注意
これは電波系馬鹿小説です。
41分小説ですので質は―――悪いです。
そして気が向いたら更新する―――かも知れません。
BURST!
「はぁ、はぁ、はぁぁぁ・・・」
「・・・・耳元で荒い息を出さないでください」
拝啓、お父さんお母さん。
貴方達の息子は女人の誘惑を受け付けない領域に突入し始めました。
「志貴くぅん・・・」
「・・・・・・・・」
・・・訂正。貴方達の息子は魔性の女達によって不能者になっているのかも知れません(泣)
「昔の朱鷺恵さんはもっとお姉さんっぽくて良かったのに・・・・」
昔の事を思い出して涙してしまう。
ああもう過去を振り返ったり背負っている昔のお姉さん(現、化け物)の事とかスッパリ忘れてただ背負っている現、化け物をしかるべき住処に送ることだけ考えよう!
「志貴くんの汗の香り・・・・」
「全力で振り解いて逃げますよ?」
「出来ると思う?」
「無理です。だから大人しくしていて下さいお願いします」
朱鷺恵さんが俺の首をロックし、少しでも妙なことをすれば閉めようと構えている。
因みにさっきから背中に胸を押しつけているのは新手のマーキングなのだろうか。
「朱鷺恵さん。どこかかゆいんですか?」
「え?」
朱鷺恵さんが聞き返してきた。
危ない。これは地雷か!
「いえ、何でもありません」
「うん。ちょっと胸元がかゆくて・・・志貴くんが掻いてくれると嬉しいかな・・・なんて」
「胸元ぐらい自分で掻いてください」
「・・・志貴くんが冷たい・・・・・昔はあんなに素直で優しくて赤面症だった志貴くんが・・・」
小さくすすり泣く声と、首筋にポタポタと涙が落ちる。
───ここでリアクションしたら負けだ。敵はそれを望んでいるんだ!!
俺はただ無言で歩く速度を速める。
後7分で目的地に到着だ!
じいさんに背負っているブツを渡せばミッションコンプリートだ!
後ろの声は一切耳に入らない。
心を空にすればどうと言うことはない。
朱鷺恵さんの泣く声も何か言うこともなくなった。
どうやら眠ってくれたようだ。
ホッと胸をなで下ろし、時南医院へと急ぐ。
時南医院に着き、ドアをノックする。
暫くして
「こんな夜お・・・・・・おお、お前さんか」
じいさんが玄関にでてくれた。
「夜分に済みません。お届け物です」
そう言って負ぶっている朱鷺恵さんをじいさんに見せる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・そうか。で、では志貴よ。スマンがベッドまで連れて行ってやってくれ。ワシでは運びきれんでな」
む。確かに・・・・ギックリ腰でもされたらコトだ。
仕方なく眠っている朱鷺恵さんを負ぶったまま朱鷺恵さんの部屋へと向かった。
「っ、と・・・・・」
ベッドに腰掛け、朱鷺恵さんを引きはがしに掛かる。
「じいさん。朱鷺恵さんを剥がす────?」
部屋の前まで一緒だったはずのじいさんがいない。
DANGER!DANGER!
何故か頭の中で警報が鳴り響く。
やはり罠かっ!!
そう思った矢先、
バフッ
「?!!」
平衡感覚を失い、朱鷺恵さんを背負ったままベッドに倒れた。
「動けないでしょ・・・もう、逃がさない」
ソッと俺から離れ、俺をベッドの中央に引っ張る。
気分は蜘蛛の巣に引っかかった虫のような心境だった。
「志貴くん・・・・わたし、そんなに魅力無くなった?」
涙目で俺を覗き込むその顔は思い詰めた表情で・・・・
でも、迂闊に動いたら吐きそうな程世界が廻っていて・・・・
――――もう、諦めました。