九話/司祭

 

 

 

 

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昨日と同じように学校に三人で登校する

そして、他愛も無い会話をしながら校舎に入り二年の階へ上っていく

「じゃあまた後で」

「ああ・・・」

「ええ、屋上でね」

そう言ってそれぞれの教室に入っていく

・・・・・・そして、何事も無く昼食の時間

三人が屋上に行くと

「ああ、七宮君達・・・・・・こんにちは」

そこには、良い笑顔で在り得ない人物がいてくれました

「・・・・・・ああ、遠坂・・・俺、幻覚見えてきたからもう帰るわ」

「そうゆうことで、じゃあね遠坂さん」

そして、次の瞬間二人が凛にそう言ってその場を去ろうとする

「はぁ?」

凛は意味が分からず首をかしげる

「まぁ、待ってください・・・七宮君達」

二人の足元に何かが突き刺さる

「え?」

凛が間の抜けた声を漏らす

「「・・・・・・・・・」」

二人がだらだらと汗を流す

もちろん暑いわけでも疲れたわけでもない

「逃げようなんて思わないで下さいね?次は頭ですから」

笑顔で、その人が言う

二人の足元に刺さっていたのは・・・・・・黒い刀身を持つ剣、教会の埋葬機関が主装備とする剣である・・・黒鍵

「何者よ・・・貴方」

凛がその人のことを睨む

「え・・・?ああ、貴方が遠坂 凛さんですね」

「?・・・そうだけど」

緊張感の無いその人の声に凛が少しだけ警戒を緩める

「始めまして、私は先日からこの町に滞在しています埋葬機関第七位、弓のシエルと申します」

「・・・・・・は?」

「「・・・はぁ」

凛が停止する

「・・・・・・・・・・・・・・・」

なおも停止する

「・・・・・・マジ?」

「はい」

「・・・・・・聞いて無いわよ?」

「連絡したんですけど・・・家にいませんでしたし」

何処にいたんですか?とか疑問に思わないで下さいシエルさん

士郎と志貴が心の中で叫ぶ

ちなみに二人とも足元に黒鍵が刺さった瞬間からピクリとも動いていない

「・・・しまった」

凛の言葉に、こんなところでも老師の証言が正しかったという事が理解できました、などと二人は現実逃避をしている

「ところで・・・」

ギラン、とさっきまでのシエルは何処へやら・・・シエルの鋭い視線が志貴に突き刺さる

ちなみに志貴の横で士郎は少しだけ自分が目標にされなかったことに安堵している

「七夜君・・・・・ブルーと通して貴方に回っていった私の仕事の依頼、メールで任せてくださいって送ってくれましたよね?」

一歩一歩シエルが志貴に近づく

士郎は反対に一歩一歩志貴から離れていく

「なのに・・・『例のアレ、横取りされちゃいました』なんてよくもまぁぬけぬけとメールを送ってくれやがりましたね?」

志貴の目の前にシエルが立つ

その後ろで士郎と凛が直立不動で立つ

「で、でも」

「ええ、ええ・・・わかってます、変なお爺さんが突然現れてアレを盗んでいったっていうんでしょう?ええ、わかってますとも・・・・・・ですが、取られたなら取られたなりに頑張らなくちゃならない事があるんじゃないですか?」

