注意
これは電波系馬鹿小説です。
66分小説ですので質は―――保証できません。
そして気が向いたら更新する―――かも知れません。
BURST!
今のは・・・頭蓋骨陥没確定だぞ。
平の部分ではなく、灰皿の角でやりやがった・・・・
常人なら確実に死んでいるが、血も出ていないし灰皿にこびり付いてもいない。
人外の血を継いでいる連中ってこんなに打たれ強いのか!?
それともここもなのか!?
ここも奴等と同じ世界なのか!?
ビルごと姉を吹き飛ばそうとしたり炭化するまで妹を焼き殺そうとしたりするあの姉妹と同じ次元なのか!?
待て、OK、落ち着け俺。
────今現在俺に降りかかってきた災いはあの火を吐く植物程度だ。
さっきのが異常というのならなんとか有間の家に戻れるよう説得できるかも知れない。
「少々お待ち下さい」
メイドはそう言うとクリスタル灰皿をテーブルの上に置き、テーブルに頭を打ち付けた状態のまま動かない秋葉の背後に回ると、
「吩ッ!」
秋葉の心臓目掛けて掌打を浴びせた。
・・・・・待て、その明らかに鉛か鉄の粉が入っていそうな手袋はなんだ!?
やはりここは同じ環境のようだ。
「帰って良いか?」
「ど、何処に帰るというのですか・・・・帰る場所はここしかありませんよ兄さん」
マジかよ・・・そこまでダメージを受けていないってのか。
決定。
目の前にいるヤツはやはり人じゃねぇ。
「煩い。話すも何も真っ当な会話を放棄しているのは貴様等だろう」
ああイライラする。
二重人格3チャンネル受信って段階で一般人として辛いカテゴリーなのにこれで人外だからタチが悪い。
退魔衝動が起きないのが不思議なくらいだが、恐らく俺の本能も目の前のこいつを人外ではなく奇人と分類しているんだろう。
しかし・・さっきメイドはチャンネルが違うと言っていたが・・・まあ多重人格の一種だと納得しておこう。
俺が考えている間無言が続いていたが、秋葉の様子が少しおかしい。
「ふ、ぇ・・・・・」
待て、何故泣く?
「兄さんが、また私を置いて逃げる・・・・」
「だから俺は貴様の兄ではないと」
「秋葉の兄さんは兄さんだけだもん!」
よくわかんねぇよ・・・
「俺の名は七夜志貴。貴様等遠野が奇襲し壊滅させた七夜一族の生き残りだ」
「やーです!兄さんは兄さんなんです!私の兄さんはどんな姓名であっても兄さんなんです!」
────微妙に幼児退行していないか?
メイドを見る。
・・・・・・・見なければよかった。
少し離れたところで金属バットをスウィングしている。
かなり振っているのに音がしないのは何故だろう。
「兄さんは秋葉のこと、嫌いなの?嫌いになっちゃったの?」
あ、メイドが後ろに立った。
「ですからチャンネルが違うと」
そう言って全てを破壊するような勢いで縦一文字に振り下ろした。
が、
「兄さんは秋葉のなの!」
いきなり立ち上がったせいで紙一重で避けた。
ドズッ
秋葉の後ろで凄い音が鳴る。
「!?」
秋葉は慌てて後ろを向いたが、メイドは何事もなかったように数歩後ろで待機している。
金属バットは何処に行った?つーか背もたれの部分が思いっきり陥没しているんですが!?
「何かございましたか?」
「え?ううん、なんでもないの・・・」
秋葉はそう言うと俺の方を再び見────
待てメイド。どこからそんな鋼鉄製のハリセンを出した!?
「補正!」
今度は避けられないように頭の側面から勢い良く張り飛ばした。
秋葉は体が軽く宙に浮き、ソファーに座り込むように倒れた。