大変です、聞いてください、このままでは私はインド仕様にされてしまいます。

マスターは私をカレーに漬け込む気なんです。

でもそもそも私はユニコーンと乙女の複合聖典なんですよ。

20億はいるキリスト教徒の皆さんにあがめられる聖遺物の1つなんです。

その概念武装性は世界でも指折りなんです。えっへん。

なんといってもそんじょそこらの死徒さんなんか私の一撃でちょちょいのちょいです。

えーと、マスターの彼氏の使用人風に言うと「あなたを、転生かっこ悪い」です。

わたしがいままでにこれで仕留められなかったのは真祖の姫君とマスターの彼氏ぐらいです。

もっともいままでに2回しかつかわれたことありませんが、えっへん。

 

そんなこと話にきたわけじゃないんです。

とにかくそんな素敵な第7聖典こと私が、いまやてーそーの危機なんです。

大体おかしいと思いませんか。

カレーなんてぜんぜん概念武装でも退魔物質でもないんですよ。

臭くなるのはイヤだけどにんにく漬けのほうがまだ一般的でしょう。

でもそのまえにマスターの部屋のにんじんを全部食べてやります。

もっともそんなことになったら有彦さんに嫌われるかもしれません。

そんなことになったら私、生きてられません。

有彦さんを殺して私は生きます、えっへん。

 

だいたいどこの世界にカレールーで魔法陣をかく魔術師がいるんですか。

立ててた蝋燭までカレー風味ですよ。

しかも彼氏を浮気させない魔術ですよ。

さすがに失敗していましたが。

指差して笑ったら怖い顔してドリルをつけようとしました。

 

私をカレーに漬け込むのだって、ぜんぜん理論的じゃないんです。

マスターが言うには

「聖典は使用者のブースターとしての側面が非常に高い。

したがって使用者が最高の状態になるデコレーションは魔術的見地から言っても意義が高い」

ってことなんですけどなんでカレーかと聞くと、人類最高の発明だからって言うんですよ。

大体それなら武器の前にカソックをカレーにつけるべきだと意見したんです。

なんて答えたと思います?神聖なるカレーに穢れたカソックはふさわしくないとか

カレーを粗末にするとカレー神ルーの怒りが下るとか

カソックは戦闘用の服装でありカレーの匂いは隠密製を損ねるとか。

はっきり言って突っ込みどころ満載です、えっへん

 

あ、そうそうそれになんでそもそも私のブーストが必要なのかって言いますと、

マスターの彼氏が真祖さんと2股、いえ正確には8股ぐらいらしいんです。

女性の単位を股っていうのっていやらしいですね。

えーととにかくそれでとりあえず真祖さんを理由をつけて葬って7股にしたいらしんです。

そのまえに自分を磨けって意見したら肉体はピチピチの18歳と答えました。

ほんとは28歳の小娘の癖にといったらドライバーとチェーンソウをもって追っかけられました。

私は年上なんですよ、敬いなさい、えっへん。

 

あと、私はクリスチャンじゃないから詳しくないんですがマスターは

「良き異教徒は死んだ異教徒だけだ、がははははは」とか言ってました。

さあ、おとなしくこの寸胴に入りなさい、っていうんです。

たぶん教会の中でおなじこといったら破門ですよ、破門。

キリスト教は侵略宗教の癖に外面を凄く気にするんですから。

そうだこんど、ナルバレックさんに報告しておきましょう。

うまくいけば私はお役ご免でイタリアに帰れます。

あれ、でもそうすると有彦さんと離れ離れで、

そのうえメレム・ソロモンさんの倉庫に逆戻りですか。

それも困りますから今回は勘弁してあげましょう、えっへん。

 

聞いてますかレンさん。

わたしはとにかく今大変なんです。

だからマスターに彼氏と美味く行く夢を見せてくれませんか。

そうすれば満足してインド仕様を忘れてくれると思うんです。

え、ダメ?理由はレンも股の一人だから…ってホントですか。

だって、マスターの彼って変態で底なしで見境無しで絶倫で…

え、あってる?でも好き?

え、私がマスターの彼氏と付き合うと面倒なことになる?

それは無いです、ありえないです。

え、みんな始めはそう言った?

ちょ、ちょっと待ってください。な、何をする気ですか。

私は由緒正しいカトリック教の第7聖典ですよ。

関係ない?夢の中は一緒?あ、あ、ああ〜。

 

ふう、敵を一匹しとめたの。

ほっとくとご主人様を誑かす悪い虫なの。

ご主人様は私が一番なの、ご主人様大好き。