注意
これは電波系馬鹿小説です。
44分小説ですので質は―――悪いです。
そして気が向いたら更新する―――かも知れません。
BURST!
「くっ」
俺は先生のサポートを止めて直接先生の姉を止めるべく走った。
遮蔽物に身を隠しながら気配を断ち、時には遠回りしながら接近する。
「志貴を傷付けたらただじゃおかないからね」
先生が何やら気合いを入れて実の姉を攻撃している。
そんな中俺は背後を取り、
「動くな」
背後から体を密着させ、首元にナイフを当てた。
「っ・・・」
俺を過小評価してしていたようだがそれは魔術師として致命的なミスだろう。
開いていた腕で後ろから抱きしめるような体勢で両腕をロックした。
恐らく一流の魔術師。
本来ならば首に刃物を当て、僅かに体を離すことで反撃にあった際に素早く身を離せるようにするが、相手が距離をものともしない術者なだけに完全に密着し、何かアクションを起こした瞬間に首を掻き切るなり昏倒させるなりしなければこちらが手痛い攻撃を受けてしまう。
「っ、ぁ・・・」
「これ以上は無駄だと分かっているだろ?」
「志貴!姉貴と密着しすぎよ!!」
「───それでも、応じない場合は・・・どうする?」
「どうもしない。俺がここにいる理由もないから引き揚げる。それだけだ」
「姉貴も姉貴よ!どうして顔が赤いの!!」
なにやら遠距離からギャーギャー騒いでいる奴がいるが当然無視している。
「───ならば帰れ」
「わかった。邪魔をした」
俺はナイフを首から離し、素早く遮蔽物へと移動する。
「ぁ・・・・・・」
小さな声をあげるだけで追撃をしようとはしなかった。
まさか本当に俺が約束を破るとは思わなかったのだろうか。
部屋の入り口まで移動した俺は遮蔽物から姿を現し、二人に軽く一礼して部屋を出た。
背後で誰かの声が聞こえたが罵倒の類だろう。
俺はそのままその建物を出る───事が出来なかった。
何度も同じ場所にたどり着く。
「・・・・・・無限回廊か?」
狐狸や天狗などがよく使うとされるアレだ。
「まやかしが・・・」
狐狸などが使うような簡単な目眩ましではないことぐらい百も承知だ。
俺は眼鏡を外し、周辺を視る。
ズクンと眼底に痛みが走るが慣れた痛みだけに気にもせず視界内の不具合のあるカ所を視る。
すると一カ所だけ線のずれた部分が見つかった。
無言でバタフライナイフを取りだし、その怪しいカ所を切った。
パキィィィィンッッ
ガラスの割れるような音と共に周囲の景色が崩れる。
ガラス張りの部屋の中にいたのではないかと錯覚してしまうほどの景色の破片が落ちる。
そして
「───まさか幽閉結界を破るとは思わなかった・・・」
そこには驚いた表情の先生の姉がいた。