「ハハ・・・素晴らしい・・・・・・素晴らしいぞ!!!」
絶叫の様な大きい感嘆の声を上げる老人。その老人の隣にそれぞれ一人ずつ、つまりは三人の老人がその場に居た。
彼らは太っていたり、痩せていたり、体に大きな傷を持っていたり、片腕がなかったりと三者三様だったが今の彼らには共通するものがあった。
―――――――――――彼らは笑っていた。
いや正確には喜んでいた。まるで世界を手に入れたかのようなこれ以上ない喜びを感じていた。
だが恐らく彼らが感じる至上の喜びはそんなものではないだろう。
彼ら三人は部屋の広さが分からない暗がりの大部屋の開いた扉の前に居た。
そして暗い部屋の中には一本の刀を力なく握り締め返り血の様なものを浴びた幼い一人の少年が佇んでいた。
「素晴らしいぞ!わずか十歳で妖魔五十匹を潰すその体術と剣術!そして生まれ持った魔眼と・・・の力!!」
歓喜に溺れる老人達、そんな老人達に一瞥した後少年は懐から眼鏡を取り出し、それを掛けて自分の状態を確かめた。
つい先程まで少年は人外の者と戦っていたが少年には致命的な傷は無かった、だが傷の深さの程度の違いはあれ多くの傷を負っていた。しかし少年はそんな事には気にも止めず冷静に血を拭いながら次は見える範囲で部屋の中を見渡した。
部屋には少年に敵対した者たちの残骸が散りばめられていた。
その残骸は人の腕の様なものもあれば節足動物、例えるなら蟷螂のような鎌がついた腕もあった。だが残骸は当然のように腕だけに至らず足や胴、頭等と全て人のそれと似た様なものがあれば全く別のものが数え切れない程・・・いや数えたくない程にあった。
それほどまでに死骸があるので部屋は異様な匂いで咽びかえっていたが歓喜に震える老人達はその事には気付いておらず、またそれを生み出した少年も鼻が慣れてしまったのかそんな事はどうでもいいのか気にした様子はなかった。
「間違いない!これこそ浅神の最高傑作・・・神の領域に入れる子だ!!!」
再び歓声を上げる老人。その感極まりない声に少年はゆっくりと振り向いた。
少年の瞳に老人達が映る。彼らの顔は笑っていた、心の底からワラッテイタ・・・・・・
(僕が・・・神?・・・・・・僕は神様なのか・・・・・・・・・そうか僕は神か・・・)
心の中で自分が神だと少年は反芻する。その時少年の顔は・・・
トテモ―――ツメタク―――――ワラッテイタ――――――――――
「――――――――――ッッ!!!」
唐突に意識が覚醒した。そして同時にベッドから上半身を起こす。
「はぁ…、はぁ…、はぁ…」
いきなり覚醒し未だはっきりとしない意識を落ち着けるために俺は意識的に大きく深呼吸をした。
「はぁ…、はぁ…、はぁ…」
愚かしい程に深呼吸を繰り返すことによって霞みかかっていた意識が次第にはっきりして来た。そこでようやく外気に晒され多くの傷が残る上半身が薄っすらと発汗していることに気付き…。
自分が神と信じて疑わなかったあの頃の事を夢で見ていたことを理解し始めていた。
「はぁ…、はぁ…………ふぅ」
最後に一息ついたところで昨日のことを思い出していた。
(昨日は確か志貴と闘りあって…その後遠野の屋敷に来て、自己紹介して…んで…)
一つの事を思い出す度に一本ずつ自分の指を折って頭の中で昨日の事を思い出す。そうする度に昨日の記憶が蘇り、同時に未だ少しぼやけていた頭の中が鮮明になる。
(志貴をからかうために持ってきた写真を出して…そして志貴にここに案内された…んだったな)
頭の中を整理しきったところでオレはベッドから抜け出した。
部屋の窓からはまだ昇りたての太陽の光が染み込んでいた。窓の外を見れば庭の緑が太陽の光で初々しく輝いている。
それを見て新しい一日がやってきた事を実感する。
(しかし…昨日は随分遅くまで騒がしかったなぁ…この屋敷がぶっ壊れるんじゃないかと思ったぞ)
そうだ昨日は遅くまで騒がしかった…というよりけたたましい轟音がビリビリ鳴り響いていた。
その凄さを例えるなら目の前に巨大ビルの建設工事がある様なものだった。そして音の中には叫び声も混じっていた。
「これで終わりよ!」だとか「串刺しにしてあげましょう!!」とか「全てを奪いつくすわ!!!」とか…、
中には「バレルレプリカ!」や「サタデーナイトフィーバー!」、「薬が効いているうちは何をやっても無駄無駄無駄です!」と…色んな意味でやばい事を言っているのも混じっていた様な気もする。
とそれ程までに騒がしかった(?)のに部屋の中だけを見るとそんなことがあったようには見えなかった。
