「なぁ馬鹿兄貴」

「何だエロ弟」

「今年の叶えたい夢はあるか?」

「そう言うお前は何だ?」

「俺?俺はヤクルトのジョッキ飲みか手が黄色くなるまでミカンを食べる」

「志貴・・・万札やるからそれを今すぐ叶えろ・・・」

「え!?良いの?」

「ああ、思い切り願いを叶えろ!」

───一時間後───

「・・・一緒にやると気持ち悪い・・・・・・」

「そうか・・・でも夢が叶って良かったな」

「まあな。で、四季の今年の夢は何だ?」

「そうだな・・・今年こそ秋葉と結婚・・・」

「法的に無理」

「お前の七夜の姓を俺が継いで秋葉と結婚!」

「──────好きにしてくれ」

「っし!なら今から結婚と出産を前提に付き合ってくれと申し込んでくるぞ!」

「待て!早まるな馬鹿兄貴!」

「何だよ・・・さてはお前、秋葉のことが・・・」

「イヤ、それは馬鹿兄貴に譲るから・・・今日が何の日か知ってて言っているのか?」

「正月だろ?」

「元旦早々ストレートに告る気か!?」

「勿論!」

「漢っとこ前や・・・だがな、馬鹿兄貴。去年は意味もない直球勝負ばかりして全て拳のカウンター喰らっただろ」

「ああ。癖になるくらい喰らったぞ」

「・・・・・・だったら今年は変化球でも出してみろ」

「むぅ・・・大○ーグボールとかか?」

「直球勝負の意味を知っているくせに惚けるな」

「出会う場所とタイミングの事だろ?」

「・・・もしかして直球の意味、真っ直ぐ向かっているからとでも思っていたか?」

「違うのか?」

「・・・・・・馬鹿兄貴、良く聞けよ。ストレートってのは面と向かって「好きだ」とか直接的に行動で表すことだ」

「何!?そうなのか・・・してどうすれば良いんだ?百戦錬磨の女誑しであるお前なら知っているだろ?」

「死にたいか?そうだな・・・正月らしく餅つきや羽子板に誘うとか・・・ベタベタでどうしようも無いなぁ・・・」

「何!?ベタベタ!?っしゃ!早速誘いに行くぞ!!」

「待て馬鹿兄貴・・・・・・行ってしまったか・・・まさかベタベタを別の意味で捉えてないか?」

───数十分後───

「志貴〜〜〜〜」

「下がかなり騒がしかったが?馬鹿兄貴。少しは人の話を聞いたらどうだ?」

「お前のお陰だ!」

「はぁ?」

「今回は秋葉に殴られなかったぞ!」

「じゃあ顔面の痣は・・・蹴られたか?」

「おう!しっかりと拝ませて貰った!ありがとな。志貴」

「・・・・・・それで良いのか?」

「ははははは!今年も良い年になりそうだ!」

「・・・まぁ良いか・・・・・・」