注意

 

これは電波系馬鹿小説です。

45分小説ですので質は―――保証できません。

そして気が向いたら更新する―――かも知れません。

 

 

 

 

 

BURST!

 

 

 

 

 

校門ではなく塀から飛び降り、街の中を疾走する。

最悪だ。

予想通り放課後に来やがった。

俺が逃げると奴は『待ってください!・・・行かないで!』と、聞き方によっては俺がトンデモナイ悪人のように聞こえる科白を叫んだ。

明日から学校に行くのを辞めようかと本気で思った。

それはそれで構わないが、なかなか嫌な辞め方だな・・・

女性関係の縺れで退学って感じだ。

あとは遠野の屋敷に行って今日で叩き出されればパーフェクトだな。

───と言うよりも、遠野の現当主である秋葉が問題だ。

二重人格で電波を三チャンネル受信できる電波人間だとか。

・・・・しかしそれは、二重人格どころか多重人格じゃねえのか?

今気付いたが、どうせ長居するつもりはないんだ。

話が出来る状態の時にキッチリ話を付けて遠野から出ればいい。

まともな時の秋葉は高校生とは思えない程、頭脳明晰な人物だと文臣さんから聞いている。

まともな時ならば俺が遠野の屋敷にいる事がどれだけマイナスか分かるだろう。

──────まともな時があるのなら、だが。

ああ、嫌な予感と頭痛がしてきた。

俺はため息を吐きながら遠野の屋敷へと向かった。

 

 

夕暮れ時のこの風景はなかなか気に入っているが、やはり月の出ている夜が良い。

これから消えゆく夕暮れよりも闇の中で佇んでいるような月の方が性に合っている。

さて、今後の予定でも考えておくか。

遠野の屋敷を出た後の完璧な逃走経路を用意しておかねば最強の魔女と最強の人形師にWELCOMEされてしまう。

蒼崎家に永久就職なんて危険な可能性もゼロではない。

俺と初めて遇った時から先生はずっと目をつけていたらしいとの情報も入っているだけにだ。

途轍もなく嫌な話だ・・・・・

最悪、覚悟を決めて国外逃亡を考えなければならない。

先生達があまり行きたがらないイギリスに逃げるという手もあるな。それとも中近東辺りにでも行こうか・・・・

そんなことを考えながら坂を上る。

ふと思ったが、坂の上の館って、ある意味刑務所チックじゃね?

隔離されている感じだし。

明日は朝一にでも銀行に預けている金を全て下ろしに行くか。

そしていつでも逃げられるように万全の用意を調えておかなければ・・・

立ち止まる。

頑丈そうな門扉が行く手を阻む。

「これは・・・・」

手を回しても内側にも鍵穴があり、開けることができない。

「面倒だな・・・・」

ため息を吐きながら側にあったインターフォンを押した。

 

 

 

 

 

 

反応がない。

俺はもう一度インターフォンを押した。

「────はじめから入れる気がないのなら有間の家へ帰るぞ」

『返答が遅れて申し訳ありませんでした!すぐに開けますね』

どこか焦ったような声がスピーカーから聞こえ、カチャンと門扉が開いた。

「・・・・あと少しでそのまま帰れたのに」

思い切りため息を吐き、門扉を軽く蹴って開け、敷地内に入った瞬間────

ガシャンッ

「・・・・・・・・・・」

なんてトラップ・・・・

どんな屋敷だここは。

やはり強制収容施設なのか?

どうせ先に進まなければならないんだ。ここは一々驚かずにそのまま屋敷に入ろう。

本当に今日何度目か分からないため息を吐き、屋敷へと歩を進めた。