部屋の中の調度品なんかは落ちていたりせず寝る前と同じ位置にある、窓ガラスや鏡は罅割れが入ることもなくこれもまた寝る前と変わらない位置に鎮座していた。
それを確かめて自分が着ていた上着をに手に取っていつもの通り正しい手順をふまえてそれを着る。
(今更になってあの頃を夢で見たか…ヤツが近い証拠といったところか)
夢を見た原因を勝手に理由付けて俺は部屋を出た。
「ふぅ」
いつもの制服に身を包みいつもの様に朝食を摂り、そしてまたいつもの様に居間にて食後のお茶を飲みながら私遠野秋葉は私の兄遠野志貴が起きて来るのを待っていた。隣にはこれもまたいつもの様に琥珀がいる。
「溜息なんてどうかしましたか秋葉様?もしかして昨日のことでお疲れですか?」
クスクスといつもの裏のある様な笑い方をして琥珀が私に喋り掛ける。
昨日のこと―――そう昨日は私が兄さんにちょ…もとい説教しようとしたら横から燈真さんが入ってきていきなり「取引だ」と言ってきた。正直その時は驚いたが今はそれを受けて良かったと心から言える。あの時、取引を無碍にしていたら間違いなく私は後悔しているだろう。兄さんに説教は何時でも出来るが兄さんの写真、ましてや赤ん坊の頃の写真など今では絶対に手に入るわけがないのだから。
しかしそのせいで我が遠野家で写真略奪戦争が勃発してしまい身の危険が迫って来る危ない時があった。が何とか兄さんの写真は死守することが出来た。屋敷の方は半分倒壊してしまったが、いつものことなのでいつものように琥珀に任せて一晩も掛けずに屋敷を修復させた。
「確かに昨日の事は疲れたと言えば疲れたわね。敵は化け猫やカレーだけだと思っていたら琥珀やシオンも混じってきて、まさかあそこで翡翠が入ってくるなんて思いもしなかったわよ」
「あは〜確かにそうですねぇ。私も翡翠ちゃんが飛び込んでくるなんて思いませんでした」
琥珀は先程と変わらない笑顔をする。が、少し悔しそうに見えるのは恐らく無意識に本心が出ているのだろう。
―――ガチャ
そんなやり取りをしていた時に誰かが居間に入ってきた。
「あら、おはようございます燈真さん」
「おはようございます浅神様」
「ああ、おはようお二人さん」
昨日と変わらない黒ずくめの服装で燈真さんは現れた。
「昨日は勝手に部屋を借りて寝てしまったけど良かったかな?」
決まりの悪い顔をしながらこちら側へと向かって来る。
「構いませんよ。燈真さんは大事なお客様ですから」
笑顔で私は燈真さんの言葉に答えた。
そう…私にとって燈真さんは大事なお客様です。何故なら兄さんのあ〜んな写真を私にくれた人ですから。
そしてもっと親密になればもっと他の兄さん関連のが手に入る可能性もありますもの。
そのためなら部屋の一つや二つ…
「・き・・ま、あ・・さま」
「フ、フフ…フフフフフ」
「秋葉様、秋葉様!秋葉様!!」
「…ハッ!!!」
いけない、いけない私としたことが人前で朝早くから妄想に浸りきってしまうところでした。
「と、ところで燈真さんは今日の予定は決まっているのですか?」
場を繕うために、と言うか照れ隠しのために私は燈真さんにいきなり話を振った。
「ん、今日の予定か?今日は昨日もしていたことだがこの町の構造を調べるつもりだ」
「構造ですか?」
「ああ、今度もあの野郎を追い込んで最後になって取り逃がしたなんてのは嫌だからな。そのためには最低でもこの町の事を熟知しなければならない」
そう言った後で燈真さんはソファーに腰掛けた。その時に前髪で少し隠れた顔に異様なまでに鋭い眼光があったのは気のせい…だったのか。
そんな不確かな事より他に私には気になることが一つ出来た。
「そうですか。ではそのことで一つ燈真さんに伺っておきたい事があるのですが…」
「?」
私から意見されるとは思っていなかったのか燈真さんは意外そうな顔をする。
だがこれはどうしても聞いておきたかった。
「まさかその格好で調べるつもりはありませんよね?」
「何か問題があるのか?」
―――即答だった。それは何の迷いも疑問も感じさせない答えだった。
「問題も何も…そんな格好で外に出れば目立つなんてものじゃありませんよ。昨日の時に気付かなかったのですか?」
「ん〜〜あ〜そういえば表通りに出たときやたら俺に対する視線が多かったのはそのせいだったのかな?」
燈真さんは少し笑いながら間伸びた声で今更気付いた様な事を言う。
この時私は直感的に理解した。
―――――この人は兄さんと同じでどこかずれた人だ…と。
