―遠野家とある一室―


「あはー、遂に完成しましたよー」

そこでは怪しげなフードをかぶった人物がこれまた怪しい『原色』の薬を持ち不気味に嗤っていた。

「さて作ったのはいいですが誰に使うのがいいでしょうか・・・」

その人物はそうつぶやき、

「やっぱり志貴さんですね!」

そう結論したのだった。

 

 

遠野家いつもの?風景

 

 

 

コンコン

「翡翠?入っていいよ」

ガチャ

「失礼します、志貴さん翡翠ちゃんじゃないですよ」

「あっごめん琥珀さん、どうしたの?」

「志貴さんがテスト勉強頑張っているようですからお夜食を持ってきたんですがいりますか?」

「あっはい、いただきます」

そういって志貴は何の疑いもなく夜食を食べた

琥珀の目が一瞬怪しく光ったことに気づかず・・・



―翌日の朝―


「ん…んん…」

普段は翡翠に起こされても起きない志貴は何か違和感を覚えて自ら起きた

「ふわぁ…あれ、まだ5時半だ・・・」

志貴はなぜ自分が起こされる前に起きたのかを考えつつ頭をかいた

フサッ

「ん?何だこれ?」

志貴は不思議に思いそれを引っ張ってみる

グイッ

「いてててて!!これ頭にくっついてんのか!?」

突然のことに志貴はパニックに陥りそれを取ろうとする

「どうなってんだこれ!!くそっ、とれねえ!!」

しかし、それは頭に根を張ったかのように取れなかった。その時、

コンコン、ガチャ

「失礼します。志貴様起きてらっしゃるですか?」

自分を起こしに来たのか、翡翠が部屋に入ってくる

「ひっ翡翠!俺の頭今どうなっているんだ!?」

志貴は自分が今どんな状態なのか翡翠に聞いてみた。

「どうとおっしゃら・・・れ・・・ても・・・」

翡翠はそういわれて志貴の頭を見て硬直する。

翡翠が見たものは・・・

イヌ耳を生やしパニックに陥り涙目になった志貴の姿だった。そして、

プチン

翡翠の何かが切れる音がした・・・

「志貴ちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」

翡翠は自分がメイドであることを忘れ志貴に飛び掛った!!

「えっえ〜〜〜〜〜〜!?」

その翡翠の行動に、志貴は恐怖を覚え七夜の体術を使い脱兎の如く逃げ出した。

しかし翡翠は逃げる志貴を捕まえるため走り出した。

「志貴ちゃ〜〜〜〜〜〜ん、待って〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

「待てるか〜〜〜〜〜!!ていうか、翡翠!正気に戻れ〜〜〜!!」

志貴は必死に逃げ居間に逃げ込んだ

そこで、

「兄さん!!朝っぱらから騒がないで・・・くだ・・・さい・・・」

怒鳴ろうとした後呆然とした秋葉に出くわした。

「あきは〜〜〜助けてくれ〜〜〜」

志貴は必死の思いで秋葉に助けを求めた。しかし、

ズキューン

イヌ耳を垂らして懇願する兄に秋葉は何かに目覚めた気がした・・・

「ふ・・ふふふふふ・・・兄さん、イヌ耳なんか生やしてどうしたんですか・・・?」

「イヌ耳!?」

秋葉の言葉に志貴は自分の頭がどうなっているのかわかりその場に硬直する。だから、

「志貴ちゃ〜〜〜〜ん、萌え〜〜〜〜〜!!」

といいつつ迫ってくる翡翠をよけることが出来なかった。そして、

「志貴ちゃん志貴ちゃん志貴ちゃん志貴ちゃん志貴ちゃん志貴ちゃん志貴ちゃん志貴ちゃんイヌ耳イヌ耳イヌ耳イヌ耳イヌ耳イヌ耳イヌ耳イヌ耳イヌ耳イヌ耳萌え〜〜〜〜〜!!」

翡翠は志貴のイヌ耳をワサワサと撫で、スリスリとした。

しかし、

「翡翠!!貴女なにやっているの!!早く私の兄さん(のイヌ耳)から離れなさい!!」

そういいつつ髪を真っ赤に染めた秋葉に引き剥がされた。が、

「何すんじゃコラ!!このナイチチが!!」

という翡翠の言葉に表情を無くし、

「ふ・・・ふふふ・・・どうやら貴女にも使用人としての分別を叩き込む必要がありそうね・・・」

と、戦闘モードになり翡翠を睨み付けた。翡翠も、

「ナイチチのくせに志貴ちゃんとの幸せな一時を邪魔すんじゃねえよ」

と、腕をぐるぐる回して洗脳探偵モードになっていた。しかし、

「あきはぁ〜ひすい〜喧嘩はやめろよぉ〜」

といいシュンとなった志貴を見てピタッと硬直すると、

「「萌え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」

と同時に叫び志貴目掛け一直線に飛び掛かり志貴を捕まえた。

「翡翠、とりあえずしばらく共有財産というのはどうかしら?」

「貴女を賛成です」

「なに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」

二人のあんまりな言葉に志貴は叫ぶが、

「さあ兄さん、逝きましょうか」

「地下王国をお連れします」

という二人にどこかに連れられていかれたのだった。



そのころ琥珀は、

「今度はしっぽも一緒に生やしてみましょうか・・・」

なんてことをモニターで見ながらつぶやいていたのだった。




「いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

それからしばらくのあいだ叫び声が遠野家から聞こえたという。


 

あとがき


はじめて自分で書いてみた作品です。いかがでしょうか?この作品一時間半くらいで一気に書き上げたから質悪いかも(汗

話の展開が急すぎる〜、というのはやめてください。自分でもそう思いますから・・・SSって書くの難かし〜(泣

かなりベタな題材だと思うので似たような作品を書いている人がいるかも。誰かの作品をまねたわけではないのでご了承ください。

さて、この作品はっきり言ってギャグです。はじめてでシリアスなの書けないもん。

翡翠と秋葉が言い合っているとき翡翠は反転しています。反転しているときの翡翠に怖いものなんてありません(笑

いつか、シリアスや長編なんかにも挑戦してみたいです。至らない点もあるとおもいますが気に入ってくれると幸いです。

2005年4月3日  ルクス