志貴の言葉をシエルが遮って言う

「た、確かにアレを取り戻さなくちゃならないと思ってますよ?」

「なら早く・・・」

「だがら、この聖杯戦争頑張ってるんじゃないですか」

こんどは志貴がシエルの言葉を遮る

「へ・・・?」

シエルの目が丸くなる

「あの爺さんはどう見ても聖杯戦争に関わっているようでした、だからこのまま勝ち抜いていけばいつか俺たちの前に現れるのは当然でしょう?」

志貴が言葉を続ける

「・・・・・・あ」

その瞬間、凛がシエルになにか通じる物を感じたのは秘密である

「なるほど・・・・・・」

「・・・・・・気付いてなかった?」

「っ・・・いえ?気のせいでしょう?」

それ以上ない、というくらいの笑顔を浮かべながらシエルが否定する

「・・・まあ、いいです」

志貴がその場に座り込む

「しかし、わざわざシエル先輩自ら出向いてくるなんて、一体どうしたんですか?」

そして、ふと思った疑問を尋ねる

「ああ、この街で聖杯戦争の監査役をしている言峰という神父に不穏な動きがあると情報がありましたので一応、監視に」

「は!?あの馬鹿なにやってんの?」

シエルの言葉を聞いた瞬間、あからさまに凛が不機嫌になる

「ああ、言峰はあなたの兄弟子だとか」

シエルが思い出したように呟く

「・・・認めたくは無いけどね」

凛が髪を振り払いながら答える

「どんな奴なんだ?言峰って」

「いやな奴よ」

「麻婆馬鹿です」

士郎の言葉に凛とシエルが即答する

「・・・麻婆?」

志貴がシエルに視線を向ける

「そうです!あいつは麻婆馬鹿なんです、昨日教会に挨拶に行ったら地獄の火炎みたいな赤い麻婆を出しやがりまして」

「・・・・・・あれか」

シエルが早口に言う言葉を聞いて凛が一人で納得する

「?・・・遠坂、その麻婆って何なんだ?」

「泰山の麻婆、といえば分かる?」

「「・・・」」

士郎と志貴が黙り込む

二人とも何を間違えたのか以前あれを食べたことがあり、その衝撃は幻想種との戦いすら凌ぐほどの衝撃であった

「・・・まあ、とりあえず・・・七夜君?」

「は、はい?」

一気に緊張する志貴にシエルが笑顔で告げる

「ともかく、アレ・・・早く叩き潰すでも殺すでもしてこの世から消し去ってください」

「・・・アレって何よ?」

凛が首をかしげる

「・・・・・・・・・まあ、私の第七聖典の悪趣味な模造品です」

シエルが苦虫でも噛み潰したような表情で言う

「・・・・・・模造品って・・・それって結構ヤバいんじゃないの?」

「ヤバいなんてもんじゃありません!」

凛の言葉にシエルが必死の形相で訴える

「そ、そう・・・」

凛がシエルから一歩離れる

「確か・・・先輩の聖典は転生批判だっけ?」

士郎が記憶の海から情報を吊り上げる

「ええ・・・で、模造品は第七聖典の構造の一部を真似て作った、第七聖典とはまったくの別物です」

「・・・なによそれ?」

シエルに凛が尋ねる

「・・・・・・魂を呼び出す、強制転生の邪典です」

「原理はこうだ・・・転生批判は転生させないために魂を消すんだけど、ある魔術師が先輩の聖典に目をつけて一部の構造と禁術を組み上げて作った邪典・・・自動的に人型のエーテル塊を作り出し、それに強制的に魂を呼び込める・・・要は、人工的にサーヴァントが作れるようになるのさ」

「しかも魂が既に転生してた場合でも無理やり呼び出すって言う悪趣味な物です」

「それって・・・」

志貴とシエルの説明に驚愕すると共に凛は疑問に思った

「・・・魂の転生先の肉体は、死亡するってこと?」

「ええ、そして、肉体を抜け出した魂は呼び込められる」

シエルが悔しそうに言う

「・・・・・・でも、先輩・・・それにはそれ相応の魔力が必要になるんじゃ?」

士郎が疑問をシエルに尋ねる

「ええ、多分そうだとは思うんですが・・・これ以上の詳しい事は分からないんですよ」

困ったようにシエルが溜息をつく

「恐らくは、聖杯戦争で何かをしたかったんでしょうが・・・」

「死人に口なし、か・・・」

志貴が溜息をつく

「そうゆうことです」

シエルも溜息をつく

「人工サーヴァントって・・・」

「強制転生か・・・」

凛も士郎も、全員溜息をついていた

 

 

 

「ていうことで暫くお邪魔します」

学校が終わり、家までついてきたシエルが居間で突然そんなことを言った

「なんでよ、馬鹿シエル」

アルクェイドが不満そうに呟く

「黙りなさい、アーパー吸血鬼」

「うわ、久しぶりの感動の再開じゃない・・・なのに、酷い言いようね?」

「あなたが先に馬鹿って言ったんでしょう!?」

アルクェイドの言葉にシエルが思わず叫ぶ

「まあ、坊主・・・あれだ」

「シロウ・・・この家に何人の人間を住まわせる気ですか?」

「あ、シエルじゃない、久しぶりね」

士郎とランサー、セイバーの三人が喋っているとイリヤが居間に顔を出す

「ああ、イリヤさんお久しぶりです」

「あ、シエル無視しないでよ」

アルクェイド、シエル、イリヤの三人も会話を始める

「・・・で、結局今この家の人数って」

「サーヴァントを含めれば十一人・・・だな」

「多すぎだ・・・さすがに部屋が尽きるぞ」

「・・・戦争じゃなかったか?」

凛とアーチャー、志貴とアサシンが溜息をついた

 

 

 

 

 

 

感想(後悔)

・・・だんだん壊れてってるよ(ぇ

とりあえずこれで役者は揃いましたかね?

まぁ、気の向くままに書いていきます