尤もずれている部分は違うと思うがそれでもずれている人に変わりはない。
そのせいか何となく天然ボケている兄さんを相手にしている様で少し頭が痛くなってきた。
「琥珀」
「はいはい、何ですか秋葉様」
「燈真さんに兄さんの服を渡してあげて頂戴。身長や体格にさほど違いは無いから問題無い筈だわ」
「ゲッ!それ本気か?」
思ったとおり驚きの表情を表す。多分私が服を着替えてもらうと言った事の理由が分からないのだろう。
「本気です。理由を言えば恥ずかしい話ですが私達遠野家はこの町の人達にあまり良い印象を持たれてはいません。ですからそこに奇妙な服装をした人物が屋敷に入っている等という噂が立てば更に悪い印象を持たれてしまうと言ったところです」
本当はそれは半分でもう半分は自分の知り合いが後ろ指差されている様を想像すると何となく恥ずかしいからだ。
「表の方に出ないようにするから着替えなくても良いだろ?」
「駄目です。着替えて下さい」
「どうしても…か」
「どうしてもです」
「え〜〜〜あ〜〜う〜」
「早く着替えて下さい」
「………」
「き・が・え・て・く・だ・さ・い」
「……はい」
ようやく諦めてくれたのか燈真さんはうな垂れた姿勢をとる。それを確認して私は立ち上がる。
「琥珀、私はもう学校に向かいます。後のことはよろしくね」
「あら?志貴さんのことはよろしいのですか?」
「ええ、一応燈真さんとの取引があるから少しの間は、ね」
そうして私はいつもの通り学校へと向かった。
ガツ、ガツ、ガツ―――――
部屋には何かを食べている音が木霊している。
ガツ、ガツ、ガツ―――――――
一心不乱に何かを食べる者とそれを見て部屋の片隅で震えている者が一人いる。
「マ、マスタ〜それ以上食べたら幾ら何でも体に…」
「今の私に喋り掛けるなんて…良い度胸してますねセブン…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ――――――
怯える者に振り向くと同時に激烈な睨みを利かせる食べている者。
「ヒー!御免なさい!御免なさい!!御免なさい!!!」
セブンと呼ばれた怯えた者は更に部屋の隅に逃げて土下座をする。
それを確認してセブンのマスター…シエルは再び彼女の好物であるカレーを食べる事に没頭する。
彼女…シエルは明け方に帰ってきてからずっとこの調子だった。その理由は…
(私としたことが遠野君の写真を手に入れることが…手に入れることが出来なかったなんて!)
というものだった。至極簡単に言えばシエルが今やっていることはただのヤケ食いである。
トゥルルルル―――――
そんな彼女に一本の電話が入った。
「マ、マスター電話ですよ、電話。早く出ないと!」
セブンは偶発的に現れた神の助けにすがる様にシエルに話し掛ける。
「喋りかけるな…という事がわからなかったのですか?」
そしてセブンは自分が龍の逆鱗に触れ、核ミサイル級の超地雷を踏んでしまった事に気が付いた。
ゆっくりとシエルは立ち上がり一歩、また一歩とセブンに近寄る。その時のシエルの目は爛々と輝いていた。
「ご、御免なさい!御免なさい!!!でもマスター、電話が鳴っているということは…」
その言葉を聞いてシエルの表情が曇る…というよりあからさまに苦虫を潰した様な嫌な表情になる。
電話が鳴っているという事はシエルにとってはほぼ確実に埋葬機関からのもので、話し相手は嫌いな上司と決まっている
のである。しかも最近は大きな事件が起こっていないのかその上司は暇潰しと称しては散々な嫌味を言う為だけに電話を
掛けて来る。
トゥルルルル―――――
電話は先程から変わらず自分の持ち主が受話器を取ってくれるのを待っている。
その後、数秒間シエルは電話が止まるのを待ったが電話は変わることなく鳴り響く。
「はぁ…」
シエルは溜息をついた後、電話の方に歩き出し電話の受話器を手に取り、意を決して受話器を耳に当てる。
「もしもし」
「何をやっている。早く取らんか、脳内カレー地味女」
…初っ端からこれだった。シエルは怒鳴りたくなったがそんな事をしたら相手の思う壺なので何とか耐えることにした。
「一体何の用ですかナルバレック?嫌味を言うだけなら早々に切りますよ」
「帰ってきて早々カレーをヤケ食いするような女に言われたくはないねぇ」
その言葉を聞いてシエルは驚きのあまり噴き出した。
「な、何故貴方がその事を知っているのですか!」
「はっはっはっ何を言っているんだ、部下を管理するのは上司の役目だろう?」
