注意

 

これは電波系馬鹿小説です。

50分小説ですので質は―――悪いです。

そして気が向いたら更新する―――かも知れません。

 

 

 

 

 

BURST!

 

 

 

 

 

何故だろう。周囲から注目されている。

微笑ましい目で見られているのが半分、冷たい目で見られているのが半分か・・・

先生に手を引かれ、俺はずっと周囲からそんな視線を浴び続けていた。

どこがおかしい?

気配も周りと同化しているはずだ・・・

服装もごく普通の戦闘用だ。

外見上は戦闘用だと分からないはずだが・・・やはり黒で統一したのが拙かったのか?

イヤ、しかしそれならあの優しげな視線の答えが出ない・・・姉弟だと思っているのか?

俺がそんなことを考えている間にも先生は俺の手を引きどんどん先へと進む。

そんな時、

ポツ、ポツ───

「え?」

サァ──────ッ

突然の雨に周りの人達は慌てて走り出す。

そんな中、俺と先生も例外なく近くの軒下へと走った。

「少し休めるところで雨宿りしましょう」

先生と出会ったときと同じ格好───洗い晒しのTシャツにジーンズという服装だけに、濡れるとベッタリ張り付いてボディーラインが出たり透けてしまって大変らしい。

「了解」

俺は頷いて走る速度を上げ、人気のない軒下へと向かった。

 

「──────そうか、罠か・・・」

迂闊だった。

まさかそんな手で来るとは思わなかった。

ご休憩できるホテルが路地曲がったらあるなんて。

しかも人気がないなんていう絶好の穴場なんて・・・・・・

「偶然よ、志貴」

「偶然ですか。そうですか」

遇うことも偶然。雨の降る時間帯も偶然。

全て計算尽くだったら神か悪魔か魔法使いかどちらかだろう。

「俺と遇ったのは偶然ですよね」

「当たり前じゃない───私と遇うの、イヤだった?」

先生が急に大人しくなった。

何故だろう。

俺の本能が警鐘を鳴らしている。

ニゲロニゲロと鐘を鳴らしまくっている。

さっきとは比べモノにならないくらいだ。

これは拙い。大変マズイ。

「じゃ、俺は外で待ってますので先生は服を乾かして出てきてください」

俺はシュタッと手を挙げて部屋を出る。

「───私に、女に恥をかかせるつもり?」

「先生に恥をかかせないために俺は出ておく必要があるのです」

振り返らずに最後の抵抗を試みる。

「駄目・・・志貴・・・・・・逃がさないから・・・・・・」

艶っぽい声が背後でする。

間合いを詰められている。

逃げることは──────不可能。

即ち不可避。

何故だ?何故こうも俺の周囲の女性達は強いんだ?

朱鷺恵さんもそうだ。

宗玄の爺が「お前さんが哀れじゃ」と泣くぐらい凶暴だ。

って現実から逃げている場合じゃない!!

間合い蹴り切りから逃げようとした俺の後ろからそっと俺の首を抱き込むように先生の手が伸びてきた。

「捕まえた・・・フフフフ」

俺の耳元で吐息混じりの声でそう言い、

そして背中に冷たい感触と柔らかい感触がし───

俺の中のスイッチがカチリと入った。