注意
これは電波系馬鹿小説です。
60分小説ですので質は―――保証できません。
そして気が向いたら更新する―――かも知れません。
BURST!
昨夜は外が騒がしかった。
獣の唸り声や犬が吠える声が煩かったのだが、それも暫くすると獣達の悲鳴がして静かになった。
おかげで俺はぐっすりと寝る事ができた。
―――まあ、朝の五時頃までだが。
「志貴さま」
「―――ああ、メイドか・・・どうした?」
「秋葉さまがモーニングコールをしたいと喚いているモノで・・・」
「メイド・・・余程アレに対して鬱憤が溜まっていたんだな」
よりにもよって喚くって・・・そこまで言うか。
「着替えるから出てくれ」
「畏まりました。こちらがお召し物です」
どこからともなく取りだした着替えを俺に渡し、メイドは部屋から出た。
「―――奴こそが化け物では?」
本気でそう思えた。
着替えを終えて部屋を出た俺はメイドと共に食堂へと向か―――わずに真っ直ぐ玄関へと向かう。
どうせ屋敷の中は秋葉が彷徨いているんだ。外で体を動かしていた方がいくらかマシだ。
部屋にいても暴走した秋葉が突入してくるだろう。
それはそれでペナルティとして扱えるが・・・面倒だ。
「さて・・・」
後ろではメイドが控えている。
どうしたものか・・・このメイドとは闘いたくない。
俺の本能が闘うことを拒否している。
「メイド」
「飛び道具無しの軽い手合わせだが――――やるか?」
「弐式解除で宜しければ・・・」
弐式って何だよ・・・ああ、どうせ俺の思考を呼んでそうだから説明はいらない。混乱の元だ。
俺の思考を読む相手。昔闘ったサトリを思い出すが・・・目の前のメイドはアレとは比べものにならないほど危険な相手だ。
三十分近く闘った結果は痛み分け。
いや、メイドは息も切らさず汗一つかいていない。
木々を縫うように移動したり、枝や幹を足場に立体的に闘うというのも厄介だ。
――――ん?俺の戦い方と全く同じ戦い方をされた!?
俺遊ばれてる!?
まあ本能が全力で戦いを回避するよう警鐘を鳴らしていただけに分かってはいたが・・・
軽く凹む俺の側に立っていたメイドがふと屋敷の方を向いた。
「どうやら秋葉さまが志貴さまを捜し回っているようです」
動き出したのか・・・待て。
「屋敷の方を見て言ったのは分かったが・・・見える窓は全て個室のはずだぞ?」
「秋葉さまの気配は既に覚えていますので」
その気配察知能力を身につけたいが・・・本気で恐ろしいメイドだ。
「志貴さま。ご指示を」
いや、今そのままの流れだと俺は<必見必殺>と言うことになるのか?
そればかりは避けたい。
「―――とりあえず一撃入れて正気に戻し、送り出してくれ」
「・・・・・・畏まりました」
なんだか少し不服そうな顔をしてましたけど?
メイドが去ったのを確認し、俺はメイドとの戦いを思い出し、自己採点を始める。
ダァァァァンッッ
「!?」
屋敷の中から大口径銃かショットガンの発砲音のような音が聞こえだぞ!?
俺はすぐに林の中に隠れる。
・・・まさか一撃入れろと言ったが、ナックルの一撃ではなく弾丸をぶち込んだと!?
「だとしたら洒落にならんぞ」
遠野とメイドの最終戦争か?
十中八九どころか確実に俺も巻き込まれるぞ!?
対策を必死に考えているとメイドが戻ってきた。
「・・・秋葉はどうした?」
「正気に戻られたのですぐに登校されました」
「奴はとうとう弾丸も効かなくなったのか・・・」
「いえ、防弾ジャケットを背中に押しつけてショットガンによるゼロ距離射撃を」
「暴発しかねん!ショットガンの意味無いだろうが!」
「ご安心を。対秋葉さま専用ショットガンです。それにわたしは自身の使う武器で怪我を負うことはありません」
「対秋葉専用って何だ!?」
「ご覧になりま「いや、結構だ」」
これ以上危険区域を見ようとは思わない。
俺は肉体的な疲れを遙かに凌駕する精神的な疲れを感じながら屋敷へと戻った。