楽しそうに笑うナルバレック。その時シエルはこの上司の嫌味は暇潰しのレベルを超えている事を確信した。
「そんなことよりもだ。今日はお前に数ヶ月ぶりの仕事を用意してやったぞ」
「仕事ですか?」
仕事と聞いたことでシエルは驚きから真剣な顔つきになる。
「ああ。お前のことだお前がいる町で社会的に一昨日の夜に起きた殺人事件は知っているだろう?」
「ええ、知っていますよ」
「そしてそれが吸血鬼の仕業という事も」
「はい、知っています」
シエルにとっては当然のことだった。何故ならその殺人事件に居合わせた人物から今回の事件の事、そしてナルバレックが言っている吸血鬼の事を知ったのだから。
「宜しい。そこで今回の仕事はその吸血鬼を捕獲することだ」
「捕獲?抹殺ではなくて捕獲ですか?」
意外な仕事だった。埋葬機関は魔を払うのではなく魔を殺す組織である。故に前者の組織なら捕獲も有り得るが埋葬機関は完全に後者の組織なので捕獲等という仕事は異例のものである。
「そうだ。今こちらの方でも捕獲用のメンバーを編成しているが、生憎他の者は仕事中だったり休暇中であったりと直ぐにでもそちらに送ることが出来ん。だからヤツをお前の町に4,5日の間辺り留めておくだけでも構わん。まだそちらに真祖の姫君が留まっているのだろう?何とか協力を仰ぐ事が出来ればさほど難しくはないはずだ」
「………」
ナルバレックの淡々とした説明をシエルは黙って聞く。
「そしてもし捕獲も留めることも出来ない様であれば必ず殺せ、確実にな」
殺せ…という言葉だけ微妙にイントネーションが変わる。それは闇を知る者、闇に生きる者にとっては当たり前のことだった。それは喋る当人にとって意味深い言葉だからだ。
「それとお前の相手となる吸血鬼の事だが「知っていますよ」
「何?」
驚くナルバレック。相手がまず知らないと思っている事を知っていたのなら驚くのは当然だった。
「名前はエミオス。吸血行為をする際に対象の能力を特化させる魔術を持っている吸血鬼でしょう?」
「確かにその通りだ、そしてそれが捕獲の理由だ。もしそれを吸血行為以外で出来るようになれば我々にとってこの上なく有益になるからな。だがそれを何故知っている…いや待て、もしや浅神燈真と名乗る者と接触したのか?」
「ええ、そうです」
今度はシエルが驚く番だった。それはおよそ埋葬機関に関わりがない者がその最高位の者と面識があるのが原因だった。
「…そうか、獄炎の狼は既に来ていたか。それなら抹殺に関しては問題なさそうだな」
「どうしてナルバレックは彼の事を知っているのですか?」
「彼には我々の仕事を偶々通りかかったところ手伝って貰った事があってね。私は直接的な面識はないが埋葬機関の何人かは彼と面識があるそうだ」
「そうだったんですか。しかしさっきの獄炎というのは一体…」
「ウチでの彼の異名さ。それは恐らく彼と共に戦えばわかることだろう」
シエルは浅神燈真と闘ったことがあったがその異名と彼を比べてもいまいち納得する事は出来なかった。
「仕事に関する話はこんなところだな。何か聞いておきたいことはあるか?と言ってもこれ以上有益な情報は私も知らないから答えようがないがな」
「いえ、特にありません」
「わかった、そうそう後私から一つ忠告というか助言をあげよう」
「何ですか?」
「やはり年下を落とすなら地味キャラではなく「余計なお世話です!!!!!」
シエルは受話器を電話に叩きつけて強制的に回線を断ち切った。
「おやおや私の忠告を無視するとは…」
私は電話の受話器を戻して目の前にある以前にも読んだ薄っぺらい資料を手に取り再び目を通す。
その資料には以前エミオスと浅神燈真が戦った時の情報が埋葬機関で調べる事が出来た分だけ載っているものだ。
「前回彼らが戦った時は幾ら片田舎で無名の土地だったとはいえ社会的にも現実的にも抹殺しなければならなかった…」
一通り目を通し終わった後、無造作にその資料を放り出す。
「はてさて…今回はどうなることやら」
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後書き
ようやく十話に到達…ここまで来るのに時間が掛かりすぎだ(泣)。
楽しみにしている皆さんすいませんね。
泣き言はまだあります!それは…
書く度に一話分の長さがどんどん長くなっていく〜……一体何処まで逝くだろう。
まあこんな私でよければ最後までお付き合いして下さい。お付き合いしてくれれば感謝です。
それではさようならヴァイ オリンでした。