「琥珀さん、ナスとキュウリくれない?」
「いいですよ」
「うん、ありがとうございます。――それじゃぁレン、行こうか」
「――――(コクコク」
「まさか志貴さん、レンちゃんによからぬことを・・・」
「・・・何か壮絶な誤解があるみたいだから言っときますけど、
琥珀さんが考えてるようなことはしませんよ」
「ちぇー」
「なんでくやしそうなんです?」
「あはー」
「いえ、わかんないですって・・・」
クイクイ
「ん?早く行こうって?わかったよ。それじゃナスとキュウリもらっていきますね」
「かんばってくださいねー」
「絶対誤解してる・・・」
「――――――」
「お、できたって?へぇ、うまいじゃないか。レンは手先が器用なんだな」
「―――――(♪」
「あとはこれを益棚にのせてっと・・・よし完成だ」
「―――――?」
「ん?これはなにかって?」
「――――(コクコク」
「えーと、たしかキュウリは馬に見立てて精霊を早く迎えてナスは牛に見立てて精霊の帰りを穏やかにする・・・だったけな」
「――――(コクコク」
「よし、じゃあ迎え火焚いて帰ろうか」
「――――(コクコク」
「バイバイ遠野君。忘れないでくれてありがとね」
「え―――?」
「――――――?」
「ううん、なんでもないよレン」
「――――――」
「うん、そうだね。早く帰ってご飯食べようか」
「――――(コクコク」
「バイバイ弓塚さん。また来年にね」