これは幻が奏でるある一つの話。

これはある一族のある一人の青年の話。

その一族は古くから存在し、魔を狩り、そして神を崇めていた。

神の万能さを、神の全能さを、神の強さを、

神が神たらしめることを、神が絶対なモノであることを・・・・・・・

その一族は心から神を信じきっていた。

だがある時一族の中から一つの声が上がった。

 

――信じるだけでは神の御心が分かるわけがない――

 

――だから私達はもっと神に近づくべきだ!――

 

その一言が一族を破滅の道へいざなった。

その一族は変わった。

神を信じる心が薄らいでいった。

神を信じることから追いつくことへ

追いつくことから追い抜くことへ

追い抜くことから超えることへ

その一族は変わった。

中には神を侮辱する様な者もいた。

だが最早それを咎める者などいなかった。

むしろ褒め称えられる程その一族はカワッテシマッタ。

そんな彼らは神を超える方法を模索していた。

そしてある一つの結論に至る。

 

――そうだ。神を超えるにはまず人間を超えれば良い――

 

それから一族はありとあらゆる手段をとった。

人体改造、近親相姦はもとより己の肉体に魔を取り込んだり、自らの肉体に禁呪を施すなど・・・

最早以前の神を信じていた時の姿など見る影もなかった。

故にその一族は途絶えようとしていた。

あまりに人智を超えた行いはヒトの器には耐え切れるものではなかった。

だが全く成果がなかった訳でもなかった。

何故ならその一族の血を引くものは先天的にナニか特殊能力を持つようになった。

しかし神を冒涜した罰なのか大抵の者は精神的な異常を起こし、短い命でこの世を去っていった。

それでもその一族は生きながらえていた。

そして今も・・・

 

 

他の退魔を生業とする一族や退魔士達はその一族の神に対する異常なまでの執着心に、

尊敬と畏怖の念を籠めてこう呼んだ―――――

 

 

 

 

アサガミと―――――――

 

 

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後書き

 

てなわけでいきなり新連載です

ホントにもう片月さんには感謝感激です

話の時期はメルブラの二ヵ月後くらいの話です

ちなみに更新期間は早くて翌日遅くて一ヶ月というところです

幅がありすぎますが私としては一週間くらいかなとは思っています

まあどうにもならない時もあるってことで

それではまた本編でお会いしましょう

ヴァイ オリンでした