体の不調の原因は気のバランスとか言うモノだった。

それは定期的に宗じいちゃんが処方してくれるクスリを飲むとある程度は大丈夫らしい。

こまめな通院生活をしなきゃいけなくなって数ヶ月。

色々あったけど僕にとってはいつもと変わらない日常だった。

そして正月が過ぎ、春がもうそこまで来ていた。

 

 

 

 

 

PANIC

 

 

 

 

 

「遠野くん、三年生が放課後来てくれって」

クラスメイトの女子がそう言って僕に紙切れを渡す。

「───どうしてそんなに受けてくるかなぁ・・・」

「だって、お昼奢ってもらったモン・・・」

そのクラスメイトはそう言いながらゴソゴソとカバンの中からお菓子を取り出す。

「ほら、ポッキーあげるから。ね?」

───僕は授業を終えたと同時に見知らぬ先輩に呼び出しを受けてしまった。

2月頃から呼び出される回数が増えた気がするけど、内容としては殆ど同じ。

だから僕はため息を吐いてその場所へと向かった。

でも、ポッキーでこんな割の合わない仕事をしなきゃいけない僕って一体・・・

僕は少し落ち込みながら指定された場所へと向かう。

「遠野さん・・・お、僕と付き合ってください!」

「あの、先輩・・・僕は誰ともお付き合いする気はないです。スミマセン」

僕が謝ると男子の先輩はすごい速さで駆け抜けていった。

そしてそれと入れ違いに女子の先輩が僕に急接近してきた。

「遠野さん、私のお姉さまになってください!」

電波さん?!

僕はその勢いに圧されながら突っ込みを入れる。

「えっと、僕、先輩より年下ですよ?」

「それでも良いの!私のお姉さまになって!!」

すごい勢いで迫られて僕はどう断ればいいか考えていた時、

キュンッ

何かがその先輩の足元に当たった。

「ひっ!」

その先輩は辺りをキョロキョロ見回し、ある一点を見て顔を真っ青にして逃げていった。

「───何だったんだろう・・・でも、助かったぁ・・・」

僕は感謝の気持ちを込めていたと思われる箇所を向いて軽くお辞儀をした。

 

 

「狙撃終了───っと」

銃身を上げ、小さく息を吐く。

「やっぱりロングショットは指弾よりこれが楽で良いなぁ」

そう言ってチラッと志貴の方を見てビクリと体を震わせる。

H&K、G36を手早く分解して仕舞う手はカタカタと振るえ、その表情は今まで見たことがないくらいだらしのないモノだった。

ぶっちゃけ、弓塚は完全に舞い上がっていた。

「遠野くんがお礼したよぉ・・・嬉しいなぁわたし、役に立ったよぉ・・・」

弓塚はサングラスを外してG36と同じケースに仕舞い、その場から小躍りしながら去っていった。

 

・・・・・・・・・・現在の弓塚さつき・・・・・・・・・

 

Name   :弓塚さつき(別名:TWIN−TAIL)

Job     :別名通り『もう一方の尾行者』

Battle skill :現在未知数。SP・SSクラス以上?

Main arms :指弾・G36(モデルガンカスタム。威力も本物に近い)

Battle ex  :下は学生から上はプロの暗殺者まで