそが志貴の固有結界『歪なる死の影(ディストーションバロール)』の中枢に位置する一

生に溢れた世界に対する残虐なる反逆者

『グリム・レベリオン』

其こそが、志貴の心の具現。志貴の・・・罪の具現

「・・・・・・は、いいだろう・・・其に、死に消滅という名の死を創造してやろう」

剣神が、手をかざすと同時にダインスレフが怒涛の勢いでグリム・レベリオンに向かう

「――――――――――――――」

その剣の嵐に向かって、グリム・レベリオンは大鎌を振るう

剣の嵐と1つの大鎌・・・・・・それらが重なった瞬間、世界にひびが入ったような錯覚が起きた

それは、大量のダインスレフが一斉に砕けた事によるもの

嵐と鎌・・・その激突は、一方的な死で終わりを迎えた

「――――――――――――――」

黒き死の具現は、ただ無感情に砕け散った剣の破片の雨の中にたたずんでいた

 

 

「誰よ?」

目の前に現れた女性二人の正体を知らない凛が尋ねる

「ん、志貴と士郎の先生と師匠ってやつよ、聞いてないの?」

「なっ!?」

凛が驚愕の声を上げる

志貴と士郎の先生と師匠・・・つまり、蒼崎姉妹ということにやっと気付いたのだ

「それで、どっちが反転したの?」

青子がアルクェイドに尋ねる

「・・・・・・士郎よ」

あちゃ〜、と青子が後悔するように呟く

「やっぱり・・・士郎には荷が重すぎたかしらね?」

「ふん、反転したのは士郎の責任だ。荷が重かろうと耐えれないアイツが悪い」

青子の後ろにいる青子の姉、燈子が言い切る

「しかし、よく無事だったわね。あの無差別破壊創造神に会って」

「アレをそう呼ぶお前は頭が無事じゃなさそうだな」

「うるさいわね〜」

燈子のツッコミに青子が苦笑を浮かべる

「っ!」

そんな二人の緊張感の無さに痺れを切らしたのか、凛が叫ぼうとして

「ところでご高名の御二人に尋ねる・・・・・・七夜 志貴が言っていた『感染』とはどういうことだ?」

アーチャーの言葉に遮られた

「・・・・・・士郎のくせに、生意気ね?」

「ふむ、英霊だろうと所詮士郎だろうに」

しかし、そんなアーチャーに浴びせられる言葉

「なっ・・・!?」

自分の正体を知っていないだろうと思っていたアーチャーが珍しく驚愕の声を漏らす

ちなみに蒼崎姉妹は士郎と志貴が電話で報告していたから知っている

「ま、いいわ・・・教えてあげる」

そして、青子の声色が分かる

「要点だけ言うと・・・・・・志貴と士郎は・・・・・・・・・根源に繋がった者よ」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

その場に居る者の殆ど、二人の事を深く知らない九人が驚愕の色を浮かべる

「・・・・・・魔法、使い・・・」

凛が呆然と呟く

「違うわ」

が、青子がそれを否定する

「志貴と士郎は魔法使いなんていう私と同じような格にはいないわ・・・・・あの子達は根源に辿り着いただけでなく、繋がってしまったんだもの」

「じゃあ・・・・・・」

理解の範疇を超えたのか、凛が言葉を詰まらせる

「・・・・・・志貴と士郎は・・・・・・神に至った。死と創造、皮肉にも兄弟の様な関係でありながら正反対のものに至ったのよ」

青子が言葉を止めずに続ける

「士郎、まぁアーチャーて呼ぶわ。あんた、さっき感染のことを志貴から聞いたって言ってたわね?」

「ああ・・・」

「それはね、根源に繋がってしまったせいで起こった悲劇よ」

青子が辛そうに言う

「あの子達は、人の身でありながら根源という人の器に入りきらないようなもの、たとえその一部であっても繋がってしまった・・・死と創造に。そして、収まりきらなくなった死と創造はそれでも無理矢理に志貴と士郎に納まろうと二人に流れ込んだ。けど当然の事よ、器は一杯になったらもうそれ以上入らない、子供でも分かる事よ」

そして、青子が間を置く

「そして、収まりきらなかった死と創造は・・・・・・二人の中に、新しい器を作ったのよ。それが漆黒の死神、紅蓮の剣神と呼ばれる二つの人格よ」

「つまり・・・私達が見たあのシロウは」

黙っていたセイバーが呟く

「そう、士郎であって決して士郎なんかじゃない・・・まったくの別人よ」

「そんな・・・」

セイバーが呆然とする

「で、でもおかしいわよ!二人とも退魔や養子で魔術師の家系でもないのに根源に繋がるなんて!」

「信じられないか?魔術の名門、遠坂の娘」

凛に、燈子の言葉がかけられる

「っ、当然でしょう!?魔法を目指す私にとって、そんなこと・・・」

「なら・・・これでも見るがいい」

そういって、燈子が何処から出したのか、カバンを取り出す

「・・・何よ、これ」

凛が不審に思いながらそれを受け取る

「一つ、教えておいてやろう・・・・・・遠坂 凛。あの二人は天才でもなんでもない・・・ただ、天才にも勝る努力をしただけだ・・・」

凛その言葉を聞きながら凛がカバンを開く

そこには・・・・・大量の書類

「・・・?」

どうやら教会の依頼書らしきその書類を凛が読み上げる

「・・・・・・」

一枚読み上げて、すぐさま次の書類を手に取る

そんな行為を、数枚繰り返す

「・・・・・・まさか、これって・・・」

凛が信じられない、といったふうに呟く

そこにある依頼内容は・・・すべて魔法使いに回るレベルの依頼のみ

「そうだ、あの二人は、あの歳でありながら・・・・・・それを全て完了させた」

七夜 志貴と衛宮 士郎・・・・・・それは、幾多の死地を駆け抜け、その中で根源に繋がった神の名だった

 

 

 

 

感想(後悔)

・・・今更デスガ、駄作っぷりがにじみ出てきてますよ・・・

まぁ、こんな作品に対する感想なんかを掲示板に書いてくれたら幸いです

・・・・・・うわぁい、もうそろそろ打ち切りか?