今日は橙子お姉ちゃんの事務所にてクリスマスパーティー。

鮮花さんはどうしても抜ける事が出来ない用事があるとかで不参加。

幹也さんが言うには血の涙を流さんばかりの勢いでとても怖かったらしい。

そして先生と橙子お姉ちゃんがすっごいテンション高い。

「ほら、志貴も飲め」

式さんが僕の肩を抱いてズイッとグラスを勧めてくる。

「あ、でも僕未成年・・・」

「これはシャンパンだ。お酒ではない」

「や、スパークリングワインは立派なお「さあ、飲んでみろ」・・・」

幹也さんの突っ込みを完全に無視して僕に勧めてくる。

それにしても・・・幹也さんだけスーツ姿ってなんて、良いなぁ・・・

ちょっぴり泣きたくなった。

 

 

 

 

 

PA〜Xmasヴァージョン〜

 

 

 

 

 

何故僕はこんな格好をしているんだろうか。

何故こんなモコモコでフリフリのミニスカサンタの格好なんて・・・

「志貴、とても似合うぞ・・・本当に可愛い・・・」

「しっ、式さん?!」

「志貴の生足が魅力的すぎるのがいけないのよ」

「む?狡いぞ。私にも触らせろ」

先生と橙子お姉ちゃんが後ろから前から抱きついてきた。

「先生も・・・お姉ちゃんまで!?」

「志貴の頬、柔らかい・・・」

「にゅううぅっっ?!」

式さんにほっぺたをペロリと舐められ、

「この手触りとこの胸のボリュームは・・・悶える志貴が可愛いにゃぁ」

「はうぅぅぅっっ!?」

お姉ちゃんに後ろから胸を触られて、

「志貴の太股で膝枕・・・」

「えうぅぅぅっ・・・」

先生は膝枕してそのまま頬擦りするし・・・

「はい、みんな笑顔笑顔」

「幹也さん・・・僕、笑えません・・・」

幹也さんはスッゴイ幸せそうな顔で写真取りまくっているし・・・

「幹也、交代だ。」

「え、いいの?」

「偶には志貴の良さを実感してもらわんとな」

式さんが僕から名残惜しそうに離れていく。

「じゃあお言葉に甘えて・・・」

「甘えないでください〜・・・っていうよりも僕の拒否権は〜〜〜?」

「まぁまぁ・・・お酒の上での無礼講と言う事で・・・」

「幹也さんお酒飲んでない〜〜」

「あ、本当に志貴君柔らかい」

「はにゅぅ〜〜〜〜〜〜」

「端から見ても志貴は可愛いなぁ・・・」

何だか無茶苦茶なパーティーでした。

 

 

パーティーもようやく終わってアルクェイドさんとシエルさんの待つマンションへと向かう。

「酷いよ・・・僕の服・・・」

「や、済まない。所長が洗濯しておけと煩かったからね・・・」

流石にそのまま返すような非道なお姉ちゃんじゃなかった。

幹也さんにお酒を飲ませなかったのはアルクェイドさんのマンションまで車を出させるためだったみたい。

「せっかくのパーティだったのに幹也さんお酒のませないでごめんなさい」

「帰ってからみんなと志貴君を肴にまた飲むから良いよ」

「はう・・・」

幹也さんって結構お茶目さん?

僕は幹也さんにお礼を言ってアルクェイドさんの部屋へと向かった。

 

 

「志貴、遅かっ・・・・・・・・・」

部屋に入ったと同時にアルクェイドさんとシエルさんが僕を見て動きを止めた。

呆れて固まっているのかそれとも少し怒っているのか二人とも複雑な顔をしていた。

「あ、あの、遅れました・・・それとこんな格好でごめんなさい」

「志貴・・・その格好、いい・・・」

「綺麗です・・・可愛いです・・・プリティです・・・」

「あまり嬉しくない褒め言葉です・・・・・・」

何だか同じ反応で泣きたくなった。

ちょっぴり涙が出てきた僕を見てアルクェイドさんとシエルさんは互いの顔を見合う。

「遠野の屋敷に行く前にどうですか?」

「奇遇ね。私も同じ事を考えていたわ」

そして頷いて、

「貴女がいけないんですよ・・・わたし達を狂わせる貴女が・・・」

「どうして志貴は私を狂わせるのかな・・・」

「え?ちょっと・・・どうしてそんな・・・」

二人とも僕をしっかりと掴んでベッドまで連れて行く。

もしかして二人ともお酒入ってる?!

「「クリスマスプレゼントゲット!!」」

「わぁぁぁぁぁっっ〜〜〜!?」

アルクェイドさんとシエルさんに襲われてしまった・・・

 

 

同時刻

 

 

「志貴があの洋服を着けて・・・ああ、人生最高の夜になります・・・」

「そう。シオン。とっても素敵な夜になるわね・・・兄さん・・・サンタドレスが貴女を待っていますよ」

酒を片手にハアハアと荒い息を出しながら妄想に老ける二人。

側にはワインやらブランデーやら結構な数の空き瓶が転がっていた。

「ふふふふ・・・あのお洋服には特殊な仕掛けがありますから後で面白い事が起きるのよ翡翠ちゃん」

「また良からぬ事を企んでいるのですか?」

呆れたように呟く翡翠。

「そんな・・・わたしは翡翠ちゃん達のために翡翠ちゃん達が喜ぶような仕掛けを施しただけなのに・・・」

顔を手で覆って泣き崩れる。

「姉さん───嘘泣きの時と本当に泣きそうな時の顔の覆い方が微妙に違っているのはご存じですか?」

「洞察力最強?!」

───こちらはこちらで結構な盛り上がりを見せていた。